1981年10月28日から11月21日まで、「イポドローム・ド・パンタン(パンタン競馬場)」の「大テント劇場」(現在では、この地に、「ゼニット・パリ (Zenith Paris)」 があります)で行なわれた公演からの「ライヴ映像」ですが、この曲は、「ファンへの感謝」を表する意味で、「公演最終日(11月21日)のため、急きょ書かれた特別な曲」であり、自ら書いた歌詞を記した紙を手に、歌う姿がとらえられています。

 

こちらは、「オ―プニング」で歌っているバ―ジョンの映像です。

 

 

そしてこちらは、「終幕」(アンコール)で歌われているバ―ジョン。

 

再びステージに登場したバルバラは、観客の声援に応えますが、その後、自然発生的に、「観客による大合唱」が始まり、これにも、自ら歌って応え、大変「感動的」な場面となりました。

 

 

ここで歌われている曲は、「Pantin "パンタン"」に引き続き、「une petite cantate "小さなカンタ—タ"」(1965)、「dis, quand reviendras-tu? "いつ帰って来るの?"」(1962-63)、「l'aigle noir "黒いワシ"」(1970)、そして、「ma plus belle histoire d'amour "わが麗しき恋物語"」(1966-67)の4曲となります。

 

 

 

かつてのCDでは、「オ―プニングVer.」、「アンコールVer.」とも収録されていたものがありましたが、現在では、「アンコールVer.」のみが、「代表」として収録されています。

 

 

 

「パンタン1981」のCDは、2012年版の「大全集」発売時に「再編集」された「2枚組」が、「最新」のものとなります。

 

「DVD」も発売されていますが、一部、「別テイク」の曲があるほか、「編集」自体、異なってもいます。

 

 

(こちらへも「レビュー」を書いています)

 

 

2022年、「没後25周年」の「記念」として、何と「29枚組」という、「最新の大全集」が「発売」されましたが、本当に、変わらぬその「人気」と「カリスマ性」を感じます...。

 

 

こちらは「全詞集」です(書籍)。

 

 

「未完」となった「自伝(回想録)」は、「日本語訳」も出版されています。

 

 

 

 

これまでの記事

 

 

 

(参考)こちらは、私が「参考」としている「ファンサイト」です。

http://www.passion-barbara.net/

 

 

 

 

さて...

 

 

「11月24日」は、フランスを代表する偉大な女性歌手、バルバラ(1930-97, 本名モニック・セール)の「命日」となります。

 

 

そしてそのバルバラですが、昨年(2022年)は、「没後25周年」に当たっていたということもあり、ついに、この曲の「公式録音」が、正式にアップされました!!

 

 

 

これまで、その「記事」を書きたくて、書きたくて、本当に、とても「うずうず」としていた曲でもあります。

 

 

 

その「曲」とは...

 

 

 

 

「Pantin "パンタン"」(1981) !!

 

 

 

 

今回は、この曲で行ってみたいと思います!!

 

 

 

今回のこの曲「Pantin "パンタン"」(1981)は、それまで数年続いていた「心身の不調」を乗り越え、1981年10月28日から11月21日まで、パリ北東の郊外にある、「イポドローム・ド・パンタン(パンタン競馬場)」の「大テント劇場」で開催された、そのライヴで発表された曲のひとつです。

 

 

(この「大テント劇場」は、当時、「ジャン・リシャール・サーカス」の「常設劇場」でもありました。

 

現在では、この地に「ゼニット・パリ (Zenith Paris)」 がありますが、当時も、いまと「同じような使われ方」をしていました。

 

実際には「パリ19区」、「ラ・ヴィレット公園」内にありますが、「境界線上」とも言える「隣接地域」にあるため、ここも「パンタン」と呼ばれていたようです)

 

 

 

「観客動員数」は10万人にもなったということで、「映像」は、「最後の3日間のテイク」とのデータもありますが、この公演でまさに「復活」となったバルバラは、「観客への感謝」を込めて、その「最終公演(11月21日)」のために、「記念碑となるような特別な曲」を急きょ作ることになり、「その曲」というのが、この「Pantin "パンタン"」だったのです...。

 

 

 

次に、この公演で歌われた曲を、いくつか紹介しておきましょう。

 

 

 

序盤で歌われている曲、「Fragson "フラグソン"」(1975-80)。

 

ハリー・フラグソン(1869-1913)は、バルバラにとっては「憧れのスタ―」とも言える、いわゆる「ベル・エポック期(「古き良き時代」)の大歌手」で、バルバラ自身、その最初期に、「les amis de Monsieur "旦那様のお友だち"」(1897-1906)という曲を歌ってもいました(1958年録音)。

 

実際に、バルバラの自宅には、このフラグソンと、曲中にも登場する同時代のダンサー、ロイ・フラー(1862-1928)の「ポスター」が飾ってあったということです。

(見るからに、「上機嫌」そうなのが分かりますね...)

