こちらは「オリジナル録音」です(1985年7月録音/10月14日発売)。

 

「カラオケ」もありますが、かなり「難しい」と思います...。

 

 

こちらは、「兄も同然」であった、ミシェル・ベルジェ(1947-92)のインタビューも交えて作られた「オマ―ジュ動画」で、今回の曲、「le blues est blanc "空しいブルース"」(1985)に加え、前回の記事にも載せている、ミシェルの曲、「le paradis blanc "白い天国"」(1990)も、あわせて収録されているものです。

 

 

 

 

 

こちらは、「最新の大全集」です。

 

「貴重な録音」が、数多く収録されています。

 

 

こちらは、「没後20周年」(2006年)を記念して発売された、2枚組のDVD(「PAL」)です。

 

 

「歌詞集」(書籍)も発売となりました。

 

 

 

これまでの記事

 

 

(参考)「ミシェル・ベルジェ&フランス・ギャル」がテーマの記事一覧(ミュージカル「RESISTE」についての記事も「こちら」から)

 

 

(参考)「スターマニア」がテーマの記事一覧

 

 

 

 

ちなみに、前回記事でも少し触れている、ロックオペラ(ミュージカル)「スターマニア」(1979年初演)とは、次のような曲が歌われている「舞台」です。

 

「初演版」では「主役」で、ダニエル自身がその役を務めている、「テロリスト」、ジョニー・ロックフォールのナンバ―、「S.O.S. d'un terrien en detresse "悲嘆に暮れる(苦悩する)地球人のS.O.S."」

 

こちらは、初演に先立つ、「スタジオ」での「オリジナル録音」(1978年録音)となります。

 

 

 

 

 

詳しくは、こちらの記事をどうぞ(「歌詞対訳」も載せています)。

 

 

 

(関連映像/再掲)ダニエルとミシェルが「同席」している、1985年の映像をもとに作られた、「ドキュメンタリー番組(の一部)」と思われます。

 

こちらの番組では、二人のその「出会い」が語られていますが、「スターマニア」(「初演版」)の主役、ジョニー・ロックフォールに「起用」するにあたっての、その「詞」を書いたリュック・プラモンドン(1942-)によるコメントや、「就任前」のミッテラン大統領(1916-96)に、直接、「若者の窮状」を訴えた、1980年3月19日の、有名な「テレビ討論会」の模様も、あわせて「紹介」されています。

 

 

 

最新の「リメイク版」、「スターマニア 2022」公式サイト(フランス語)  

 

*「現在」(2024年1月)も上演中です。

 

 

 

さて...

 

 

 

「1月14日」は、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)の「命日」です。

 

 

 

1986年、アフリカにてヘリに搭乗中、「砂漠の突然の砂嵐」に襲われ、「34歳の誕生日」(「2月5日」)を目前に、この世を去ってしまったダニエル・バラボワ―ヌ...。

 

 

「人道支援」の一環として、過去には「選手」として出場したこともある「パリ・ダカール・ラリー」の、その「創設者」、ティエリ—・サビーヌ(1949-86)とともに、「現地視察」に出ていた際の「悲劇」でした。

 

 

それからもう、40年近くが経とうとしていますが、フランスでは、いまだ忘れ去られていない、「大きな存在」のひとりでもあります。

 

 

 

フランスでは、

 

 

「自国文化に貢献した偉人を絶対に忘れない」

 

 

みたいなところが多分にあって、「没後○○周年」「生誕○○周年」などといった言葉が、テレビの「ニュース」などでも、「日常的」に出てくるような「お国柄」です。

 

 

 

今回もやはり、その「突然の死」によって、図らずも「ラストアルバム(遺作)」となってしまった、1985年10月14日発売のアルバム「sauver l'amour "愛を救う"」より、その曲を紹介してみたいと思いますが、これで何と、「正式」に、「全9曲中8曲目の紹介」ということにもなりました。

 

 

 

われながら、本当に「驚き」です。

 

 

 

それだけ、音楽的にも「高く評価」されていることは確かで、「最高傑作」との呼び声も高いのですが、ダニエル自身の「死」という事実があったにせよ、「約120万枚」という、「商業的成功」がすでに、それを物語っていると思います。

 

 

 

また、ダニエル自身の話として、

 

 

「j'aime tellement cet album que j'aimerais que ce soit le dernier」

 

