今回の記事は、こちらの記事の内容とも「関連性」があることから、その「リブログ」としています(「元の記事」もぜひ、ご覧ください)。
1983年5月、「パレ・デ・スポール(ドーム・ド・パリ)」にて行われた公演のライヴ録音です。
この録音は、「大全集」にのみ収録で、「ゼニット・パリ1986」のように、「分売」はされていませんが、それが、「不思議」に思えるくらいの「名盤」です。
歌われている曲は、アルバム「beaurivage "ボーリヴァージュ"」(1981)、「voyou "ろくでなし"」(1983)の曲を中心とした、「1980年以降」の作品がほとんどですが、「それ以前」の作品も含めることで、やはり、「ベストアルバム」的なライヴとなっています。
こちらが「オリジナル録音」です(1981年9月3日発売)。
「オリジナル盤」はこちら。
2022年10月、「没後30周年」を記念して、最新の、「3枚組ベスト」が発売となりました。
こちらは、2002年(「没後10周年」)に発売された「2枚組ベスト」です。
本国「フランス」では、やはり「没後30周年」を記念し、新たな「文庫版全集」(「13枚組」)も発売されていますが、現在のところ、「アマゾンジャパン」での取り扱いはないようです。
「カラオケ」もあります。
これまでの記事(ミュージカル「RESISTE」についての記事も「こちら」から)
(参考)「スターマニア」がテーマの記事一覧
(参考)「ダニエル・バラボワーヌ」がテーマの記事一覧
さて...
「8月2日」は、1992年、休暇中の「突然の心臓発作」により、本当に「突然」にこの世を去ってしまった、フランスの偉大な「音楽プロデューサー」で歌手の、ミシェル・ベルジェ(1947-92)の「命日」でした。
日本では、フランス・ギャル(1947-2018)の「夫」ということぐらいでしか、知られてはいませんが、そのフランス・ギャルのために、数多くの「名曲」を書いただけではなく、自身で歌った作品も、まさに、「珠玉の名曲」と言えるものばかりです。
また、ロックオペラ「スターマニア」(1979年初演。「詞」は、「ノートルダム・ド・パリ」も書いている、リュック・プラモンドンで、最新リメイクは、「2022年版」)を「大成功」させた「作曲家」として、「44歳」という、「短い生涯」ながら、現在でもなお、その名は輝き続けており、すでに、「神格化」されているとすら言えます。
まさに、「名曲の宝庫」としても知られている「スターマニア」ですが、今回は、「この曲」を、「代表」として、載せておくことにしましょう...。
「un garcon pas comme les autres "他の人とは違う彼(ジギィ)"」。
(1989年、「パリ・マリニ劇場」公演より)
「アンダーグラウンド・カフェ」のウェイトレス、「マリー=ジャンヌ」は、「唯一の友人」である青年、「ジギィ」との出会いを回想しながら、「その想い」を語りますが、彼は「同性愛者」でもあり、結局結ばれることのない、その、「切ない思い」も、あわせて歌われています。
最も有名な「カバー」は、セリーヌ・ディオン(1968-)によるものです(1991-92年)。
この曲についての記事(「歌詞対訳」「ストーリー詳細」も載せています)
こちらが、1989年、「パリ・マリニ劇場」公演の「完全版映像」です(「1時間51分」)。
「DVD」は、すでに「入手困難」ですが、「サディア」役を務められた、ドミニク・ウェンタ自身の「ご厚意」により、アップされています(「サムネイル」の女性は、「ステラ・スポットライト」役の、サブリナ・ローリーです)。
こちらは、「初演版」(1979)を代表する二人、「ジョニー・ロックフォール」役、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)、「クリスタル」役、フランス・ギャルによる、大変「皮肉」なデュエット曲、「quand on n'a plus rien a perdre "失うものはもう何もない"」(1979年8月4日のテレビ番組より)。
(「初演版」では、ジョニーが「主役」でした)
この曲についての記事(「歌詞対訳」「ストーリー詳細」も載せています)
