さて...

 

 

 

今年も、「武生国際音楽祭」(9月1~8日。「越前市文化センター」他)のシーズンがやって来ましたが、「1年」というのは、本当に「早い」ものです。

 

 

 

「新型コロナウィルス禍」の危機を乗り越え、私自身も、昨年の「ファイナルコンサート」(2023年9月10日)より、再び足を運んでいるところなのですが、それにしても、「昨年」から「今年」にかけては、「北陸新幹線」が敦賀まで「延伸開業」となるなど、その「交通環境」も、大きく「様変わり」しています。

 

 

 

今年は、「いざ」というときに、「特急」という選択肢がなくなったことで、特に「帰り」に、若干の「不安」もあったのですが、まあ、何とか乗り切りました...。

 

 

 

 

「武生国際音楽祭」公式サイト

 

「メインコンサート」のプログラムも「こちら」から。

 

 

 

昨年の記事

 

 

「コロナ禍」前、「最後」の記事

 

 

「コロナ禍」のさなかであった「2021年」の記事では、それまでの記事を、「リンク」としてまとめてあります。

 

 

 

テーマが「クラシック音楽」の記事一覧(この他、「作曲者別」、「ジャンル別」の記事も、ぜひご覧ください)

 

 

 

 

 

4日水曜日は「平日」のため、「メインコンサート」は、19時30分の開演です。

 

 

 

「行き」は、福井駅発18時26分の普通列車(各駅停車)ですが、この時間、「ハピラインふくい」のダイヤは「充実」しているので、大した混雑もなく、とても「快適」に、「武生駅」(越前市)へと向かうことが出来ました(所要20分)。

 

 

(ちなみに、「次の電車」が、18時47分発の「快速」ですが、こちらだともう、本当に「ギリギリ」です)

 

 

 

 

この後、「楽」をするならば、この「武生駅」から「タクシー」という手もありますが(ホントに、「常駐」しています)、そんな「誘惑」に負けると、「肉体的」にも「精神的」にも「ダメ」になってしまうので、「越前市文化センター」(10月には、「たけふ菊人形」の会場ともなる、越前市武生中央公園」の一角)までは、毎回、「必ず」、歩くようにしています。

 

 

(タクシーに乗ったとしても、この30年あまりで、ほんの「1回」か「2回」くらいですね...)

 

 

 

 

先日の、日中の「小杉」(富山県射水市)とは違い、すでに夕方過ぎで、「涼しい風」も吹いていたことから、少し「早歩き」ながら、「無理な横断」は避け、「大丈夫、充分間に合う」と言い聞かせて歩いたところ、「文化センター」へは、やはり、ちょうど「20分」くらいでたどり着くことが出来ました。

 

 

(「往路」は「市役所」の前、「復路」は、「公会堂記念館」の前を通るのが、私にとっては「通常のルート」です)

 

 

 

 

 

 

「"うた" で結ばれたウィーン音楽の伝統」と題されたこの日のプログラム...。

 

 

 

 

何と言っても、「目玉」「この方」です。

 

 

 

 

昨年に引き続いての出演、ベルギー出身のソプラノ歌手、イルゼ・エーレンス(1982-)!!

 

 

 

 

「参考」となる動画を集めてみました。

 

 

 

テノール歌手、トマ・ブロンデル(1982-)と。

(2023年1月19日)

 

 

 

 

フォーレ(1845-1924)の「レクイエム ニ短調 op.48」(1887-1900)より、「ピエ・イェズ」。

(2011年5月14日)

 

 

 

 

モーツァルト(1756-91)、「エクスルターテ・ユビラーテ KV 165」(1773)。

(2021年1月29日 ブリュッセル 指揮:大野和士)

 

 

 

 

記事として書いている、昨年の「ファイナル」にも登場されていましたが、今回、演奏前に、細川俊夫音楽監督(1955-)から、あらためて紹介があったことにより、さらに印象が深まりました。

 

 