(このアルバムはとても気に入っている。これが最後であってほしいとも思う)

 

 

という言葉も残っているということですが、これは当時、「英語圏」での成功を目指し、「イギリス」へ「移住」する予定でもあったことから、出てきたものと思われます。

 

 

しかし「運命」とは、本当に「皮肉」で、「残酷」なもので...。

 

 

 

 

それではまず、これまでに紹介している曲の中から、このアルバムを「象徴」している3曲を、あらためてどうぞ。

 

 

 

 

上掲の曲、「S.O.S. d'un terrien en detresse "悲嘆に暮れる(苦悩する)地球人のS.O.S."」と「混同」されがちですが、こちらは、ダニエル自身の「オリジナル曲」です。

 

「tous les cris les S.O.S. "すべての叫びはS.O.S."」

 

 

 

フランスにおける「電子音楽のパイオニア」でもあったダニエルは、いち早く、「Fairlight CMI」(シンセサイザー)を導入し、作・編曲を行なっていました。

 

ダニエルは、「来たるデジタル(CD)時代」に備えていたのです。

 

 

 

本当に、「死の予感」があったのではないかと感じてしまう内容です。

 

どうしても、「遺言」のように聴こえてしまいます...。

 

 

 

この曲についての記事

 

(「S.O.S. d'un terrien en detresse」についての記述も含みます。

「歌詞対訳」は、「tous les cris les S.O.S.」のみ載せています)

 

 

 

「l'Aziza "ラジザ"」

 

 

 

ダニエルの妻コリンヌ(「ココ」)は、「モロッコ系ユダヤ人」であり、アラブの血を引く女性ですが、この曲のタイトル「l'Aziza "ラジザ"」とは、アラビア語で、「最愛の人」を表す言葉です。

 

そのため、いつしか、この言葉が、コリンヌの「あだ名」にもなっていました...。

 

 

 

この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)。

 

 

 

そして、「sauver l'amour "愛を救う"」...。

 

 

 

この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)。

 

 

 

 

アルバム「sauver l'amour "愛を救う"」、各曲のタイトルは、以下の通りです。

 

  

 

1.aimer est plus for que d'etre aime  愛することは愛されることよりも強い

2.tous les cris le S.O.S.  すべての叫びはS.O.S.

3.l'Aziza  ラジザ

4.le blues est blanc  空しいブルース (「今回の曲」)

5.sauver l'amour  愛を救う

6.petite Angele  小さな(幼い)アンジェラ(仮)  *「次回予定」

7.petit homme mort au combat  無名戦士の死(名もなき男が戦闘で死んだ)

8.ne parle pas de malheur  不幸を話さないで

9.un enfant assis attend la pluie  座って雨を待つ子ども

 

 

(1~3、5、7~9はすでに「正式な記事」を書いています)

 

 

 

というわけで、「次回」(2月5日「誕生日」の記事)は、いよいよ、「最後」となった、「この曲」について書いてみたいと思います。

 

 

「petite Angele "小さな(幼い)アンジェラ(仮)"」

(この映像自体、とても「珍しい(レアな)」もので、大変「貴重」なものです)

 

 

 

 

それでは以下に、「今回の曲」である、le blues est blanc "空しいブルース"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

 

かつては、やはり「仮」の邦題として、「白いブルース」という訳語を用いていましたが、今回、実際に翻訳するにあたり、正式に、「空しい」という訳語に落ち着きました。

 

 

 

これは、ダニエルの「実体験」なのでしょうか...。

 

 

「ガルデナ―ル」という、フランスでの、実際の「商品名」まで出ている「睡眠薬/精神安定剤」ですが、冒頭の歌詞に見られるような「サイケ」なイメージよりは、気分が落ち込んで、「うつ病」のような状態が歌われているのだと思います。

 

 

 

しかしそれでも、

 

 

 

「気が滅入っているときは

もはや、どの方向に向かって舟を漕いでいるのかも分からず

僕たちは、情熱を失ったのだと思ってしまう」

 

 

「悲劇を作ることをしちゃいけない

僕たちはみんな、このような心境になったことがあるのだから」

 

 

 

と、まさに、「現在の状況にもピッタリのメッセージ」を送ってくれているところも、「ダニエルらしい」と思いますね。

 

 

「曲」ともども、本当に、「心に染み入る歌詞」だと、私は思います...。

 

