こんな人だったのか~ 「日本史はこんなに面白い」 | フォトリーディング読書感想文

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日本史はこんなに面白い/半藤 一利

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「聖徳太子は文武両道の「行動する思想家」だった」

「権力を極めた人の辞世ほど「この世は虚しい」という」

「徳川家康だって女の前ではだらしなくゴロ寝していたのです」

「ヒトラーは二〇世紀のベルリンに巨大な阿房宮を建てようとした」

「戦争中も祈り続けた昭和天皇、彼はいったい誰のことを祈ったのか」



本書は、作家、歴史探偵で、「幕末史」を書いた半藤一利と

16名の作家、学者、歴史歴史研究者による歴史対談集です。


思いもよらない歴史の裏側と事実に驚かされます。


私たちは、歴史上の出来事にも、歴史上の人物もあるイメージを持っています。

そのイメージも大きく違っている場合もあります。


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芭蕉は「奥の細道」のイメージから、旅が好きな、孤高の俳人みたいに思われていますが、
実体はかなり違います。


◎人の心の急所をつかむ力

芭蕉は伊賀上野の出身で、江戸に出てきたのは、29歳の時。
しばらくは、上野の上水の工事の仕事に携わっていた。
100人からの人夫を仕切る、主に金勘定をやっていたんだと思いますけど、
伊賀上野から出稼ぎ人が、いきなり人を束ねるわけですから、相当に実務能力もあったし、
また人の急所をつかむ勘にも優れていた。
要するに芭蕉は「できる男」でした。



◎名プロデューサー

本業はあくまでも俳諧興行師でした。
「古池や蛙飛び込む水の音」は「蛙合(かわずあわせ)」という句合でつくりました。
この句をまとめた本が出たことで芭蕉の名が一気に高まりました。
ちょうど「蛙合」が行われた頃は、綱吉が生類哀れみの令を出していました。
それが、そのうち犬だけではなく、金魚も殺してはいけない、
蚊をたたいても島流しというふうにだんだんとエスカレートしていった。
まさにそういうときに、「蛙」のような小さな生き物をテーマにした句会を開いた。
これは、時代をつかむ感覚です。
「今これをやると評判がいい」ということを嗅ぎ分けるプロデューサー感覚と
臭覚が抜群であったということです。



◎悪党

芭蕉の弟子は危険人物だらけでした。
流刑人、獄中俳人、家老を殺して自刃したものもいます。
そういう連中を、全部自分の下に抱え込んでいたのです。
そして、いつ自分に反旗を翻すかわからない弟子たちに囲まれていたことで、
芭蕉人も鍛えられたようです。



◎男色

芭蕉は衆道(男色)でもありました。
衆道というのは今と違って、江戸時代には珍しくもなんともなかったようです。

「東海道中膝栗毛」の弥次さん、喜多さんも、旦那衆である弥次郎兵衛が、
男娼である喜多八さんを買って一緒に旅をする話です。
あのころ二人旅をする男同士が衆道の関係にあるのは結構よくある話だったのです。


芭蕉は、仕事が出来る男で、時代を読み感覚も優れていましたが、
悪党とも言われ、スキャンダルもたくさんある人でした。

芭蕉は確かに凄い人なのですが、「俳聖」というより、人間っぽい人でした。


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目次

中西進―聖徳太子は文武両道の「行動する思想家」だった
高橋克彦―蝦夷のリーダー「アテルイ」はなぜ日本史から抹殺されたか
安野光雅―『平家物語』は、戦いのむなしさを伝えてかくも美しい
井沢元彦―「神を目指した男」織田信長は空前絶後の革命家だった
高橋睦郎―権力を極めた人の辞世ほど「この世は虚しい」という
諸田玲子―徳川家康だって女の前ではだらしなくゴロ寝していたのです
嵐山光三郎―「古池や」の句は時代に対する俳諧興行師・芭蕉の戦略だった
荒俣宏―妖怪が近くへやって来るのは、あなたが「貧乏で寂しいとき」です
井上章一―ヒトラーは二〇世紀のベルリンに巨大な阿房宮を建てようとした
多賀敏行―開戦前夜、米国の暗号解読力は実はこんなにも「お粗末」だった
原武史―戦争中も祈り続けた昭和天皇、彼はいったい誰のことを祈ったのか
鴨下信一―あの「終戦の詔勅」をぼくは土下座して聞きました
北康利―戦後憲法はこうして生まれた。白洲次郎が見た占領下の日本
川本三郎―チャンバラ映画の魅力は「禁欲の美学」にあり
宮部みゆき―橋とカッパと人情と 隅田川高校同窓生の東京下町談義
丸谷才一―戦争と艶笑の昭和



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