私自身は、「男性(男声)歌手」、特に「バリトン」を好んで聴いているので、「女性(女声)歌手」を聴くという機会は「かなり少ない」とも言えるため、その点、大変「貴重」でもありました。

 

 

 

聴いていて、実に心地が良く、また、「ドラマティック」な歌唱から、弱音の「デリケート」さまで、まさに「自由自在」...。

 

 

 

「前半」のプログラムを聴いただけでも、4000円というのは、「超破格値」だと思いました。

 

 

 

 

こちら、10月4日発売予定の「最新作」は、細川俊夫音楽監督の作品です(このCDについても、「説明」がありました)。

 

 

 

 

イルゼ・エーレンス公式サイト(英語)

 

 

 

 

 

それでは、今回のコンサートで演奏された曲目を、「簡単に」ではありますが、少し紹介してみることにいたしましょう...。

 

 

(*「映像」「音源」は、「参考」として、「動画サイト」にアップされているものを載せており、「当音楽祭」のものではありません...)

 

 

 

 

 

まず最初は、シューベルト(1797-1828)の歌曲から4曲。

 

 

 

 

「万霊節のための連祷 D.343」(1816年。ヤコービ詩)。

 

 

まずは、ソプラノ歌手の「第一人者」、エリーザベト・シュヴァルツコップ(1915-2006)の「名唱」でどうぞ。

 

 

(参考)「男声」ではやはり、このディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925-2012)の録音が「ピカイチ」ですね。

 

 

 

「死と乙女  D.531」(1817年。クラウディウス詩)。

 

 

「メゾソプラノ歌手」による歌唱です。

 

 

 

「君こそやすらい D.776」(1823年。リュッケルト詩)。

 

 

こちらのソプラノ歌手、シルヴィア・シュヴァルツ(1983-)は、生まれは「スペイン」だということです。

 

 

 

シューベルト「最後の歌曲」のひとつ、「岩の上の羊飼い D.965」(1828年。ミュラー/シェジー詩)は、エリー・アーメリング(1933-)のソプラノでどうぞ。

 

 

 

 

続いては、マーラー(1860-1911)の、「リュッケルト歌曲集」(1901-02)より。

 

 

 

 

「私はほのかな香りを吸い込んだ」。

 

 

「私はこの世から忘れられて」。

 

 

 

「真夜中に」。

 

 

ジェシー・ノーマン(1945-2019)と言えば、大変「高名」なソプラノ歌手ですが、このような「映像」、「音源」からは、「メゾソプラノ」と呼んでも、決して「おかしくはない」ような気もいたします(1989年頃)。

 

 

 

 

以上の歌曲は、一部を除けば、「メゾソプラノ歌手」、または、「バリトン」の第一人者である、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの動画が、「第一候補」として挙がって来ることがほとんどですね。

 

 

(フィッシャー=ディースカウの「名唱」も、ぜひ聴いてみてください)

 

 

 

それだけの「ドラマ性」が求められていると言っても過言ではないのですが、今回のイルゼ・エーレンスもまた、大変「見事」な歌唱でした。

 

 

 

「岩の上の羊飼い」「生」で聴いたのも「初めて」でしたが、それが「今回」で、本当に「良かった」と思いました!!

 

 

(こちらの曲、クラリネットの「助奏」が付くところは、「オリジナル」の通りです)

 

 

 

また、この「岩の上の羊飼い」以外のシューベルト歌曲は、ジェイコブ・ケラーマン「ギター」による伴奏で、それがまた、「新鮮」にも感じられました(まるで、「リュート」のようにも...)。

 

 

 

なお、「マーラー歌曲」は、今回は、「ピアノ伴奏」(ピアノ:北村朋幹)にて歌われています。

 

 

 

シューベルトとマーラー、また、リュッケルト(1788-1866)の詩による「歌曲」という、「共通項」で括ることも出来るこの「前半」のプログラムは、なかなかに「意欲的」で、「構成」としても、大変「素晴らしかった」と思います。

