
¥1,890
Amazon.co.jp
9.11テロでアメリカ人の移動手段が変わりました。
飛行機
に乗るのを減らして、車
に移行したのです。その1年間で、アメリカ
の路上での交通事故死
は1595人増加しました。この数字は、テロでの総死亡者数の半数を超えているのです。
恐怖
のおかげで私たちは生き延び繁栄
してきました。人類が存在しているのは恐怖のおかげだといってよいのです。
しかし、「いわれない恐怖」は別問題です。
テロ攻撃のあとに、人々に飛行機
を放棄させ車
に向かわせ、多くの人の命を奪ったのは、「いわれない恐怖」なのです。
恐怖
、リスク、という言葉が、いつの頃からか頻繁に使われるようになりました。テロ

死を運ぶ伝染病

環境を汚染する化学薬品

ネット上の小児

性愛者・・・・・・・・・
今、恐怖
と言われているものはたくさんあります。そして、増えて
きたように感じます。本書
は、リスクを現代人が必要以上に怖れている状況を認知心理学者
が解き明かした内容です。「なぜ人は、恐怖
や、リスクに影響されてしまうのか
」「なぜ恐怖を、企業
、政治家
、メディア
に操られてしまうのか
」リスクの正体
がわかります。---------------------------------------------------------
■リスクに騙される3ポイント
情報の増加と偏り
利益組織の扇動
心理的影響---------------------------------------------------------
●情報時代
大部分の社会学者が、西側諸国がリスクや安全性に取りつかれるようになったその始まりを1970年代に見出している。それは、メディアの成長が始まり、情報洪水の水量が増加し始めた時期でもある。・・・・
情報の爆発的増加は、情報やイメージが瞬時に世界中で利用できるようになったことによって、メディアの偏りを悪化させただけだ。
●群れは危機を察知する
私たちは社会的動物であり他人の考えることに大きく影響される。・・・・かかわっている人が見知らぬ人であるときでさえ、自分の素性を明かしていないときでさえ、意見の相違によって何も損しないときでさえ、私たちは集団と同じ意見を持ちたいと思う。
●確証バイアス
自分の考えに矛盾する証拠を探すのは、奇異な、直感に反することのように感じられる。さらに良くないことに、自らの見識に反する証拠をたまたま見つけたら、それを過小評価または無視する傾向が強い。
●恐怖株式会社
私たちは恐怖の商人のメッセージを日々至るところで遭遇する。世間の不安を高めることによっていろいろな形で利益を上げている組織や個人の完全なリストを作るのは不可能だろう。その数はあまりに多すぎる。
●活字にするのにふさわしい恐怖
統計的にまれな原因で脅かされ、失われた人生の話は、メディアが「ときには」提供しているものではなく、いつも提供している標準的なものである。・・・・そして、このことが大きくなって、潜在意識は、ひどく不適切な助言を頻繁に私たちに与えるのである。・・・・
犯罪がメディアの伝えるニュースの大きな部分を占め、その割合が増加していることを研究者が示している。
●恐怖の科学
人工の化学物質は危険であると決めつけている文明の場合、化学汚染に関する不安が、問題となっている実際のリスクに比べて不釣合いに大きなものになるのはほとんど避けられない。
●犯罪と認識
メディアは、いつも新奇なものや突拍子のないものを追い求め「人が犬をかむ」的な報道をするといってよく非難されるが、そういった非難に対しては、もちろん、多くの原因が存在する。人間は異常なものに関心を払うようにできており、記者も人間である。大評判を取ることや売上も役割を果たしている。
●テロの脅えて
テロとの戦いを宣言することは目的を成し遂げさせないどころか、目的も認めてしまっており、だからテロとの戦いに勝つことができないのだ。
「恐怖は我々が直面している最大の脅威である」・・・・
テロとの戦いにおいて、テロが心理学的戦術である事に気づかなくてはならない。
テロリストは脅えさせようとしている。恐怖の管理が、攻撃の防止と陰謀者の逮捕と同じくらい大きな役割を果たすべきだ。・・・・・
「テロリストそのものではなく、恐怖を攻撃」しなくてはならない。
●死ぬ確率の比較
一生の間にテロで負傷するか死ぬ危険率は、1万分の1から100万分の1の間まで下がる。
この値を、以下のような米国人にとっての一生の間の危険率と比較して欲しい。
雷に頭を打たれて死ぬ確率7万9774分の1、
毒を分泌する植物あるいは動物によって死ぬ確率3万9873分の1、
風呂で溺死する確率1万1289分の1、
自殺する確率119分の1、
車の追突事故で死ぬ確率84分の1。
---------------------------------------------------------
現代は、人類歴史史上、最も安全
で、最も健康で、最も裕福
な時代です。理にかなった食事
を取り、運動
をし、タバコ
を吸わず、交通規則
を守るだけで、今直面している未解決のリスクをかなり低減
できるのです。真の脅威(核兵器
のような脅威)は存在しますが、「世界ほとんどの人にとって、生きるのに今程よい時代はなかった
」ということを理解する必要があります。
もう一方で、現代は、経済資本主義
といわれる時代です。利益至上主義
で恐怖さえも売り物になっています。そして、情報化社会
でもあります。溢れ出る情報
は、いびつな形に変形され、私たちに届けられ
ます。私たちはその環境や情報に騙されています

私たちの心は操られている
のです
すぐに頭に浮かんだもっともらしい判断を信用
して満足することが多いのです。人は一生懸命考える
ことに慣れていないのです。情報
を偏りなく集め、一生懸命考えて、状況を判断する
必要があります
そうして初めて、恐怖
と対等に向かいあう
ことができます
リスクに騙されないようになるのです

目次
リスク社会
二つの心について
石器時代が情報時代に出会う
感情に勝るものはない
数に関する話
群れは危険を察知する
恐怖株式会社
活字にするのにふさわしい恐怖
犯罪と認識
恐怖の化学
テロに脅えて
結論—今ほど良い時代はない