また、フランスとミシェルの、「代表曲」で構成された傑作ミュージカル、「RESISTE "レジスト"」(2015年11月初演)からも「10年」が経ちましたが、その、「オリジナル・キャスト」による「公式MV」も、あらためて載せておきましょう...。
「ダンサー」による、その「印象的なダンス」も、収録、公開されています。
フランス・ギャル自身の歌唱映像はこちらをどうぞ。
(「オリジナル」はやはり、1981年の作品です)
「関連記事」(2025年11月27日付け)
この曲、「resiste "レジスト"」(原曲)についての記事(「歌詞対訳」も載せています)
さて、いよいよ「本題」に入りますが、今回紹介する曲、「Maria Carmencita, sourde et muette "耳と言葉が不自由なマリア(・カルメンシータ)"」は、1981年9月、ミシェル自身のアルバム、「Beaurivage "ボーリヴァージュ"」の曲として発表されたものですが、その後、「シングルカット」もされました(1982年3月)。
ミシェル・ベルジェを語るとき、その「速筆さ」も話題となることがありますが、「最も重要なこと」は、その、「素晴らしい観察力」であり、「実際の出来事」や、「実在の人物」に対する、「オマージュ」となる作品を、「何曲も書いている」ということです。
その、「代表的な名曲」を、あらためて挙げておきましょう。
(「正式な記事」もすでに書いていますが、リンクは、「省略」することにいたします。
上掲の、「ミシェル・ベルジェ&フランス・ギャル」の記事一覧より、ご検索ください)
映画「トップガン」シリーズでも、キャストにより歌われた、名曲、「Great Balls Of Fire "火の玉ロック"」(1957)で知られる、「ロックンロールのパイオニア」、ジェリー・リー・ルイス(1935-2022)の、その、「演奏スタイル」を歌った、「il jouait du piano debout "彼は立ったままピアノを弾いていた"」(1980)。
もちろん、この曲も「名曲」です!!
(1987年11~12月、「ゼニット・パリ」公演からの映像)
「Ella, elle l'a "エラ・フィッツジェラルドに捧げる"」(1987)(「公式MV」)。
ところが、中には、その「鋭い観察力」が、「非難の的」となったケースもありました...。
「Hong-Kong star "ホンコン・スター"」(1984)。
この作品でミシェルは、「彼ら本来の姿」を伝えようとすることなく、ひたすら、「アメリカのコピー」に努めるその姿に、「怒り」すら覚えたといいます。
その詞には、確かに、「差別」とも受け取られかねない表現が見られるのですが、ミシェルの「鋭い観察眼」は、物ごとの「本質」を見据え、「真実」を、「客観的」に表現しているため、取りようによっては、そのようにも見えてしまうのです。
しかしながら、ミシェルは、とても「優しい」、心の持ち主でした。
この作品で「表現」されているのは、現実に、「差別という壁」に直面し、それを「恨めしく」感じている、「ホンコン・スター」の心情、まさに、「そのもの」...。
どうがんばっても、結局、「西洋人にはなることは出来ない」(「国籍は別」として)という、「哀しみ(悔しさ)」を歌っている曲なのです...。
この曲についての記事(「歌詞対訳」も載せています)
それでは以下に、今回の曲、「Maria Carmencita, sourde et muette "耳と言葉が不自由なマリア(・カルメンシータ)"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
この曲、私もかつては、「ろうあ者のマリア」、「二重苦のマリア」などといった訳語を使っていたのですが、現在では「差別用語」に当たることもあり、現在では、「耳と言葉が不自由なマリア」と表記することにしています。
(ジョルジュ・ブラッサンスの初期の代表作、「la mauvaise reputation "悪い噂"」には、こうした言葉が、「皮肉」として使われているので、「日本語訳」を、当ブログに載せることが出来ません...)
