こちらは、1972年11月のオランピア劇場公演からの映像です。
ライヴの「最終盤」で歌われており、この曲の「前」が「ne chantez pas la mort "死を歌わないで"」(1972-73)、「後」が「la solitude "孤独"」(1971)(いずれも、すでに、正式に紹介済み)となっています。
「公式音源」もあわせて載せておきましょう。
こちらは、「オリジナル録音」です(1972年12月録音/翌1973年発売)。
1972年11月のオランピア劇場公演の音源は、日本では現在、「ダウンロード販売」のみとなっています。
「没後30周年」を記念して、またあらたな「大全集」が発売となりました。
「24枚組」で、値段を見る限り、ちょっと手が出ませんが、「フランス」のサイトでは現在、おおよそ「100ユーロ」となっていましたので、「送料」を含めても、ここまで高くはならないと思います。
こちらは、その「大全集」からの「4枚組ベスト」で、「主要な曲」は、だいたい「収録」されていますので、「お薦め」と言えるでしょう(ただし、今回の曲は収録されておりません)。
前回の記事(7月13日付け)
これまでの記事
さて...
フランスシャンソン界の「3大巨匠」の1人、レオ・フェレ(1916-93)は、フランスの「革命記念日」でもある、「7月14日」が「命日」でしたが(しかも今年は、「没後30周年」という、「記念の年」にも当たっています!!)、その「誕生日」も、この「8月24日」のことでした。
レオ・フェレの、その「バイタリティー」あふれる「生き様」、「生涯」を見聞きしていると、まさに、「夏の男」という印象すら受けますね。
その一方で、「孤独」と向き合い、闘ってもいたレオ・フェレは、その「詞」や「曲」に、自らの「魂」を「すべて」、注ぎ込んでいたという一面も感じられるのであり、その点では、「孤高」と言われながらも、最も「人間味」のあるアーティストであったのかも知れません...。
今回紹介する曲は、1972年11月、オランピア劇場での公演で発表され、その後すぐ、スタジオ録音の「オリジナルアルバム」も発売となった、いわば、「全盛期の作品」のひとつだと言えるものです。
「Richard "リシャール"」(1972-73)。
今回は、この曲について、少しばかり書いてみたいと思います...。
この曲は、「日本」ではまず、「ほとんど知られていない」のではないかと思われます。
と言うのも、レオ・フェレは、その「オリジナルアルバム」が、「日本盤」ではほとんど紹介されて来なかったという「事実」が最初にあり、そのために、「アルバムの収録曲」といったレベルであれば、「アナログ時代」においても、「CD時代」となってからでも、「輸入盤」を当たる「熱心なファン」でもなければ、まず、知ることは「なかった」ことでしょう。
私自身も、フランスで発売となった、「11枚組」の「初のCD全集」(「旧全集」1989年発売)を手にするまでは、本当に、「ひと握り」の曲を聴いて知っていたに過ぎなかったのですが、これを手にしたことにより、さらに「わけが分からなくなった」といった感じにもなってしまい、次第に、「遠ざける」ようにもなってしまっていたのです...。
「転機」となったのはやはり、2008年(「没後15周年」)、その「1972年11月」の、「オランピア劇場公演」の「DVD」をパリで購入して、実際に見てみたことでしょう。
それまでにも、そのステージで発表された、まさにその「ライヴ録音」で、「preface "序言"」(1956,1972-73)を、「日本盤」の「2枚組ベスト」(アナログ盤)にて、また、「ne chantez pas la mort "死を歌わないで"」(1972-73)を、「新星堂/オーマガトキ」レーベルにて発売された、「2枚組ベスト」(CD, 1987年発売)で聴いて、知ってもいたのですが、それを「足がかり」として、「ライヴDVD」にまで「進んだ」ことこそが、私の「その後」を大きく変えることになったのです...。
こちらの「2枚組CD」に、「ne chantez pas la mort "死を歌わないで"」は「収録」されていました。
今回のこの曲、「Richard "リシャール"」は、まさに、その「DVD」を見たからこそ知り得た曲でもあり、それが、「印象」にも強く残っていたからこそ、今回、このように、「紹介」出来ることにもなったのだと思います。
ここで、その、1972年11月の「オランピア劇場公演」を、その「音源」、「映像」にて、少しばかり紹介してみましょう...。
「Rotterdam "ロッテルダム"」(1969-70)は、「序盤」で歌われていますが、何とこの曲、ジャック・ブレル(1929-78)の「最高傑作」のひとつ、「Amsterdam "アムステルダム"」(1964)の「大ヒット」に「いら立ち」を覚えたフェレが、その「アンサーソング」として書いたものだということです!!
そう、「この曲」です!! (1966年10月「アデュー・オランピア」より)
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています。「商品リンク」も「こちら」から)
「第2部」最初の曲、「preface "序言"」。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
次の2曲が、今回の曲の「前後」に歌われている作品です。
「ne chantez pas la mort "死を歌わないで"」。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
「la solitude "孤独"」(1971)。
何とこの曲、今年(2023年)6月になって、1971年の「オリジナル録音」(ロック・グループ「ZOO」との共演)を用いて制作された、最新の「公式MV」が「発表」されました!!
これは、本当に「驚き」です...。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)
そして何と、「15分以上」にも及ぶという大作、「il n'y a plus rien "もう何もない"」(1972-73)を「発表」して、このライヴは幕を閉じるのですが...。
いやはや...
