今回の記事は、こちらの記事の内容とも「関連性」があることから、その「リブログ」としています(「元の記事」もぜひ、ご覧ください!!)。
こちらが、「オリジナル録音」です(1977年9月29日録音/同年11月17日発売)。
ブレルの「遺作」となった、最後のアルバム、通称「les Marquises "遥かなるマルケサス(マルキーズ)諸島"」(1977)の「オリジナル」は、「全12曲」ですが、
「新全集」発売(2003年)以降は、それまで「未発表」であった「5曲」を含めた、「全17曲盤」が「標準」となっています。
逆に、「オリジナル」のままの、「全12曲盤」の方が、現在では、「大変貴重」かも知れません...。
こちらは、最新の「大全集」です。
またこちらは、いわゆる、「文庫版」の全集です。
こちらは、「前回」の「大全集」です(現在では、「コレクターズ・アイテム」です)。
そしてこちらは、「全歌詞集」となります(輸入書籍)。
「ブレル財団」公式サイト
さて...
「10月9日」は、フランスシャンソン界の「3大巨匠」のひとり、ジャック・ブレル(1929-78)の「命日」です。
「今回」はやはり、「命日」ということで、
「遺作」となった、その最後のアルバム、通称「les Marquises "遥かなるマルケサス(マルキーズ)諸島"」(1977)(日本でのタイトル「偉大なる魂の復活」)からの曲を、紹介してみたいと思います。
まず先に、そのアルバム、「全曲」のタイトルから、載せておきましょう。
(「太字」が、これまでに、「正式に紹介」している曲です)
1.Jaures ジョレスは殺された
2.la ville s'endormait 眠れる街
3.vieillir 老いること(おいらは流行おくれ) *「今回紹介の曲」
4.le Bon Dieu 神様(ある夜のメルヘン) (*「元の記事」に、「訳詞」を掲載)
5.les F... エフ(F)
6.Orly 悲しみのオルリー
7.les remparts de Varsovie ワルシャワの城壁
8.voir un ami pleurer 泣く友を見る(涙)
9.Knokke-le-Zoute tango クノック・ル・ズート・タンゴ(フェミニスト)
10.Jojo 永遠なれジョジョ
11.le lion ライオンの唄
12.les Marquises 遥かなるマルケサス諸島
(「初発売当時」には、3、4、7、8、9に、「コメディ・ミュージカル "ヴィルブルカン(クランクシャフト)" より」との記載がありましたが、このミュージカルは実在しません。単なる、「ジョーク」だったようです...)
以下が、2003年まで、「未発表(未収録)」であった「5曲」です(すでに全曲、「正式に紹介」しています)。
13.sans exigences 要求もなしに(何気なく)
14.avec elegance エレガンスを持って
15.mai 40 1940年5月
16.l'amour est mort 愛は死んだ(過ぎ去りし恋)
17.la cathedrale カテドラル
2編の「モノローグ」
18.le docteur 医師(せんせい)
19.histoire francaise フランスのお話
今回のこの曲、「vieillir "老いること(おいらは流行おくれ) "」もまた、
「歌詞が載せづらい曲」
ということで、これまでは、正式な紹介を「見送って来た」わけですが、
やはりもう、「半世紀前の作品」でもありますし、
「本音をさらけ出す」
という歌詞づくりは、「日本」も含め、「全世界」で行なわれてきたことでもあります。
このアルバムでは、「人生の最後」に、その「人生観」、ことに、「死生観」が、実にさまざまな形で歌われており、今回の曲も、訳語を「再検討」した結果、「掲載は可能と判断出来た」ことから、「正式に紹介」することに決めました。
ブレル自身はもちろん、このアルバムで「最後」とすることは、「まったく考えていなかった」ようですが、
「肺がん」の手術後で(*1974年11月)、その「レコーディング」も、
「1日1、2曲が限度」
でありながら、このように、「(本音を)叩きつける」ような、「極めて激しい曲」を、数多く歌ってもいることから、
結果として、
「その寿命を、急速に縮めることとなった」
ことは、「当然だった」とも、言うことが出来るのです...。
「詳しく」は、「こちらの曲」についての記事も、「参考」にしてみてください...。
「la ville s'endormait "眠れる街"」。
(「オリジナルアルバム」では、今回の曲の、「前曲」に当たります)
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
ちなみに、今回の曲中に出て来る、曲のタイトル、「Amsterdam "アムステルダム"」とは、1964年10月、「オランピア劇場公演」にて発表された、ブレルの、「最高傑作」のひとつ...。
そう、「この曲」のことです。