 

 

 

 

「15分間」の休憩を挟み、「後半」が始まったのは、20時40分のこと。

 

 

 

この「後半」、まずは、ベートーヴェン(1770-1827)の、「弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 op.59-1 (ラズモフスキー第1番)」(1806)から始まりました。

 

 

「交響曲第4番 変ロ長調 op.60」(1806)と同じころの作品であり、こちらも、なかなかの「意欲作」です。

 

 

 

ここでは、アルバン・ベルク弦楽四重奏団の名演奏でどうぞ。

 

 

 

 

 

「十二音技法(=無調音楽)」を確立したシェーンベルク(1874-1951)は、「現代音楽の始祖」とも言える作曲家ですが、1907年から、翌1908年にかけて書かれたこの作品、「弦楽四重奏曲第2番 嬰へ短調 op.10」は、その「過渡期」に当たるものだと言えます。

 

 

しかしながら、以下の「第3楽章」「第4楽章」に、「ソプラノ独唱」を加えるという「新しい試み」がなされ、今回のプログラムの最後でも、この、「後半」の2楽章が演奏されました。

 

 

 

その「詩」は、「ドイツ象徴主義」を代表する詩人、シュテファン・ゲオルゲ(1868-1933)の手によるものです。

 

 

 

第3楽章「連祷」。

 

 

第4楽章「忘我」。

 

 

 

 

本当に、「素晴らしかった」以外、「何も出て来ない」くらい、「贅沢なひととき」だと感じられましたが、時計は21時40分を過ぎていたので、帰りがやはり、「少し不安」ではありました。

 

 

 

「帰りの電車は22時15分...」と憶えていたので、足早に文化センターを後にしましたが、来るときも「20分」で到着していたので、まずは、「焦らず」を心がけました。

 

 

 

...とはいえ、これを逃すと、次は「23時09分」まで、「50分」は待つことになりますし、あまりしたくはありませんが、「武生駅」から「タクシー」を飛ばして(「この時間」でも、駅にはタクシーが... やはりいました!!)、「越前たけふ駅」から「新幹線」という手も考えていましたが(「22時40分」発、「最終つるぎ(50号)」富山行き)、そうするまでもなく、「余裕残し」で、武生駅にたどり着きました。

 

 

(その「つるぎ50号」、福井駅を後にした際、ちょうど、「足羽川」を渡ってくるところを目にしました)

 

 

 

2019年に来たときには、「(駅に到着して)2分後に発車する特急に飛び乗り」と書いてもいますが、今回は、たしかに「10分」程度は「余裕」があったので、いま一度、1番ホームに「鎮座」する、「越前打刃物」による「昇竜」の姿を、しっかりと目に焼き付けても来ました。

 

 

 

そしてこの日は、「敦賀まつり」の最終日で、山車が巡行したということでもあったようなので、そのためか、待っていた電車からは、本当にたくさんの人が降りて来ましたね。

 

 

 

武生から先、私は無事に座れましたが、「疲れていた」こともあって、やはり「20分」が、この時ばかりはちょっと、「長く」も感じました...。

 

 

 

 

私としてはこの後、8日の「最終日(ファイナルコンサート)」も「予定」しているのですが、こちらは16時30分開演なので、帰りの「心配」はまず「ない」...ことでしょう!!

 

 

 

 

そう言えば今回、「開演直前」、また、「休憩時間終了」の時に流されるチャイムが、やはり細川俊夫音楽監督の手による作品、北陸新幹線「越前たけふ駅」の、「発車メロディ」に差し替わっていましたね。

 

 

 

「この曲」も、もちろん「好き」ではあるのですが、「私」としては、やっぱり、「元のチャイム」の方がいいなあ...(笑)。

 

 

 

 

 

...というわけで今回は、「武生国際音楽祭」、9月4日の模様をお伝えしました。

 

 

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

それではまた...。

 

 

 

(daniel-b=フランス専門)