古(いにしえ)から学ぶ  「三国志・全七巻」 | フォトリーディング読書感想文

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三国志〈第1巻〉 (文春文庫)/宮城谷 昌光

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久しぶりの長編「三国志」を読み始めました。

随分前、最初に読んだ「三国志」は吉川英二の作品でした。


今回は、僕が好きな作家、宮城谷昌光のものです。
彼の著作は八作品目です。

人物、時代描写が秀逸です。
また、歴史物は総じて難解ですが、わかりやすいのも魅力です。

二巻目に入りましたが、惹きこまれています。


古代中国には教えられる、説得力のある、深い言葉が多いです。




「四知」

「四知」とは、四者が知る、ということです。
では、四者とは何であるのか。またその四者が何を知るというのか?


「四知」という苦言を遺した人物が楊震です。

楊震が漢の光武帝の刺史(監査長官)として、赴任してきた地で、
夜中に知人の王密が訪問してきました。
楊震が彼を推挙した礼に黄金十斤を差し出した。
いわゆる賄賂です。


このときの楊震の言葉は絶妙です。


「故人、君を知る。君、故人を知らざるは何ぞや」
わたしは君という人間を認めて推挙したのに、君がわたしをどういう人間であるかわかってくれないのは、どうしたことか。


だが、この黄金に礼意を込めたつもりの王密は言った。

「暮夜のことです。たれも知りはしません」
室内には、楊震と自分しかおらず、しかも夜中であるから、やりとりに気づくものはいない。
それゆえ安心してお納めください。


しかし、楊震は表情を厳しくして言った。

「天知る。地知る。我知る。子(なんじ)知る。
たれも知らないとどうして謂えるのか」

どんな密事でも天が知り、地が知り、当事者が知っている。
それが悪事であれば露見しないことがあろうか。


これが「四知」である。

はっと顔色を変えて、黄金を懐にしまった王密は、恥ずかしさにまみれて退出したのです。