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著者: 茂木健一郎
出版社:集英社新書
価格: 680円
発売日:2009年3月22日
☆☆☆☆☆
「人はなぜ化粧をするのか?」
それは「鏡」を持つことから始まった。
「鏡」の中の自分を見る、他人を見る。
そして、他人から見られていることを意識する。
鏡を常用するのは人間だけだ。
鏡を見つめて、自分を形作ることは、他人の視点から自分を見つめることである。
「化粧」と「美」、そして「顔」というものと脳はどのような関係があるのか?
今まで体系的に研究されることがあまりなかった分野に切り込んでいる。
脳科学から見た「化粧」とは? 「美」とは? 「顔」とは?
人は誰もが外見にも、内面にも化粧をして生きている。
そこに人間の本質がある。
注目の一冊である。
目次
第1章 顔は口ほどにものを言う(顔とコミュニケーション)
第2章 化粧は鏡であり、窓である(化粧の脳科学)
第3章 美女と野獣(美の進化論)
第4章 饒舌と沈黙のあわい(秘密を抱く女は美しい)
第5章 そして世界は、明るくなった(メタ認知と自己批評)
鏡や化粧を通した自己認知(恩蔵絢子)
特別座談会 「化粧を生きる」という視線
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この本の3ポイント
①人間の知性
②視覚優位
③自我は社会的に構築される
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顔色をうかがう高度な知能(p12)
私たちが日常的に表情から相手の心を読み取ることは、取り立てて特別なことではない。
人物を顔で認識していると同様に、顔から相手の表情を読みことにあまりにも無自覚になってしまっている。
しかし、顔から表情を読み取る能力は、人間の知性を象徴する能力でもあるのだ。
ミラーニューロン(p24)
自分の行為と他者の行為を鏡に映したようにコードする。
このミラーニューロンが注目されるのは、それが人間の本質である「社会的知性」を支える脳の機能と推測されるからだ。
化粧はコミュニケーション(p66)
もはや化粧は外見を美しくすることにどどまることはない。社会的知性を磨き、対人関係に前向きになり、積極的に活動できる。世界が広がり、人生は変化に富む。
化粧をすることは脳を化粧することである。
それは同時に、人生にも化粧をすることになるのかもしれない。
視覚優位(p94)
大脳新皮質のうち、その三分の一にあたる部分が視覚に拘わる領域である
わたしたちの知覚は、過度に「視覚」に偏っているのだ。
したがって、外界の情報が視覚中心に処理されても無理はない。
人間がお互いの顔を見て相手を判断してしまうのは、道理でもあるのだ。
本質は目に見えない(p100)
その皮膚の向こう側にこそ、その人の心があり、生命があり、人としての美しさがある。
表象は人間が生きていくうえで支配的だが、その限界もあるのである。
「メタ認知」(p123)
自分自身の姿を、あたかも自分の外側から他者が見るように客観的に認識する能力。
それは自分の世界にこもっていたら、見ることも気付くこともなかった自分の姿を再発見する視点でもある。
そしてその気付きこそが、創造性へとつながる回路ともなるのだ。
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■「内面」が重要といわれるが、脳には視覚という「外面」の持つ力の方が強い。
だから、人は「外面」を作る。
人の目を気にすることであり、脳に「化粧」をすることである。
■人は、他人とのかかわりの中で生きている。
他人を知るのは自分を知ることでもある。
コミュニケーション、人間関係を築くことは知性を育む。
■しかし、それが本当の自分なのだろうか?
価値や基準は他者から与えられるものではない。
他人の視線ばかりを気にしてはいられない。
自分にとって大事なことをつくっていくことのほうが先ではないか。
そして、自分の人格や内面を鍛えれば、人は微笑んでくれるのではないか。
この本から学んだこと
「自分本位」であろう
自分の内面が見えるのは、自分だけだから・・・・