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著者: 鈴木 宗男
出版社:講談社
価格: 1600円
発売日:2006年1月1日
☆☆☆☆☆(闇の話は興味深い)
「国策捜査」
民主党の小沢代表の秘書逮捕でも言われた言葉。
「ライブドア事件」もそう言われている。
本書は「ムネオハウス」疑惑で逮捕された筆者が書いた。
「国策捜査」を主導した「闇権力」の実態と、疑惑の真相が綴られている。
鈴木宗男は徹底的に、「恫喝、傲慢、不遜」のイメージを作られた。
実際あれだけ報道されると、真実性が上がり、そのような人間であると思っていた。
保釈され、裁判中であるが、社会復帰。
新党を立ち上げ国会議員にも復帰した。
随分イメージが変ってきた。
本当に罪を犯したのか?
本当に「国策捜査」だったのか?
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「国策捜査」3つの根拠
1)検察官が認める(p308)
検察官は耳を疑うようなことを言ったのだ。
「世論に押されてやりましたが、マスコミに出たもので何一つ事件にすることは出来ませんでした。しかし、それが捜査というものです」
私は特捜検事の言葉とは思えないこの台詞を聞いて頭に血が上った。
「ふざけるんじゃない。最初から思い込みで捜査したのか。国策捜査じゃないか」
私がこういうと、この特捜検事は意外なことにあっさりと事実を認めた。
「はい、権力を背景にしておりますので、そう受け止められなら、そのとおりです」
2)アメリカのサハリン沖の石油開発のビジネスチャンスのために(p312)
逮捕には裏がある。アメリカの経済史「フォーブス」のフルフォールド氏は指摘する。
「世界のエネルギーを支配するメジャーとアメリカ政府の戦略を感じないといったらウソになるだろう、、、、鈴木宗男が日本の国益に反したと、わずかな額の贈収賄で立件した検察と日本のメディアは、本当の国益が何たるかも知らないのである」
3)闇権力の実態(p346)
恣意的な囁きで国策捜査を誘導する政権中枢に座る政治家。その誘導がある種の意図をはらんでいることを知りながら、「闇権力」として動く検察とマスコミ。政権中枢の「闇権力」と結びつき、自己の欲望だけ追い求める外務官僚、、、、、そして「闇の執行人」は、日本の外交に役立つ人材でも、組織の自己保身にとって不要と判断すれば容赦なくはじき出してしまう。
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1)で鈴木宗男が言われたこととそっくりなことを、同時期に同じ容疑で逮捕された、元外務官僚、佐藤優氏が担当検事から言われている。
「僕はあんたと鈴木さんを潰すのが仕事だ。しかし、この記録を読んでいると、一番ひどいのは外務省だということがよくわかる。なんてひどい組織なんだ」
2)のアメリカの石油利権に絡んで権力の介入があったとすることは注目である。
北方領土の返還が行われたら、アメリカが石油利権に手が出せなくなる。
そのため、進んでいる返還問題を潰すために、鈴木宗男を逮捕した。
大きな問題である。
3)の「闇権力」は政治、官僚組織の深部を知る、鈴木、佐藤両名の真実性のある証言の数々を聞いていると、あるとしか思えない。
「国策捜査」は世の中の変わり目に行われると言われている。
この事件が変わり目であったのか?
結局、当時の田中真紀子外務大臣も辞職した。
それからの外務省も、北方領土返還も何も変化、進展が見られない。
変わらないことは、何も起こらなかったことに等しい。
佐藤優の本を読むと、その優秀さが感じられる。
鈴木宗男も同じではないか。
国にとって必要な人を排除したのではないかと思わざるを得ない。