今回の記事は、この映画を見に行く「きっかけ」を作ってくださった、「名人塾2(cowboy)」さんの記事(私もコメントしています)を「リブログ」して書いています。
「予告編」(「日本版」本予告)です。
こちらは、「オリジナル」(フランス)の「予告編」となります。
同じく、「英語字幕」の入った「予告編」です。
映画公式サイト
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さて...
前回のこの「お知らせ」ですが...
実は、この映画を見に、「京都」まで「遠征」しておりました...。
京都市内の上映館「アップリンク京都」公式サイト
今回のこの映画、「ふたりのマエストロ」(原題「MAESTRO(S)」)は、フランス本国では、昨年12月7日に公開となった作品で、日本では、この8月18日に公開となり、以降、順次、「全国公開」となる予定だということですが、やはり、「ミニシアター系」の劇場での上映に限られそうです...。
今作の監督、ブリュノ・シッシュ(1966-,「俳優」としても活躍)によると、
"中年の息子と年老いた父親の物語を考えていたところ、イスラエルの監督・脚本家、ヨゼフ・シダー(1968-)の映画、「フットノート」(2011)の「リメイク権」があることを教えられ、見てみたところ、たしかに「何かできる」と思い、想像を膨らませていった。
友人のオペラ歌手に話してみたところ、「義父と夫の話のようだ」と返されたので、その話を聞いてすぐ、「テーマが決まった!!」と、プロデューサーに報告した" (要約)
とのこと...。
こちらが、その「元ネタ」となった映画、「フットノート」の「予告編」(原語は「ヘブライ語」。「英語字幕」付き)。
「カンヌ国際映画祭」では「脚本賞」を、また、「アカデミー賞」では、「外国語映画賞」にも「ノミネート」された「名作」です。
(こちらの親子は、ともに「大学教授」という設定です...)
今作は、ともに、パリのクラシック界で、「名指揮者(マエストロ)」として活躍する、父フランソワ(ピエール・アルディティ)と、その息子、ドニ(イヴァン・アタル)の物語...。
フランソワは、「40年以上」という輝かしいキャリアを誇り、一方、ドニも、「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック」(フランスの、実在する「音楽大賞」)を受賞するなど、今や「破竹」の勢い。
そんなある日、フランソワのもとに、ある1本の電話がかかって来た。
それは、夢にまで見た、「世界三大劇場」のひとつ、「ミラノスカラ座」の「音楽監督」就任を依頼するものだったのだが...。
しかし翌日、そのスカラ座の総裁から呼び出しを受けた息子ドニは、そこで、その「就任依頼」は「誤り」で、実は、「自分」へのものだったことを聴かされ「動揺」...。
「不仲」ながらも、「喜ぶ父」に、その「真実」を伝えなければならないことから、ドニの「葛藤」が始まる...。
というのが、その大まかなストーリーなのですが、「本編映像」も、いくつか紹介されていますので、それを見て行きましょう。
ピエール・アルディティ(1944-)演じるフランソワが、「第9」(ベートーヴェン)の「第2楽章」を「練習」する場面がありますが、いかにも「マエストロ」という感じですよね。「20世紀風」の...。
その「解釈」も、とても「ユニーク」で、しかし「それらしく」もあって、実に「興味深い(面白い)」です。
上掲の「ヴィクトワール賞受賞」の場面でも、イヴァン・アタル(1965-)演じるドニが口にしていた「世界のオザワ(小澤征爾さん)」。
実際に、「記録(ライブラリー)映像」で登場します!!
(この曲は、カッチーニの「アヴェ・マリア」。
とても美しい曲です!!)
