
¥1,365
Amazon.co.jp
著者: 野火迅
出版社:草思社
価格: 1300円
発売日:2007年9月27日
☆☆☆☆☆
卒爾ながら(突然のことで失礼ですが)
それは重畳(大変けっこうなことだ)
異なことをいう(また妙なことを)
これはしたり(これは驚きだ)
念には及ばない(確認するまでもない)
たった150年前の昔に、髷を結って袴をはき、腰に刀を帯びた武士たちが往来を闊歩していた。
わずかな年月をさかのぼったところに、姿形、生き方、言葉付きの全く違う世の中があった。
声に出して使ってみれば、日本語本来の豊かさ・面白さが身にしみる。
「江戸しぐさ」につぐ、江戸シリーズ第二弾です。
目次
1章 武士の決まり文句
2章 春夏秋冬が薫る言葉
3章 武家社会の言葉?切腹という「しきたり」
4章 武家社会の言葉?敵討という「義務」
5章 剣術の醍醐味を伝える言葉
6章 行動・しぐさを表す言葉
7章 人物を評する言葉
8章 酒と色を語る言葉
---------------------------------------------------------------------------
■良い言葉選
口辺に笑みを漂わせる(無表情に浮かぶ微笑、無表情に近い微笑)
人を逸らさね(相手の機嫌を損ねない)
気振りにも見せない(毛ほどの気配も無い)
鈴を張ったような目(女性の丸くぽっちゃりした瞳)
小揺るぎもしない(少しも揺るがない)
あけっぱなし(包み隠しのない態度)
手折る(花を折るように女を物にする)
婀娜っぽい(色気があってなまめかしい)
目病み女(潤んだ目がなまめかしい)
---------------------------------------------------------------------------
特に人物にまつわる侍言葉は、一つの短い言い回しの中に、現代の日常語よりもはるかに豊富な情報量が含まれている。
逆に言えば、こうした語彙が現代国語から除外されることによって、日本語は、何かを表現するために長々と言葉を連ねなければならなくなった。
戦国から泰平の世に移るとともに、戦に明け暮れた武士たちは、城へ出仕することに変った。
「腹が減っては軍が出来ぬ」から
「武士は食わねど高楊枝」へと移り変わった。
この言葉は、ありていにいえば、「武士のやせ我慢」を表したものである。
浪人者も、減給されても、たとえ今日の米や酒代に窮することがあっても、武士の気位をたもち続けた。
「やせ我慢」と「品格」は紙一重である。
「武士の日本語」の多くは、やせ我慢をもとにした品格によってつくられている。
例えば、”手もと不如意”(ちょっと当座の持ち合わせがない)
いかにも品格のある言葉であるが、生活全般の苦しさにあえいでいることを隠すという意味である。
人が自分を律する方法は、結局、やせ我慢、そう、我慢しかない。
それが、品格であり、現代人も見習わなければならない。
日本代表を「サムライジャパン」という限りは。
最後に最も気に入った言葉
「過ごされよ」
この「過ごす」は「度を過ごす」の意味。
「遠慮なくパーと酒を飲みましょう」である。
「過ごす」いい響きである。
今日は、週明け、皆さん、お疲れさまー
「今晩は、過ごされよ」