何とも「ものスゴイ」パワーですよね...。
それでは以下に、今回の曲、「Richard "リシャール"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
私自身、「初めて」訳した詞ですので、「こなれていない」ことはご承知おきください...。
この詞に登場する「リシャール」とは、レオ・フェレやブレルが所属していた、フランスの「最大手」レコード会社、「バークレー社」の「音楽監督」、リシャール・マルサン氏(1924-92)のことです。
ですから、当然、フェレやブレルなどとのエピソードも、探せばいくつかは見つかるのですが、フェレについては、次のような記事を見つけました。
「FB」より(フランス語)。
(ブレルとのエピソードでは、やはり、1977年の遺作アルバム、「les Marquises "遥かなるマルケサス諸島"」と、その「未発表曲」についての「コメント」ですかね...)
「ノスタルジック」で、「メランコリック」で...
何ともフェレらしい、「日常的」でありながらも、どことなく「ファンタジック」な...
そんな、「不思議な一場面」を切り取っているような感じで、それが、とても「印象」に残りました。
最後に、「バークレー」つながりで、こちらの曲も、あらためて載せておきましょう...。
ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)で、「oiseau de nuit "夜の鳥"」(1978)。
この曲も、その「最初期」に知り合い、ダニエルの「終生の友」であったと言っても過言ではない、イギリス出身の「サウンド・エンジニア」、アンディ・スコット(1949-)に捧げられた作品です。
まさに、「夏」にも「ピッタリ」な1曲となっています...。
この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています。「商品リンク」も「こちら」から)
*追記:ユトリロさんより(「詳細」については、「コメント欄」をチェック!!...↓↓)。
大変「懐かしい」、「貴重」な映像が見つかりましたので、忘れないように、ここにも載せておきたいと思います。
「リンク」のため、「別ウィンドウ」が開きます。
ありがとうございました。
それではまた...。
............................................................................................................
Richard リシャール
les gens
il conviendrait de ne les connaitre que disponibles
a certaines heures pales de la nuit
pres d'une machine a sous
avec des problemes d'hommes, simplement
des problemes de melancolie
alors, on boit un verre
en regardant loin derriere la glace du comptoir
et l'on se dit qu'il est bien tard
みなさん
それは、彼らだけが都合が良い(使える)ということを知っておくべきでしょう
明け方の、とある時間帯に
スロットマシン(ゲーム機)のそばで
単純に、男たちの問題と
憂うつの問題と...
じゃあ、飲もうか
カウンターミラーの、はるか向こうを見つめながら
「もう遅いから...」と、言い合いながら...
nous avons eu nos nuits comme ca moi et moi
accoudes a ce bar devant la biere allemande
quand je nous y revois, des fois je me demande
si les copains de ces temps-la vivaient parfois
こんな夜を過ごした、私と私
ドイツビールを前に、カウンターにもたれかかって
そこにまた、自分たちの姿を認めて、時折り、自問する
あの頃の仲間が、時には、生きていたのなら、と...
Richard, ca va?
リシャール、大丈夫かい?
si les copains cassaient leur ame a tant presser
le citron de la nuit dans les brumes Pernod
si les filles prenaient le temps de dire un mot
a cette nuit qui les tenait, qui les bercait
仲間たちが、あまりに急かして(押して)、その魂を壊してしまったのなら
ペルノーの霧の中の、夜のレモンを
もし、娘たちが、ひとつの言葉を、ゆっくり時間をかけて言ったとしたなら
彼(彼女)らを抱き、揺り動かしたこの夜に...
Richard, ca va?
リシャール、大丈夫かい?
a cette nuit comme une soeur de charite
longue robe trainant sur leurs pas de bravade
caressant de l'ourlet les pales camarades
qui venaient pour parler de rien ou d'amitie
今夜、チャリティのシスターのように
強がる歩みで、長いドレスを引きずりながら
何でもないことや、友情について話しに来た
蒼白い仲間たちを、折り返した裾でさすりながら...
Richard, ca va?
リシャール、大丈夫かい?
nous avons eu nos nuits comme ca moi et moi
accoudes a ce bar devant la biere allemande
quand je nous y revois, des fois je me demande
si les copains de ces temps-la vivaient parfois
こんな夜を過ごした、私と私
ドイツビールを前に、カウンターにもたれかかって
そこにまた、自分たちの姿を認めて、時折り、自問する
あの頃の仲間が、時には、生きていたのなら、と...
Richard, eh! Richard!
リシャール、おい! リシャール!
les gens
il conviendrait de ne les connaitre que disponibles
a certaines heures pales de la nuit
pres d'une machine a sous
avec des problemes d'hommes, simplement
des problemes de melancolie
alors, on boit un verre
en regardant loin derriere la glace du comptoir
et l'on se dit qu'il est bien tard...
qu'il est bien tard
みなさん
それは、彼らだけが都合が良い(使える)ということを知っておくべきでしょう
明け方の、とある時間帯に
スロットマシン(ゲーム機)のそばで
単純に、男たちの問題と
憂うつの問題と...
じゃあ、飲もうか
カウンターミラーの、はるか向こうを見つめながら
「もう遅いから...」と、言い合いながら...
「もう遅いから...」と...
Richard, encore un p'tit pour la route?
Richard! encore un p'tit, vite fait
Monsieur Richard! le dernier, pour la route!
リシャール! 最後にもうあと少しだけ飲もうか?
リシャール! もうあと少しだけだ、急いで!
リシャール! これで最後だ、飲もう!!
(daniel-b=フランス専門)