(こちらは、1966年10月、「オランピア劇場さよなら公演」からの映像です)
「現在」では、ブレル自身、「この曲の出来に、決して満足していなかった」ことが明らかにされてもおり、
「スタジオ録音が、ついに行なわれなかったのもそのため」
という、何とも「ビックリ」な記述もあるのですが、「最大のヒット曲のひとつ」で、「ブレルを代表する曲のひとつ」であることにも、まさに、変わりはありません...。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
「伝説のステージ」、「アデュー・オランピア(さよなら公演)」と言えば、昨年(2025年)、こちらの動画が、公式に「追加」されました。
「Mathilde "いとしのマティルド(マチルダ)"」(1963-64)。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
この、「Mathilde "いとしのマティルド(マチルダ)"」の「曲」を書いているのが、
1958年にブレルと出会って以来、終生、その「伴奏ピアニスト」を務めた、「盟友」、ジェラール・ジュアネスト(1933-2018, 後の、ジュリエット・グレコの「(最後の)夫」)です。
ジェラールは、その多くの作品で、ブレルと共同(または「単独」)で「曲」を書き、「大ヒット」させていますが、
今回の曲、「vieillir "老いること(おいらは流行おくれ) "」もまた、そのジェラールとの「共作」となっていることから、
パリに戻ってから、仕上げられた作品
であることは、まず、間違いありません。
同様に、こちらの曲、「l'amour est mort "愛は死んだ(過ぎ去りし恋)"」もまた、ジェラールと「協力」し、書き進められた作品ですが、
「未完成」との判断から、
「もう一度、見直す必要がある」と、このアルバムに、収録されることはありませんでした。
結局、ブレル自身が亡くなってしまったため、この曲はその後、「25年」もの間、「封印」されることにも、なってしまったのです...。
(「la chanson des vieux amants "懐かしき恋人たちの歌"」(1967)の、「完結編」のような内容...)
ちなみに、この「公式MV」に使われている映像は、ブレル自身が「監督・主演」を務め、バルバラ(1930-97)と「共演」した、1971年の映画、「Franz (我が友フランツ~海辺のふたり~)」からのものです。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
アルバムの、「通称」ともなっている曲、「les Marquises "遥かなるマルケサス(マルキーズ)諸島"」については、こちらの動画で、載せておくことにしましょう...。
ブレルの傍らにいる女性は、「女優」で、ダンサー、作家でもある、マッドリー・バミィ(1943-)であり、事実上、ブレルの、「最後の伴侶(!)」でもありました。
(注: ブレルはもちろん、「既婚者」で、「離婚」したわけでもありません...!!)
ブレルは、その「最後の日々」を、南太平洋、フレンチポリネシア、「マルケサス(マルキーズ)諸島」のイヴァ・オア島で、このマッドリーとともに暮らし、現地にある「ブレルの墓」の、その、「墓石のレリーフ」にも何と、「この二人の姿」が彫られているのです...!!
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
それでは以下に、今回の曲、「vieillir "老いること(おいらは流行おくれ) "」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
この「詞」では、
「死ぬこと、大したことじゃない」
「死ぬこと、素晴らしいこと」
と、語られているのですが、
それよりも、
「老いる」
ことの方が、よほど「醜く」、「憂鬱なこと」だと、吐露されてもいるのです...。
(参考)1964年、「フィガロ紙(「フィガロ・リテレール」)」による、ブレルのインタビューより
「僕は、死ぬのは怖くない。でも、老いることが怖いんだ。
それは、まったく違う話で、時々、自分が年を取って行っているような気がして、
それが、とてもいやなことなんだ...」
最後に、
このジャック・ブレルの、「最後のコンサート(フランス・ルーベ/1967年5月16日)」全曲の、「フランス語歌唱」に「挑戦」しているシャンソン歌手、竹崎清彦さん(「moribond1952」さん)の「ライヴ」が、
この秋も、ブレルの命日、「10月9日」、13時30分より、開演予定です。
会場は、「劇空間 えとわ~る」(東京・市ヶ谷)。
「応援入場料」は、「2500円」(1ドリンク付き)です。
シャンソン歌手、竹崎清彦さん(「moribond1952」さん)についての記事
(必要な「リンク」については、こちらの「記事内」に貼ってあります...)
