今回の記事は、「最初期の記事」(2016年2月21日付け)の「グレードアップ版」という意味合いもあり、その「リブログ」として書いていますが、テーマは、「スターマニア」に「変更」(元の記事では「ダニエル・バラボワーヌ」)となっていますので、あらかじめご了承ください。

 

1979年の「初演」以来、初の「大幅改訂(リメイク)」となったのが、こちらの「1988-89年版」です。

 

「ストーリー進行」が「整理」され、この曲も、歌われる場面が「変更」となりました。

 

こちらは、「テアトル・ド・パリ」での、「1988年公演」の「ライヴ録音」から。

 

歌っているのは、「ジョニー・ロックフォール」役のノルマン・グルー(Norman Groulx)という方ですが、「詳しいプロフィール」は、一切明らかにされていません。

 

 

敵方、「ゼロ・ジャンヴィエ」役を演じているリシャール・グルー(Richard Groulx)とは、どうやら「兄弟」のようですが(もしかすると「親子」!? まさか!!)、「カナダ・ケベックの出身らしい」ということ以外は、二人とも、本当に、現在もなお、「謎」に包まれたままです...。

 

 

初演から「30周年」となる、「2009年」に発売された「リマスター盤」です。

 

 

 

こちらは、翌1989年、「パリ・マリニ劇場」での、「本公演完全版映像」です(「1時間51分」)。

 

「DVD」はすでに「入手困難」であり、この動画は、「サディア」役を務められた、ドミニク・ウェンタ(ノルマンディー出身)自身の「ご厚意」によりアップされています(「サムネイル」の女性は、「ステラ・スポットライト」役のサブリナ・ローリーです)。

 

今回の曲の場面は、「40分13秒頃」からのスタートです。

 

 

 

 

 

続いてこちらは、「初演版」(1979年4月10日~5月3日。パリ、「パレ・デ・コングレ」)の「ライヴ録音」からです。


「初演版」のジョニーは、もはや言うまでもなく、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)が演じていますが、この曲が歌われている場面は、先述の通り、上掲の「リメイク版」とは異なっています。

 

 

「2009年」発売の、この「上演30周年記念盤」のブックレットには、「それぞれの場面」が、「詳細」に「解説」されています。

 

 

本公演に先立つ、「スターマニア」史上、「最初」の録音がこちらです(1978年)。

 

 

こちらも、初演から「30周年」を記念して発売された「リマスター盤」です。

 

こちらは、公式の「ソングブック」(楽譜)となります。

 

 

 

こちらは、「RTS」(スイス国営テレビ/ラジオ)のアーカイヴ映像からで、やはりダニエル自身が歌っていますが、「インタビュー」には、主に、「作曲者」であるミシェル・ベルジェ(1947-92)が答えています(1978年。「詞」を書いたリュック・プラモンドン、「マリー=ジャンヌ」役のファビエンヌ・ティボーも同席しています)。

 

 

そして、1981年3月、そのダニエルのオランピア劇場公演の「ライヴ録音」から。

 

「スターマニア」のナンバーとしては、他に、「quand on arrive en ville "俺たちが街に着いたときには"」も歌われていますが、ダニエルの自作曲、「bateau toujours "いつもの船"」(1980)では、「デュエット」もしているミシェルが、「サプライズ」で登場する「ひと幕」もありました...。

 

 

このライヴの模様は、「最新の大全集」にも収録されています。

 

 

 

ロックオペラ「スターマニア」は、ミシェルの死後、再び「リメイク」されましたが、こちらは、1993年から95年にかけて、「ジョニー・ロックフォール」役を務めた、ブリュノ・ペルティエ(1962-)。

 

やはり、「カナダ・ケベック」の出身です。

 

大変「力強い」ボーカルで、その後の「ノートルダム・ド・パリ」(1998年初演)での「グランゴワール」役でも「有名」です。

 

 

...しかし、ちょっと何だかなあ...。

 

 

この動画は、「テレビ出演」からのものですが(「詳細なデータ」は不明)、「この頃」ともなると、「舞台衣装」は、ただただ「エキセントリック」であり、まったくの「別物」といった印象です...(設定が、「ヒッピー」などとなっているようです。あまりにも「未来」過ぎて、「逆行」?)。

 

 

「サディア」役のジャスミン・ロワ(1968-, 「カナダ・ケベック」出身)も登場していますが...