 

 

「公式音源」も、あわせて載せておきましょう...。

 

 

 

このライヴで「まず聴くべき」曲、パフォーマンスとしては、「Perlimpinpin "ペルランパンパン"」(1972)を、「第一」に挙げておくことにしましょう。

 

まさに、「この曲のベストパフォーマンス」です!!

 

「CD」に収録されているバ―ジョンは、どうやら、「別の日」の収録のようです...。

 

 

この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)。

 

 

 

当時、「すべてが無の中に凍結している」とまで言われた、「戦慄的」な作品。

 

「オリジナルアルバム」(スタジオ録音)の「タイトル曲」ともなっている、「seule "夜のように"」(1980-81)(原題は「孤独」)がこちらです。

 

こちらは、その「公式音源」です。

 

 

 

「regarde "ごらんなさい"」(「1981年5月12日」に作られたとのことです)は、先の大統領選挙で、「ミッテラン政権」が誕生したことを祝う曲で(同年10月9日、「死刑廃止」を実現)、こちらもまさに、このライヴで発表された作品ですが、その「希望」に満ち溢れた内容は、「もっと普遍的なもの」、と言って良いと思います。

 

「公式音源」です。

 

 

 

関連記事:「パンタン」についてはこちらをどうぞ。

 

 

 

そして、その「パンタン」では何と、「男女平等(性差別撤廃)」への取り組みとして、街の名称を、1年間(2023年)、「Pantine(パンティーヌ)」と、「女性形」で表記することを「宣言」しました。

 

「4月1日(「エイプリルフール」)の冗談か?」という声も上がりましたが、どうやら「本気」とのことのようです...。

 

 

 

 

 

 

それでは以下に、「Pantin "パンタン"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

 

「ほとんど冬」とも言える11月のパンタンが、観客たちの「熱い心(熱気)」によって、まさに、「夏を再び作り上げた」と、その「感動」が歌われています。

 

 

その後、「再開発」によって建てられた「ゼニット・パリ」での、1986年の「音楽劇」、「Lily Passion "リリー・パシオン"」(その「代表曲(主題歌)」が、「l'ile aux mimosas "ミモザの島"」です)の、その「最終公演」において、やはり、この曲は「歌われた」ということですが、残念ながら、そちらの「CD」には、収録されてはいません...。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

それではまた...。

 

 

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Pantin  パンタン

 

Pantin la bleue, Pantin la belle

aux grisailles de White-Chapell

Pantin novembre, presque l'hiver

les arbres se deshabillaient

et de prairie en champ de ble

vous avez bouscule le ciel

vous avez repousse l'hiver

et reinvente les etes

et de rivieres en coteaux

de marguerites en champs de ble

de mimosas en coquelicots

Pantin miracle s'est leve

Pantin folie, Pantin vaisseau

au bout de vos coeurs etoiles

vous avez plante des soleils

plus flamboyants que le soleil

 

「青」のパンタン、「美女」のパンタン

ホワイトチャペルの灰色の中に

11月のパンタンは、もうほとんど冬

木々も、すでに、その葉を落としてしまっている

けれど、この草原から麦畑まで

あなた方は空をひっくり返し

冬を追い払って

再び夏を作り上げた

そして、川から小さな丘の斜面まで

マ―ガレットの花から麦畑まで

ミモザの花からひなげしの花まで

奇跡のパンタンは立ち上がった

熱狂のパンタン、巨大な船のパンタン

きらめく心の果てに

あなた方は、ひまわりを植えた

それは、太陽よりも激しく燃え盛っている...

 

Pantin espoir, Pantin bonheur

oh, qu'est-ce que vous m'avez fait la?

Pantin qui rit, Pantin j'en pleure

Pantin on recommencera

Pantin merveille, Pantin miracle

oh, mille Pantin etoiles

c'est l'amour dans la lumiere

et pleurs dans leurs doigts caches

Pantin folie, Pantin vaisseau

au bout de nos coeurs etoiles

nous avons plante des soleils

plus flamboyants que des etes

 

希望のパンタン、幸福のパンタン

ああ、あなた方は、私にいったい何をしたの?

笑うパンタン、泣けてくるパンタン

パンタン、ここから再び始まる(始めよう)

驚異のパンタン、奇跡のパンタン

ああ、数多のきらめくパンタンよ

それは愛、光の中の

彼らの指に隠されたその涙

熱狂のパンタン、巨大な船のパンタン

きらめく心の果てに

私たちは、ひまわりを植えた

それは、夏よりも激しく燃え盛っている...

 

Pantin c'est l'heure

Pantin bonsoir

on recommencera demain

Pantin soleil

Pantin merveille

Pantin, Pantin, Pantin, Pantin...

 

パンタン、時間よ...

パンタン、こんばんは...

明日から再び始まる(始めよう)

太陽のパンタン

驚異のパンタン

パンタン、パンタン、パンタン、パンタン...!!

 

(daniel-b=フランス専門)