こちらは、ダリダ(1933-87)との「オリジナル録音」(1972年10月録音/1973年1月17日発売)をもとに、2019年になって、初めて作られたという「公式MV」です。
1996年12月1日(放送は、同年12月31日)、「France 2」の番組で、セリーヌ・ディオン(1968-)とこの曲を歌ったアラン・ドロンですが、実際には、「父と娘」ほどの「年齢差」が...。
(関連/参考)映画「ダリダ~あまい囁き」予告編(2018年5月19日日本公開)
(「波乱」に満ちたダリダの生涯がよく分かる映画です!!)
この映画についての記事(「DVD」発売時。2018年12月14日付け)
「日本盤」では、こちらのCDに収録されています。
映画「ダリダ~あまい囁き」のDVD(「日本盤」)はこちら。
その「オリジナル・サウンドトラック」(CD)の内容も「充実」しています。
「フレンチポップ」がテーマの記事一覧
「映画(洋画)」がテーマの記事一覧
さて...
前回記事をアップして、それほど間を置かずに、突然飛び込んで来たこの「訃報」...。
「ハンサム(美男子/二枚目)の代名詞」とも呼ばれ、日本でも大変人気のあった俳優、アラン・ドロンが、18日午前3時(日本時間同日午前10時)ごろ、ロワレ県ドゥーシー=モンコルボンの自宅にて逝去したというニュースが、その家族によって発表され、程なく、「日本」でも報道されました。
その「逝去」を伝えるニュースです(フランス「TF1」)。
このように、アラン・ドロンが、「日本」で特に人気があったことが、フランス・メディアによっても伝えられています。
日本での報道記事(「NHK」)
アラン・ドロンと言えば、最後に聞いたニュースは、今年の2月の終わり、「多数の拳銃、弾薬を所持」という、大変「ショッキング」なニュースでもありました...(「趣味」にしては少々、「物騒」な話ですよね)。
それはさておき、アラン・ドロンは、1935年の生まれであることから、私たちの世代、つまり、「現在の50代」、または「もう少し上」の方であっても、それほど詳しく知っている人というのは、意外と「少ない」ようです。
mickyさんの記事(18日17時。私も「コメント」しています)。
まあ、「私たちの世代」と言うよりは、「私たちの親の世代」が熱狂したと言う方が正しく、私も、「親」から聞かされたことで、とりあえず、「代表作」である、「太陽がいっぱい (Plein Soleil)」(1960)は見ているのですが、一方で、中学2年当時の担任の先生が「フランス映画好き」だったこともあって、その「テーマ曲」を収録したレコード(「アナログ盤」)を借りて、繰り返し聴いていたことも、「見るきっかけ」のひとつとなったと言うことが出来ます。
こちらは、その「Movie Clip」。
そう、「この曲」ですよね。
ニーノ・ロータ(1911-79)によるテーマ曲も、「映画史」に残る「名曲」です。
今回の曲、「paroles... paroles... "甘い囁き"」(1973)では、掛け合いの「セリフ」だけですが、アラン・ドロン自身が「歌った」曲もあります。
1967年のフランス/イタリア映画、「冒険者たち (Les Aventuriers)」(ロベール・アンリコ監督)のテーマ曲、「レティシア」。
そして、やはり挙げておきたいこの映画...。
「驚異の口パク映画(笑)」、「恋するシャンソン (on connait la chanson)」(1997年フランス/イギリス/スイス)(アラン・レネ監督)。
(ピエール・アルディティもいますね。若い!!...笑)
もちろん、ここには、アラン・ドロン本人が出演しているわけではなく、また、「出演者」自身(ジャン=ピエール・バクリ/サビーヌ・アゼマ)が歌っているわけでもありません。
その「セリフ」が、「レコードから流れる歌」となっているところが、「ミソ」なのです...(笑)。
それでは以下に、「今回の曲」である、「paroles... paroles... "甘い囁き"」(1973)の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
もともとはイタリアの曲(「parole parole」)で、ミーナ(1940-)という女性歌手と、やはり「俳優」の、アルベルト・ルポ(1924-84)による「デュエット」で発表されたものです(1972年4月発売)。
こちらが、その「オリジナル」です。
フランス語で「言葉」を意味する単語、「parole」は、「複数形(「paroles」)」で、「歌詞」を意味することもありますが、発音は変わりません。
ダリダ自身も「イタリア系」であることから、「オリジナル」を意識して、「パローレ」と歌っているようですが、フランス語では、「単数」「複数」ともに「パロール」であり、このような発音になることは、まずありません。
またアラン・ドロンは、ダリダがパリに来て間もなくの頃の「隣人」であり、ともに「苦労」していた時代からの「知り合い」だということです。
今回の訳詞は、上掲の日本盤CD、「ボン・ボン・フレンチ」(UICY4177)に掲載の、Lisa Taniさんのものをお借りしていますが、本当に、「日常的な会話」で使われる言葉がほとんどで(「痴話ゲンカ」...笑)、まさに、「実用性の高い」表現が多いとも言えることでしょう!! (爆)
「こんな時」ではありますが、せめて、「この曲」を聴いて、「明るい気分」で、アラン・ドロンを送ろうではありませんか!!
あらためて、「名優」アラン・ドロンのご冥福をお祈りしたいと思います。
合掌...。
アラン・ドロン(1935.11.8-2024.8.18)
............................................................................................................
paroles... paroles... 甘い囁き
A.Delon: c'est etrange...
je ne sais pas ce qui m'arrive ce soir
je te regarde comme pour la premiere fois
不思議だ...
