今、祈りが求められている・・・・必読!「人類は宗教に勝てるか」 | フォトリーディング読書感想文

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宗教は人類最大の敵だ!

人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉 (NHKブックス)/町田 宗鳳

¥1,124
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この本は、宗教のありかたを問い、無神教の到来を説く、重いテーマ、衝撃の一冊です。

著者の町田さんは、14歳から仏門に入り、その後アメリカの大学で学び、今は大学教授、日本宗教学会評議員、比較宗教学者です。


戦争、テロ・・・・絶えない争い。
宗教が原因のものが多い。

この世に、「神」はいないのか?
「神」はなぜ戦争を起こすのか?

しかし、純粋な宗教戦争などあり得ない。
「神」の名において、人間はみずからのもっとも卑劣な欲望を正当化しようとしているのです。
人間は宗教を利用しているのです。

宗教は「愛」と「赦し」を説くが、人を幸せにしない。
人類社会を平和にもしない。
宗教とは人間の勝手な思惑で作り上げられたフィクションに過ぎないからである。

その人が信じているのは、所属する宗教組織、それを統括する教祖、その教祖が残した言説、多くの信者によって営まれる儀式であって、宗教ではない。
俗に「色メガネで見る」という表現があるが、透明な光を独自の色メガネで見させようとしているのが、おおよその宗教ではなかろうか。

「宗教」こそが、人類最大の敵だとしています。

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「真理は一つしかない」という考え方
その真理を認めず、信奉しないものは、神の福音を拒絶するものであり、「邪教徒」に過ぎない。「邪教徒」となれば、人間失格にも等しく、彼らを抹殺したところで、たいした罪になるわけではない。だから十字軍にせよ、アメリカ軍にせよ、遠くの外国に遠征し、大義名分のもと、「邪教徒」を大量殺戮することにためらいがなかったわけである。


アッラーを信じないものは邪教徒
宙に一つしかない真理があるとすれば、それは広大無辺の宇宙があり、その惑星の一つに、かろうじて人類が生息させてもらっているという真理しかない。そして、その真理はいかなる宗教の専売特許でもない。なのに、ヤハウェやゴットやアッラーだけが、真理だと断言するのは、ちょっと身勝手過ぎないだろうか。


今こそ宗教を捨てよう
神仏を語れば語るほど、人間同士が仲たがいをし、地球生命を痛めつけるのでは、宗教が存在する意味がない・・・・宗教が人間の欲望に対する解毒剤ではなく、人間の心を麻痺させる猛毒になっている面がある。


「仏はトイレの穴」といってのけた臨済
誰にも依存してはいけない。尊いものが自分の外にあると考えるのは、大間違い。本当に拝むべきなのは、自分自身の“いのち”なんだ。自分の“いのち”を敬うことも、愛することも出来ないでいる者が、神仏を大切にする振りをしても、ムダだ。この真実が本当に理解できたら、それを悟りと言うんだ」


「祈り」は宗教に勝る
人間が人間たる尊厳は、祈りの心にある。動植物は神(自然)と一体になっているので、祈りを必要としない。神と分離してしまった人間のみが、それへの回帰を願うがゆえに、祈りの心を持つ。

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古代インドや中国、日本の深層文化で、無神教的コスモロジーは見られる。

現代でその本質を現しているのは、ジョン・レノン。
名曲「イマジン」である。

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace


想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...


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「神」の存在は人が生きる上で、必要なものなのだろう。
「神」を敬う気持ちが、永遠ではない人間の支えになる。

「神」が「宗教」に形を変えると、そこに人間の意志が入ってしまう。
それが、みずからに災いを引き起こしている。


「人は決して考えられた神に満足すべきではない。考えが消えると、神もまた消えるからである。われわれは、創造物や人間の考えを遥かに超えた実在する神を有たなければならない。そのように神を有つひとこそ、神を神として受け取る人である。その人には神があらゆるものにおいて輝き給うのである」
中世ドイツのキリスト教神学者エックハルト


人類はみずからの妄想集合体となっている「宗教」に、勇気を持って勝利をおさめなければならない。





目次

第1章 エルサレムは「神の死に場所」か
第2章 世界最強の宗教は「アメリカ教」である
第3章 多神教的コスモロジーの復活
第4章 無神教的コスモロジーの時代へ
第5章 “愛”を妨げているの誰なのか
第6章 ヒロシマはキリストである

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■編集後記

この本を読んだのは2回目です。

半年前に読んで、また、先週、図書館で偶然目に止まりました。

1回目読んだときに、「衝撃の内容」だと思っていたので、
ブログに書くために借りてきて、再読しました。

「簡単にまとめられるかな」と思いましたが、
読み始めると、付箋だらけで、
重く、心に留まる文章が多い。

書き終えるまで、すごく、時間がかかりました。

それだけ、濃い内容です。


宗教の問題は、日本にはあまり親近感がない問題かもしれませんが、
世界の今後を考える上では、大問題です。


人は一度、手にしたものに捉われます。
それは、物や仕組みだけではなく、宗教もです。

宗教を利用する人に宗教が利用されないように、
願うばかりです。