こうした、「素敵な映像」も見つけました...。
2001年から活動しているという、フランス、エール(Aire-sur l'Adour)の「合唱団」だということですが、「手話」も交えて歌うという、こうした試みは、「とても素晴らしい」と思いますね...。
今回の曲の、この「マリア・カルメンシ-タ」のモデルは、哲学者、アンリ・ベルクソン(1859-1941)の娘で、「デザイナー」、「画家」、「彫刻家」の、ジャンヌ・ベルクソン(1893-1961)という、「実在の人物」です。
「耳と言葉が不自由」なことで、生活する上で、いろいろと「制限」のあった彼女ですが、それにも負けない、「自由さ」も持っていると歌われる、とても「優しい」響きを持つ歌です。
最後に、「8月」ということで、「戦争への怒り」を歌ったこの曲も、「再掲」しておくことにいたしましょう...。
「la petite de Calmette "カルメットの少女"」(1992)。
(アルバム「double jeu (邦題「最後のデュエット」)」より)
アルバム発売の前年、カンボジアを訪れたことから、生まれたのがこの曲、「la petite de Calmette "カルメットの少女"」です。
この曲には、「ただし書き」として、
「この歌は、プノンペン(カンボジアの首都)にある、「国立カルメット病院」の「救護チーム」全員に捧げる」
と、記されてもいます...。
このアルバムは、「日本」でも発売されたことがあります。
この曲についての記事(「歌詞対訳」も載せています)
来年、2027年には、「没後35周年/生誕80周年」という、「ダブル・アニヴァーサリー」を迎えるミシェル・ベルジェ...。
同様に、「生誕80周年」を迎えるフランス・ギャルだけではなく、「ぜひ、聴いてほしいアーティスト」だと思います。
ありがとうございました。
それではまた...。
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Maria Carmencita, sourde et muette 耳と言葉が不自由なマリア
elle a ses illusions qui prennent l'eau
et ses belles esperances qui ont bon dos
on rit de sa presence
de son silence
elle a des paysages et des bateaux
bien caches dans sa tete
qui lui tiennent chaud
mais qui s'en vont sans bruit
quand elle sourit
彼女には、水に浸かる様な錯覚(幻想)がある
そして、心なく非難される、その美しい希望
人々は、彼女の存在を笑う
その、「無音の世界」を
彼女は、さまざまな風景や船を
その頭の中に持っていて
それが彼女を、温かく保っている
しかし彼女が微笑むと
それらは、音もなく消え去ってしまう...
Maria Carmencita, a ses mots d'amour
au bout des doigts
son fils chante du rock'n'roll
mais elle ne l'entend pas
Maria Carmencita,
tu aurais de l'amour plein la voix
mais dans ce monde de la parole
il n'y a pas de place pour toi
comme si tu n'existais pas
マリア・カルメンシータ
その指先に宿る愛の言葉
その息子はロックを歌っているけれど
彼女には聴こえない
マリア・カルメンシータ
あなたの声には、たくさんの愛が満ちているのだろう
しかし、この「言葉の世界」には
あなたの居場所はない
まるで、あなたが存在していないかのように...
pas parler, pas vraiment vivre
pas reconnaitre les bruits qu'on aime
pas chanter, pas vraiment suivre
pas vraiment partager sa vie
話さなければ、本当に生きているとは言えない(なんて)
人々の好きなざわめきを認めることもない
歌わなければ、本当にそれについていくことも出来ない
本当に、人生を分かち合っていることにはならない(なんて)...
elle danse dans son silence quand elle s'ennuie
elle vit l'indifference et elle oublie
quand elle croise un visage(regard) qui lui sourit
退屈したときには、その「沈黙」の中で踊る
「無関心(冷淡さ)」の中で彼女は生き、そして、それを忘れる
彼女に微笑みかける、その顔(眼差し)に出会ったとき
Maria Carmencita, a ses mots d'amour
au bout des doigts
son fils chante du rock'n'roll
mais elle ne l'entend pas
Maria Carmencita,
tu aurais de l'amour plein la voix
mais dans ce monde de la parole
il n'y a pas de place pour toi
(comme si tu n'existais pas)
ce sont les autres qui ne t'ecoutent pas
マリア・カルメンシータ
その指先に宿る愛の言葉
その息子はロックを歌っているけれど
彼女には聴こえない
マリア・カルメンシータ
あなたの声には、たくさんの愛が満ちているのだろう
しかし、この「言葉の世界」には
あなたの居場所はない
(まるで、あなたが存在していないかのように...)
他の人たちはみな、あなたの言葉に、耳を傾けはしない
la la la...
oh oh oh...
Maria...
ラララ...
ああ...
マリア...
(daniel-b=フランス専門)





