ふるさとをかくすこと・・・・ 「差別と日本人」 | フォトリーディング読書感想文

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差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)/辛 淑玉

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「差別は暗黙の快楽である」


部落出身者、元自民党幹事長、野中広務、
在日朝鮮人、人材コンサルタントで作家の辛淑玉、

本書は、この論客2人が日本の中にはびこる差別を実体験も交え書いています。


差別は、部落差別、国籍差別以外にも、男女差別、病気差別(ハンセン病)など多くの差別があります。


■関東大震災では、発生直後、
「朝鮮人が火をつけた」「井戸に毒を入れた」
という流言を口実に、官民一体となって朝鮮人の迫害と、虐殺を行ったのです。


■阪神淡路大震災でも差別が見られました。
「朝鮮人の密集地」と、「被差別部落」の指定を拒んだ地域、
そうした、改善が遅れた地域は壊滅的状態になっていました。

死亡率は日本人の1.35倍以上、たくさんの死者が出ました。
戦後復興における差別が人を殺したのです。


■野中さんは、部落出身ということで、若い頃ひどい差別に会いました。
大学に行かせ、寝食ともに面倒を見ている後輩からの差別でした。
4日間、誰にも語らず、七転八倒した。
こみ上げる無力感、人間不信、見下された視線、レッテル・・・・

しかし、ここで野中さんが出した結論は、より「立派な人になる」ことでした。
そして、政治の世界に入りました。

1982年、京都副知事の時、被差別部落民の前で語りました。
「私は部落民をダシにして利権あさりをしてみたり、あるいはそれによって政党の組織拡大の手段に使う人を憎みます。そういう運動を続けている限り、部落解放は閉ざされ、差別の再生産がくりかえされていくのであります・・・・」
野中さんは「差別」をなくすことに懸命に取り組んできたのです。


■近代日本における部落差別は、近代化過程における富の配分をにぎる藩閥政府の官僚たちと、それに支えられた新興財閥の特権を維持するために、あらたに作り出され、また再生されてきた。

「麻生太郎」は、その財閥の御曹司、日本社会が生み出した差別の結晶だという。

政治は何が本当か?


■自分は他者より優位だという感覚は「享楽」そのものです。
一度その享楽を味わうと、何度でも繰り返したくなる。

人間は愚かな生き物です。

差別をするといる実体が先にあり、そこから差別が生まれるのです。

差別は「快楽」なのです。


差別について考えましょう。


差別部落の中で読みつがれてきた丸山忠雄氏の詩を最後に書きます。
ふるさととかくすことを
父は
けもののような鋭さで覚えた
ふるさとをあばかれ
縊死(いし)した友がいた
わが子よ
お前には
胸を張ってふるさとを名のらせたい
瞳をあげ何のためらいもなく
“これが私のふるさとです”
と名のらせたい