青豆は言った。
「でもね、メニューにせよ男にせよ、ほかの何にせよ、私たちは自分で選んでいるような気になっているけど、実は何も選んでいないのかもしれない。
それは最初からあらかじめ決まっていることで、ただ選んでいるふりをしているだけかもしれない。
自由意志なんて、ただの思い込みかもしれない。ときどきそう思うよ」
「かもね」
「しかし誰かを心から愛することができれば、それがどんなひどい相手であっても、あっちが自分を好きになってくれなかったとしても、少なくとも人生は地獄ではない。
たとえいくぶん薄暗かったとしても」
BOOK1 (P344)
1Q84 BOOK 1/村上 春樹

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春樹さんの本は、「ノルウェイの森」以来ですので、随分久しぶりです。
こういうファンタジー系の小説を読むのも、本当に久々で新鮮でした。
最初の章からグングンきました。
あきさせない構成と言葉の力、
さすがノーベル賞候補だなあ、と思いました。
小学校の同級生だった男女、天吾と青豆。
「証人会」(エホバの証人に似ている)という宗教の家庭に育ち、回りからいじめられている青豆を、天吾が授業で庇うような行為をした。
その後、青豆からじっと見つめられ手を握られるという経験をする。
時が経ち、29歳になり、青豆は、スポーツ・インストラクターでマッサージ師、そして殺し屋でもある。
天吾は、予備校で数学教師をしながら小説を夢見ている。
その二人が、カルト「さきがけ」の教祖に関係する。
1Q84年という違う世界で、お互いに引き合っていく内容です。
「結局、最後はどうなるんだろう」
と期待していましたが、
ちょっとあっけなく終わり、がっかりしました

問題提起をしているのでしょうが、僕には、曖昧ですっきりしない。
「だからファンタジーはイマイチだな」と思っていました。
どころが、他の人の書評を見ていて発見

どうやらまだ終わっていない。
BOOK3に続くようです

今後の新刊が楽しみです。
男は目を開けて、興味深そうに青豆を見た。
「あなたはそのように考えている」
「何のことですか?」と青豆は言った。
「事実とはあくまで目に見えて、実証可能なものであると」
・・・・・・
「そんなことはない」と男は言った。
「どうしてでしょう?」
「世間のたいがいの人々は、実証可能な真実など求めていない。
真実というのはおおかたの場合、あなたが言ったように、強い痛みを伴うものだ。
そしてほとんどの人間は痛みを伴った真実なんぞを求めていない。
人々が必要としているのは、自分の存在を少しでも意味深く感じさせてくれるような、美しく心地よいお話なんだ」
BOOK2 (P234)
1Q84 BOOK 2/村上 春樹

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