「お近くの方」、「お時間のある方」はぜひ、足を運んでみてください!!
ありがとうございました。
それではまた...。
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vieillir 老いること(おいらは流行おくれ)
mourir en rougissant
suivant la guerre qu'il fait
du fait des Allemands
a cause des Anglais
顔を赤らめて死ぬこと
ドイツのせいで
イギリスのために起こった
戦争(=「第二次世界大戦」)に出征して
mourir baiseur integre
entre les seins d'une grosse
contre les os d'une maigre
dans un cul-de-basse-fosse
完全なる「好き者」として死ぬこと
太った女の胸にはさまれ
やせた女の骨に当たって
地下牢の中で死ぬこと
mourir de frissonner
mourir de se dissoudre
de se racrapoter*
mourir de se decoudre
身を震わせて死ぬこと
身を溶かせて死ぬこと
ウジウジとして*
破綻を来たして死ぬこと
ou terminer sa course
la nuit de ses cents ans
vieillard tonitruant
souleve par quelques femmes
cloue a la Grande Ourse
cracher sa derniere dent
en chantant "Amsterdam"
mourir cela n'est rien
mourir la belle affaire
mais vieillir... o vieillir!
あるいは、競争の果て
100歳の夜
声を張り上げる老人
女たちに支えられ
大熊座に釘付けにされ
最後の歯を吐き捨てる
「アムステルダム」を歌いながら!!
死ぬこと、大したことじゃない
死ぬこと、素晴らしいこと
だが老いること... ああ、老いること!!
mourir mourir de rire
c'est possiblement vrai
d'ailleurs la preuve en est
qu'ils n'osent plus trop rire
笑い死にすること
たぶん、それは本当だ
その証拠に
人は、笑い過ぎないよう、心がける
mourir de faire le pitre
pour derider le desert
mourir face au cancer
par arret de l'arbitre
おどけて見せて死ぬこと
虚ろな心を、明るく見せるために
がんに直面して死ぬこと
裁判官の判決によって
mourir sous le manteau
tellement anonyme
tellement incognito
que meurt un synonyme
コートの下(中)で死ぬこと
あまりにも名を隠し
あまりにも秘かに
ある同義語の死
ou terminer sa course
la nuit de ses cents ans
vieillard tonitruant
souleve par quelques femmes
cloue a la Grande Ourse
cracher sa derniere dent
en chantant "Amsterdam"
mourir cela n'est rien
mourir la belle affaire
mais vieillir... o vieillir!
あるいは、競争の果て
100歳の夜
声を張り上げる老人
女たちに支えられ
大熊座に釘付けにされ
最後の歯を吐き捨てる
「アムステルダム」を歌いながら!!
死ぬこと、大したことじゃない
死ぬこと、素晴らしいこと
だが老いること... ああ、老いること!!
mourir couvert d'honneurs
en ruisselant d'argent
asphyxie sous les fleurs
mourir en monument
名誉にくるまれて死ぬこと
金に埋もれながら
花の下で窒息して
記念碑となって死ぬこと
mourir au bout d'une blonde
la ou rien ne se passe
ou le temps nous depasse
ou le lit tombe en tombe
タバコの果てに死ぬこと(*「ビール」「ブロンドの女性」といった解釈も)
そこは、何も起こらない場所
時が、我々を超越し
ベッドが、墓に落ち行くところ
mourir insignifiant
au fond d'une tisane
entre un medicament
et un fruit qui se fane
無意味に死ぬこと
ハーブティー(煎じ薬)の底で
薬と
しなびた果実との間で
ou terminer sa course
la nuit de ses mille ans
vieillard tonitruant
souleve par quelques femmes
cloue a la Grande Ourse
cracher sa derniere dent
en chantant "Amsterdam"
mourir cela n'est rien
mourir la belle affaire
mais vieillir... o vieillir!
あるいは、競争の果て
1000歳の夜!!
声を張り上げる老人
女たちに支えられ
大熊座に釘付けにされ
最後の歯を吐き捨てる
「アムステルダム」を歌いながら!!
死ぬこと、大したことじゃない
死ぬこと、素晴らしいこと
だが老いること... ああ、老いること!!
*訳注:「se racrapoter」
ベルギーで使われている表現で、「se recroqueviller」、「se ratatiner」同様、「縮こまる」などといった意味があります。
(daniel-b=フランス専門)






