「渋滞」の先頭は何をしているのか? | フォトリーディング読書感想文

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「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)/西成 活裕

¥756
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「早く行こうとするほど遅くなる!?


渋滞は嫌なものです。
時間ももったいないし、イライラして気分も悪くなりがちです。


高速道路、土日1000円値下げで、渋滞が増えました。
早朝や深夜に発生したところも多くありました。
時間をずらしたのが裏目に出てのことです。
渋滞を避けたいとみんなが同じことを考えた結果です。


人の行動を読むのは難しい。
しかし集団の動きの特徴を表す法則はあります。


本書は、集団運動における法則を探し、
それを基盤にして科学的に集団を考えようとする内容です。

それが「渋滞学」です。


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○自然渋滞が起こる直前

時速100キロぐらいで車間距離が30メートルで走っているような不安定な危ない状態が発生しています。
これを「メタ安定状態」といいます。


○自然渋滞発生のメカニズム

メタ安定状態のとき、ある車の速度が何らかの原因でちょっとでも遅くなると、その後ろの車が危険を感じて軽くブレーキを踏み、そしてそのまた後ろに迫っている車がより強くブレーキを踏み、といった連鎖反応が起きてしまう。
そしてその10数台後ろの車に至っては完全に停止してしまうような渋滞に成長する。
つまり、車間距離が詰まっていると、自然の小さなきっかけで渋滞へと急変してしまう。



○高速道路の渋滞原因の第一位

道路の上り坂の部分で起きやすい。上り坂といっても100メートル進むと3メートル程度高くなるような坂道で、坂道であることに気がつかないため、アクセルはそのままで走ろうとして知らず知らずのうちに減速してしまう。
「渋滞注意、ここは上り坂」とか「速度回復」のような看板があるのは、このような減速を注意するためである。


○渋滞させない運転術

車間距離を詰めないということだ。
車間距離を40メートル以下に詰めてしまうと、短期的には前に進んでいるようで気分は良いかもしれないが、結局は不安定な流れを作り出し、渋滞を発生させてしまう。

つまり長期的に見れば自分も含めて皆が損をする。


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■渋滞は車や人だけではありません。

動物でも、鳥でも、インターネットにも渋滞はあります。

人体の流れが滞れば病気にもなります。


■「笑い」にも渋滞があります。

爆笑問題がデビューしたてのころ、糸井重里さんに
「君たちの漫才は、ネタが詰まりすぎえていて、お客さんに笑う隙を与えない」
と言われたそうです。
要するにネタとネタの間を空けて、お客さんを笑わせろ、ということです。
漫才も流れなのです。
オチを入れ過ぎて、流れが上手く行かず渋滞したということです。


■前が詰まっていれば進めない、という基本的な性質は、すべてに共通のルールです。

こうしたルールにそのものの行動特性や心理が合わさって「渋滞」が発生します。


「渋滞」に対する知識を持つことは、上手く生きるためにも必要です。


人間社会で起こる渋滞は人間で解決できるはずです。

他人を思いやる心と人間力の向上で、人の心も上手く流れるのではないのでしょうか。



「万物は流れる」 しかし 「万物は渋滞する」




■目次

第1章 「渋滞学」へようこそ
世の中は「渋滞」だらけ
「渋滞」を科学する「渋滞学」
なぜ「渋滞」は発生するのか

第2章 「渋滞」の先頭は何をしているのか?
そもそも「渋滞」とは何なのか?
なぜ「自然渋滞」は起こるのか? ~メタ安定の崩壊
なぜ「自然渋滞」は起こるのか? ~4%の上り坂=サグ

第3章 世の中は「渋滞」している
生きものの世界の渋滞
アリの行列と渋滞
意外なところに発生する渋滞 ~「音楽」の渋滞