 

 

やっぱり、「何だかなあ」...。

 

 

 

これまでの記事(「今回の曲」の場面は、「ロック・オペラ "Starmania" その3」の記事に書いています)

 

(参考)「ダニエル・バラボワーヌ」がテーマの記事一覧

 

(参考)「ミシェル・ベルジェ&フランス・ギャル」がテーマの記事一覧(ミュージカル「RESISTE」についての記事も「こちら」から)

 

 

 

さて...

 

 

今年、「没後30周年/生誕75周年」という「記念の年」にも当たっている、フランスの偉大な「音楽プロデューサー」で「歌手」のミシェル・ベルジェ(1947-92, 11月28日は「誕生日」です!!)...。

 

その「妻」でもある、フランス・ギャル(1947-2018)も、同様に「生誕75周年」...(年明けには、すぐ、「没後5周年」ともなります)。

 

そして、二人にとっては、もはや「弟も同然」の存在であったダニエル・バラボワーヌ(1952-86)も、「生誕70周年」...(昨年、「2021年」が、「没後35周年」でした)。

 

 

 

そんな、「記念の年」が並ぶこの「2022年」秋...。

 

 

 

ついに、その「伝説のロックオペラ」、「スターマニア」が「パリ」に帰って来ます!!

 

 

 

こちらは、「初演版」(1979年)のヒロイン、「クリスタル」役を務めた、フランス・ギャルの「語り」を交えた、最新の「予告映像」です。

 

 

 

11月8日からの、パリでの「本公演」に先立ち、10月初めには、「完成披露公演」も行なわれたようです。

 

 

ともに、10月8日、ニースの「パレ・ニカイア」(「ニカイア」は、ニースの「古名」)での公演の模様ですが、「衣装」は、ほぼ、「普通に戻っている」...のか...?

 

 

「ce soir on danse a Naziland "今夜、ナチランドで人々は踊る"」。

 

そして、「前回記事」の曲でもあった、「S.O.S. d'un terrien en detresse "悲嘆に暮れる(苦悩する)地球人のS.O.S."」...。

 

 

「両曲」とも、すでに、「正式な記事」として書いています(上掲の「これまでの記事」から「曲名」にて検索いただけます)。

 

 

(その「前回記事」のアップから、もうすでに「3年」が過ぎてしまった!!)

 

 

 

「スターマニア 2022」公式サイト(フランス語)

 

 

 

「初演当時」の、「貴重な映像」も見つけました。

 

 

「公演初日」の「会場」(「パレ・デ・コングレ」)からの「生中継」で行なわれた、「クリスタル」役、フランス・ギャルへのインタビューの模様です(1979年4月10日付け)。

 

「ステラ・スポットライト」役を務めた、ディアーヌ・デュフレーヌ(1944-)へのインタビューをメインに、その公演の模様を紹介しています(1979年4月11日付け)。

 

こちらは、「公演」に向けた、「最終リハーサル」の模様だということです。

 

 

こちらでは、その「スターマニア」の「誕生の経緯」について解説されていますが、やはり、当時、アメリカにおいて大変「ショッキングな事件」でもあった、「パトリシア・ハースト誘拐事件」(1974)についても触れられているのが「興味深いところ」でもあります。

 

 

当時、「過激派に誘拐された」というパトリシア・ハースト(1954-)は、「新聞社社長の娘」であり、その「犯行グループ」も、彼女を「解放」するための「要求」を、出して来てもいました。

 

しかしその後、そのグループのメンバーに混じって、「彼女自身」が「犯行」を行なう様子が「防犯カメラ」に映し出されていたことから、その「映像」は、瞬く間に、世に広く知れ渡ることになり、「騒然」となりました。

 

この「パトリシア・ハースト」こそが、「クリスタル」の「モデル」ともなった「その人」でもあるのですが、当時、ミシェルは、「Angelina Dumas "アンジェリナ・デュマ"」という、彼女をテーマとした「別」のミュージカル作品を作ることを計画していました。

 

結局、「完成」には至らず、その「設定」は、「スターマニア」へと引き継がれたのですが、その後、2015年に上演された、フランス・ギャル自身のプロデュースによるミュージカル、「RESISTE」において、その「アンジェリナ・デュマ」の「設定」も、「劇中」で、見事な「復活」を果たすことになったのでした!! (「RESISTE」についての記事は、「ベルジェ&ギャル」がテーマの記事一覧より検索いただけます)

 

 

 

さて...