 

 

 

最後に、「とても紛らわしいタイトル」ながら、やはり「名曲」でもある、こちらの作品もあわせてどうぞ...。

 

 

エディ・ミッチェル(1942-)の「le blues du blanc "白人のブルース"」(1984)

 

 

「英語」で言う、「is」と「of」の違いですね。

 

この曲もまた、1997年の映画、「恋するシャンソン (on connait la chanson)」(アラン・レネ監督の「驚異の口パク映画(笑)」)に登場しました。

 

それも、何とも「皮肉」な「結末」で...。

 

 

 

 

そして、「ブルース」と言えば、「演歌」だけではなく、多彩な活動で、「世界的」にも有名だった歌手、八代亜紀さんが、昨年(2023年)12月30日に亡くなられました。

 

 

「難病」だったとはいえ、本当に「突然の訃報」で、大変驚いたものです。

 

 

「画家」としても活躍されていた八代亜紀さんにとって、「フランス」は、「縁の深い地」でもありました。

 

 

 

この場をお借りいたしまして、謹んで、八代亜紀さんのご冥福をお祈りしたいと思います。


 

合掌...。

 

 

 

八代亜紀 (1950.8.29-2023.12.30)

 

 

 

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le blues est blanc  空しいブル―ス

 

je vous parle de ces droles de soirs

qui font qu'on se sent comme sur un sol mouvant

de ces instants bizarres

ou tout parait beaucoup trop grand

la nuit prend un gout de Gardenal

quand on n'apercoit plus la lueur du phare

que l'eau entre dans les cales

le plus beau devient si banal

qu'on aurait envie 

d'affaler toutes les voiles

 

僕がみなさんに話しているのは

まるで、動いている地面の上にいるかのように感じさせる

そんな奇妙な夜のこと

すべてが、あまりにも大きくなったと感じる奇妙な瞬間

夜は、「ガルデナ―ル(フェノバルビタール)」(睡眠薬)の味になる

灯台の明かりがもう見えなくなるころ

船倉に水が入ると

最も美しいものでも、ありふれたものになってしまう

すべての帆を

たたんでしまいたくなるような感じ

 

le blues est blanc

quand le coeur broie du noir

quand tout nous separe de notre histoire

le blues est blanc

quand le coeur broie du noir

pour la mort on verserait des arrhes

et dans le cafard

on ne sait meme plus dans quel sens on rame

on croit qu'on a perdu la flamme

 

ブルースは空しい

心が暗く、落ち込んでいるときは

すべてが、僕たちを、その物語から引き離そうとするとき

ブルースは空しい

心が暗く、落ち込んでいるときは

死のための予約金を支払っているようなもの

そして、気が滅入っているときは

もはや、どの方向に向かって舟を漕いでいるのかも分からず

僕たちは、情熱を失ったのだと思ってしまう

 

faut pas pleurer ce n'est pas un drame

on a tous eu un jour ce genre d'etats d'ame

et aspire par la lame

on a peur meme des telegrammes

on voudrait changer

mais changer pour quel programme

 

泣いてはいけない そんな悲劇というわけじゃない

僕たちはみんな、ある日、このような心境になるものだから

そして、うねりに飲み込まれてしまう

電報にも怖れを抱いてしまう

僕たちは変わりたい

でもいったい、どんなプログラムのために?

 

le blues est blanc

quand le coeur broie du noir

quand tout nous separe de notre histoire

le blues est blanc

quand le coeur broie du noir

pour la mort on verserait des arrhes

et dans le cafard

on ne sait meme plus dans quel sens on rame

on croit qu'on a perdu la flamme

 

ブルースは空しい

心が暗く、落ち込んでいるときは

すべてが、僕たちを、その物語から引き離そうとするとき

ブルースは空しい

心が暗く、落ち込んでいるときは

死のための予約金を支払っているようなもの

そして、気が滅入っているときは

もはや、どの方向に向かって舟を漕いでいるのかも分からず

僕たちは、情熱を失ったのだと思ってしまう

 

et dans le cafard

faut pas pleurer

faut pas faire de drame

on a tous eu ces etats d'ames

 

そして、気が滅入っているときは

泣いてはいけない

悲劇を作ることをしちゃいけない

僕たちはみんな、このような心境になったことがあるのだから

 

(daniel-b=フランス専門)