「ミラノスカラ座」で「ソリスト」(ヴァイオリン)を務める、レベッカ(カテリーナ・ムリーノ)のもとへ足を運んだドニでしたが、そこに、「真実」をまだ知らないフランソワも現われて...。
また、「オープニング」で流れていた曲は「こちら」です。
ドヴォルザーク(1841-1904)の「わが母の教えたまいし歌」(1880)。
ここでは、オランダの偉大なコントラルト(アルト)、アーフェ・ヘイニス(1924-2015)の名唱でどうぞ。
(リンクのため、「別ウィンドウ」が開きます)
最初に「名人塾2(cowboy)」さんの記事で、その「ストーリー」を読んだ際、私は、すぐに、パトリス・ルコント監督(1947-)の名画、「タンデム」(1987年)を思い出し、その旨、「コメント」にも書きました。
しかし、ある意味「大時代的」で、「大仰」にも感じられる(決して、「侮辱」ではありません!!)、ジャン・ロシュフォール(1930-2017)の「名演技」だからこそ、その「裏(奥)」に秘められた、「哀愁」みたいなものも感じられるわけで、それが彼の、「一大特徴」とも言えるでしょう。
(参考)映画「タンデム」主題歌、「il mio rifugio "僕の隠れ家"」についての記事(「歌詞対訳」、「映画のあらすじ」も載せています)。
今回の二人は、やはり「現代的」であって、実に淡々としていて、「自然」な感じを受けましたから、そこまでの「ペーソス」というものは、最初から盛り込まれてはいないような感じでした。
それ以上に「興味」をひかれた点としては、やはり、「フランスならでは」の「結婚関係」のあり方(「法律婚」/「事実婚」)や、主人公を取り巻く人々の、その「生き様」...(それらのために、「PG12」となっているのでしょう...)。
特に、ニルス・オトナン=ジラールの演じた、ドニの息子、マチューの、「自由」で、それでいて、決して「不良」ではないキャラクターに、興味を持ちましたね。
ピエール・アルディティと、イヴァン・アタルは、実は、「本当の親子みたいに仲良し」ということで、今回の役は、ピッタリ「息」も合って、まさに「ハマリ役」だったのではないかと、私も思いました。
ピエール・アルディティと言えば、アラン・レネ監督(1922-2014)の作品に多く出演し、私自身も、「恋するシャンソン(on connait la chanson)」(1997)という映画で知っていました(「クロード」役)。
最初は「こんな感じ」だったのが...
(曲:シャルル・アズナヴール「そして僕は片隅で」)
最後には「こ~んな感じ」や...
(曲:クロード・フランソワ「シャンソン・ポピュレール」)
「こ~んな感じ」に...(笑)。
(曲:テレフォン「それが本当のきみ」)
(参考)この曲には、「正式な記事」があります(「歌詞対訳」も載せています)。
この当時で、「現在の私と同じ年齢(!)」ですが、それからもう、「25年以上」も経っているんですね。
それでもまだまだ「若々しく」、「元気」でいられるというのは、本当に「素晴らしい」ことだと思います。
イヴァン・アタルの映画は、私はたしかまだ、「見たことがなかった」と思いますが、映画で共演したシャルロット・ゲンスブール(1971-)(セルジュ・ゲンスブールと、ジェーン・バーキンの「娘」)と結婚し、息子が一人、娘が二人いるようです。
...さて...
今回のこの映画、「京都」まで「遠征」して来たわけですが、ここに来て、北陸でも、富山の「ほとり座」さん、金沢の「シネモンド」さん(この館名、もう少し、どうにかならないものだろうか...。これでは、「必殺仕事人」に「ケンカ」を売っているようなもの...爆!!)(スミマセン...)が「名乗り」を上げました。
こうなれば本当に、「福井メトロ劇場」も、ぜひ、取っていただきたい!! (「福井メトロ劇場」では、「鉄道の硬券」を模した、「入場券」の配布も始まりました!!)
「福井メトロ劇場」公式サイト
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何だか、「雑多」なレビューになってしまって本当に申し訳ないですが、この映画については、またBlu-rayなり、DVDなりが発売された時に、またあらためて書きたいと思います。
いずれにせよ、この作品を教えていただいた、「名人塾2(cowboy)」さん、本当に、どうもありがとうございました!!
次回は、毎度おなじみ、この遠征の「裏側」を書いてみたいと思います。
ありがとうございました。
それではまた...。
(daniel-b=フランス専門)