 

 

「今回の曲」は、まさに、そうした「パトリシア」のエピソードとも「重なる」シーンで歌われる曲でもありますが、「初演版」では、まったく「違う」場面で歌われていました。

 

 

そう、「初演版」では、「最初」の方で歌われています。

 

 

すなわち、「アンダーグラウンド・カフェ」に、「威勢よく」入って来た「サディア」(演:ナネット・ワークマン)(曲は「Travesti」)を見て、ジョニー(演:ダニエル・バラボワーヌ)が「自己紹介」をする場面です。

 

このことから「意気投合」した二人は、ジョニーを「リーダー」、サディアを「参謀」として、「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」を結成し、「テロ活動」を始めることになったのですが...。

 

 

1988-89年の「リメイク版」では、「結成の経緯」を「回想」という形で描き、曲も、「次の場面」につなげるため、サディア(演:ドミニク・ウェンタ)とジョニー(演:ノルマン・グルー)の「掛け合い」も、次曲、「la complainte de la serveuse automate "  自動ウェイトレスの嘆き"」(「マリー=ジャンヌ」のテーマ曲)をアレンジしたものに「変更」となっています。

 

 

「シーン設定」が大きく「整理」されたこの「リメイク版」では、この曲は、自身が「司会」を務める番組、「スターマニア」の取材のために、「アンダーグラウンド・カフェ」を訪れた、テレビ局「テレキャピタル」のアナウンサー、「クリスタル」(演:マルティーヌ・サン=クレール)の前で、その「素性」を明かし、「プロパガンダ(宣伝活動/自己主張)」を行なうという場面で歌われています(それは、「正体不明」でもあった「テロリスト」の「独占インタビュー」...すなわち、「特ダネ」です)。

 

 

(最初の方に載せている、「本公演完全版映像」の「40分13秒頃」から。

 

また、「初演版」の「この場面」では、「リメイク版」では「ジギィ」のナンバーとなっている、「un enfant de la pollution "汚染の申し子"」をジョニーが歌っています)。

 

 

ちなみに、「リメイク版」での、その「直前の場面」は「こちら」です。

 

 

 

その「生い立ち」、そして、「俺には過去も未来もない」とする、「刹那主義的な考え方」にすっかり惹かれてしまったクリスタルは、カメラを止めた後、その「想い」を、ジョニーに「告白」します。

 

 

まさに「coup de foudre "ひとめぼれ"」だったのですが、それはジョニーも「同じこと」で...

 

 

俺はずっと、「天使」に出会うことを夢見て来た

俺は、「救い」を求め、叫びながら、この世に生まれて来たんだ...

 

 

 

「そのシーン」です...。

 

 

明らかに「ジェラシーを感じている」ように見えるサディアが、ある意味、「可愛い」ですね...(ただ、「椅子」を投げつけるのは、「失敗」したら「とんでもないこと」になりそうなんですけど...笑)。

 

 

この場面の後、クリスタルは、テレビ局の「ハンディカメラ」を持ったまま、その姿を消してしまいます...。

 

 

そして、「エトワール・ノワール(ブラックスター団)に誘拐された!!」と、「テレキャピタル」では「大騒ぎ」ともなったのですが、その後、その「エトワール・ノワール」の「宣伝塔」として再び現われたときには、「驚き」とともに、逆に、それまで以上の「(視聴者からの)人気」を得ることにもなったのでした。

 

 

しかし、「そのため」に、クリスタルが「その後歩んだ道」というのは...(「quand on n'a plus rien a perdre "失うものはもう何もない"」の記事をご参照ください)。

 

 

 

それでは、以下に、「Banlieue Nord "北の郊外"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

 

歌の部分は、公式の「ソングブック」(楽譜)より転記し、「セリフ」の部分は、以下のサイトを参考にしています。

 

 

この詞に登場する、

 

y a plus d'avenir sur la Terre

qu'est-ce qu'on va faire?

y a plus d'avenir sur la Terre

qu'est-ce qu'on va faire?

