夏の停電が心配されます。
伝統的日本家屋は引き戸を取り外すことにより、夏仕様の住宅に早変わりできたのですが、最近の住宅は夏のエアコン使用を前提に機密性を高めた構造になっていますので、夏の停電は辛いことになるでしょう。
自動車も同様で、昔のような、三角窓、植物繊維とスプリングのシートが無くなっただけでなく、全開できない窓ガラスやハメ殺しの窓が多くなりました。
日常生活も暑いことを言い訳にできない世知辛い社会になってしまいました。
仕事なんか定時で止めて、帰宅途中、露天商のオッチャンから風車、風鈴、金魚でも買って、家で団扇片手に家族みんなでスイカでも食べたいですね。
節電ということで、ひたすら我慢をするだけでなく、深夜帯を利用して電気を蓄えておき、停電に備え、または、昼間の電力使用を抑制するというアクティブな方法を紹介します。
発電側する側からみても、グラフの山を削って谷を埋めることになるので文句はないでしょう。
電気料金を請求できるし、何より電力量の変動が少なくなりますから。
但しエアコンや電子レンジを動かすまでは、行きません。
これらは後述する設備の能力を超える電力を使うからです。
快適プランを採用できる方ならば可能でしょうが、そういう人は地下に自家発電設備をお持ちでしょうし。
ところで、電気は貯められる事をご存知でしょうか?
断水に備えて風呂桶に水を溜めておくように。
電気エネルギーを位置エネルギーに変えて溜めることもできます。
余剰電力で水をくみ上げておき、必要な時に落下させて発電する方法などです。
しかし家庭ではこの方法はむずかしいでしょう。
経済的にも技術的にも割合簡単なのが、バッテリー、充電器、インバータの組み合わせです。
カーショップ、ディスカウントショップ、DIY店などで揃えられます。
費用総額は供給予定の電力の量(許容電流と時間)と質(きれいな正弦波を描き、負荷変動に対して安定した電圧)によって決まります。
まずバッテリー。
大衆車用ディスカウントバッテリーが一番安いです。
バッテリーコーナーで目立つところに大量の在庫があるのですぐわかります。
1個3千円少々が相場でしょう。
大型トラックやマリン(船舶)用は大容量ですが、高価なのが難点です。
自動車用バッテリーはエンジン始動時だけ数秒間大電力を消費し、後は効率の高いオルタネータですぐ充電をされるような使用状況を想定された設計(国産車は皆この考え方)ですが、放電し尽くすまで使用するような事をしなければとりあえず大丈夫でしょう。
自動車用バッテリーを複数個購入し、これを並列に繋ぐか、あるいは順番に使用して、許容電流あるいは使用時間を増やすことができます。
インバータはピンキリで容量と正確な波形を求めなければそれなりに安いです。
100W正弦波でないもの1万4千円、300W正弦波保証で4万円、1000W正弦波で10万
円くらいのようです。
正弦波を出力できるものは、電動機(モーター)起動時の瞬間的な大電流にもそこそこ対応できるようです。
正弦波でないと、残念ながら半導体制御で電圧を変える機器はうまく動作しません(ACアダプタ、100V用携帯充電器など)(もっとも、DC12V用携帯充電器ならばバッテリーに直接繋ぐので問題ありません)
白熱電球など単純なものは、どちらでも問題がありません。
灯りだけが目的ならば、インバータは要らず、バッテリーに12V自動車用ハンドライトなどを直接繋ぐこともできます。
充電器は定電圧充電、定電流充電、パルス充電の順に高価になって行きますが、別に急速充電は求めませんので安いもので気長に充電すれば十分でしょう。
3千円弱からありますが、バッテリー容量を考えれば4千円くらいのものがベストではないでしょうか。
以上から
安価プラン バッテリー1個+100Wインバータ+充電器=21,000円
お勧めプラン バッテリー4個+300Wインバータ+充電器=56,000円
快適プラン マリン用バッテリー+1000W以上のインバータ+大容量対応の充電器=????
となります。
最安価プランとして
バッテリー1個+充電器=6,000円+アルファ
も可能です。
これはAC100Vを使用せず、自動車用12V電球を使い、最低限の灯りだけを確保できれば良いという方向けです。
自動車用携帯充電器を使えば携帯の充電もできます。
これ以外にも零細企業のアイデアによる、いろいろ面白い機器が最近ではあるようです。
次回はいよいよ挑戦的な響きを持つ「自家発電」です。
同日午前6時追記
アウトドア用のAC100、DC12V、使い捨てガスボンベのいずれでも動く小型冷蔵庫も良いですね。
どうしても冷蔵が必要な物のために。
5月4日追記
HONDAさんのところで、使い捨てガスボンベで動くAC100Vエンジン発電機が10万くらいであるようです。
タクシーを見ればわかるようにガソリンエンジンは少々の改造でLPGエンジンになります。
あと、こうした機器に使う小型ガスボンベ関係はイワタニさんが昔から頑張っています。
アウトドア用携帯ガスコンロ、ランタンのイワタニプリムスブランドもそうですし。