今夜の僕はどうかしている
君に初めて会ったような気がする
Dalida:encore des mots toujours des mots
les memes mots
またいつものあなたの言葉
いつだって同じ言葉ばかり
A.Delon:je ne sais plus comment te dire...
なんと言ったらいいのだろう...
Dalida:rien que des mots
口先ばかり
A.Delon:mais tu es cette belle histoire d'amour
que je cessera jamais de lire
僕にとって君は、ページの尽きない
美しい愛の物語なのだ
Dalida:des mots faciles des mots fragiles
c'etait trop beau
安易な言葉、不確かな言葉
綺麗ごとね
A.delon:tu es d'hier et de demain...
君は過去、そして未来そのもの
Dalida:bien trop beau
綺麗過ぎるのよ
A.Delon:de toujours ma seule verite
僕の永遠の真実だ
Dalida:mais c'est fini le temps des reves
les souvenirs se fanent aussi
quand on les oublie
でも夢見る時間はもうお終い
思い出だって忘れてしまえば
枯れるものよ
A.Delon:tu es comme le vent qui fait chanter les violons
et emporte au loin le parfum des roses
君はまるで、バイオリンを奏で
バラの香りを遠くへ運ぶ風のよう
Dalida:caramels, bonbons et chocolats
キャラメル、キャンディー、チョコレート
A.Delon:par moments, je ne te comprends pas
ときどきふと、君がわからなくなる
Dalida:merci, pas pour moi
mais tu peux bien les offrir a une autre
qui aime le vent et le parfum des roses
moi, les mots tendres enrobes de douceur
se posent sur ma bouche
mais jamais sur mon coeur
ありがとう、でも私は結構よ
代わりに他の誰かさんに贈ればいいのに
風やバラの香りが大好きな女の子に
私、優しさくるまれた甘い言葉なんて
この唇に触れることはあっても
決してこの心には届かないの
A.Delon:une paroles encore...
もう一言だけ...
Dalida:paroles, paroles, paroles
口先ばかり
A.Delon:ecoute-moi!
聞いておくれ!
Dalida:paroles, paroles, paroles
口先ばかり
A.Delon:je t'en prie...
お願いだ...
Dalida:paroles, paroles, paroles
そう口先ばかり
A.Delon:je te jure!
君に誓おう!
Dalida:paroles, paroles, paroles, paroles, paroles
encore des paroles que tu semes au vent
いつもいつもそうやって口先だけ
あなたが撒き散らす言葉は宙を舞うばかり
A.Delon:voila mon destin te parler...
te parler comme la premiere fois
ほら、語っているのは僕の運命の声だ...
初めて君に話しかけるみたいに
Dalida:encore des mots toujours des mots
les memes mots
またいつものあなたの言葉
いつだって同じ言葉ばかり
A.Delon:comme j'aimerais que tu me comprennes...
どうしても君にわかって欲しい...
Dalida:rien que des mots
口先ばかり
A.Delon:que tu m'ecoutes au moins une fois
一度でいい、耳を傾けて欲しい
Dalida:des mots magiques des mots tactiques
qui sonnent faux
魔法のような言葉、駆け引きの言葉
嘘の匂いがするの
A.Delon:tu es mon reve defendu...
禁じられた夢の恋人よ...
Dalida:oui, tellement faux
そう、嘘の匂いが立ちこめてるわ
A.Delon:mon seul tourment et mon unique esperance
君は僕の唯一の苦悩であり、希望でもある
Dalida:rien ne t'arrete quand tu commences
si tu savais comme j'ai envie d'un peu de silence
喋り始めたら誰もあなたを止められやしない
静かにして欲しいのに、わからない人ね
A.Delon:tu es pour moi la seule musique
qui fait danser les etoiles sur les dunes
僕にとって君は、砂丘にかかる星たちを
躍らせることができる唯一の音楽なのだ
Dalida:caramels, bonbons et chocolats
キャラメル、キャンディー、チョコレート
A.Delon:si tu n'existais pas deja, je t'inventerais
もし君がこの世に存在しないのなら 今すぐにでも僕が創造してあげる
Dalida:merci, pas pour moi
mais tu peux bien les offrir a une autre
qui aime les etoiles sur les dunes
moi, les mots tendres enrobes de douceur
se posent sur ma bouche
mais jamais sur mon coeur
ありがとう、でも私は結構よ
代わりに他の誰かさんに贈ればいいのに
星だとか砂丘なんかが大好きな女の子に
私、優しさくるまれた甘い言葉なんて
この唇に触れることはあっても
決してこの心には届かないの
A.Delon:encore un mot, juste une parole...
もう一言だけ、言わせて...
Dalida:paroles, paroles, paroles
口先ばかり
A.Delon:ecoute-moi!
聞いておくれ!
Dalida:paroles, paroles, paroles
また口先ばかり
A.Delon:je t'en prie!
お願いだ!
Dalida:paroles, paroles, paroles
そう口先ばかり
A.Delon:je te jure!
君に誓おう!
Dalida:paroles, paroles, paroles, paroles, paroles
encore des paroles que tu semes au vent
いつもそうやって口先だけ
あなたが撒き散らす言葉は宙を舞うばかり
A.Delon:que tu es belle!
君は美しい!
Dalida:paroles, paroles, paroles
口先ばかり
A.Delon:que tu es belle!
なんと美しい人だ!
Dalida:paroles, paroles, paroles, paroles, paroles
encore des paroles que tu semes au vent
いつもそうやって口先だけ
あなたが撒き散らす言葉は宙を舞うばかり
(daniel-b=フランス専門)