 

この世界にもう未来はない
どうしたらいいんだ!!

この世界にもう未来はない
どうしたらいいんだ!!

 

 

のくだりは、この劇の「ライト・モチーフ」ともなっていて、「quand on arrive en ville "俺たちが街に着いたときには"」や、「petite musique terrienne  "地球人のささやかな音楽"」にも見られるものです。

 

 

まさに「刹那主義」と、それによる「絶望」...と言ってしまえば「それまで」ですが、そうした「考え方」に「陥りがち」となるのは、やはり、「(当時の)世情」も関係していることは、「間違いなさそう」だと思います...。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

それではまた...。

 

 

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Banlieue Nord  北の郊外

 

j'm'appelle Johnny Rockfort

j'suis ne dans la Banlieue Nord

j'ai grandi sur les trottoirs

j'ai pas choisi d'etre un zonard

ma mere est devenue folle

parce que mon pere buvait trop

a quinze ans j'ai quitte l'ecole

et j'ai pris le premier metro

 

俺の名はジョニー・ロックフォール

北の郊外で生まれた

路上で育ったが

別に、「はみ出し者」になる道を選んだわけじゃない

母親は、気が狂っちまった

親父があまりにも飲み過ぎるから

15で俺は学校をやめ

そして、最初のメトロに乗ったのさ

 

sans foi ni loi

je veux vivre et mourir

sans feu ni lieu

j'veux pas rentrer dormir

dans ma banlieue

j'ai tout casse

avant d'partir

j'ai pas d'passe

j'ai pas d'avenir

j'ai tout casse

avant d'partir

j'ai pas d'passe

j'ai pas d'avenir

 

信仰も掟もなく

俺は生き、死にたいんだ
温かみも居場所もない

あんなところに

戻って眠りたくはないんだ
出てくる前に

俺はすべてをぶっ壊してきた
俺には過去もないし

未来もない

出てくる前に

俺はすべてをぶっ壊してきた
俺には過去もないし

未来もない

 

y a plus d'avenir sur la Terre

qu'est-ce qu'on va faire?

y a plus d'avenir sur la Terre

qu'est-ce qu'on va faire?

 

この世界にもう未来はない
どうしたらいいんだ!!

この世界にもう未来はない
どうしたらいいんだ!!

 

j'ai jamais travaille

mais j'me suis bien debrouille

un jour j'me suis retrouve

a l'Underground Cafe

c'est la que j'ai rencontre

tous mes amis d'aujourd'hui

quand je sais pas ou coucher

c'est la qu'je passe mes nuits

 

俺は、決して働かなかった(勉強しなかった)

それでも何とか、うまくやって行けてた

そんなある日、俺は、自分自身を見い出したのさ

ここ、「アンダーグラウンド・カフェ」で

まさに、ここで出会った

いまの仲間たちと

どこで寝たらいいか分からないときでも

こここそが、俺が夜を過ごせる場所

 

sans foi ni loi

je veux vivre et mourir

sans feu ni lieu

j'veux pas rentrer dormir

dans ma banlieue

j'ai tout casse

avant d'partir

j'ai pas d'passe

j'ai pas d'avenir

 

信仰も掟もなく

俺は生き、死にたいんだ
温かみも居場所もない

あんなところに

戻って眠りたくはないんだ
出てくる前に

俺はすべてをぶっ壊してきた
俺には過去もないし

未来もない

 

sans foi ni loi

je veux vivre et mourir

sans feu ni lieu

j'veux pas rentrer dormir

dans ma banlieue

j'ai tout casse

avant d'partir

j'ai pas d'passe

j'ai pas d'avenir

 

信仰も掟もなく

俺は生き、死にたいんだ
温かみも居場所もない

あんなところに

戻って眠りたくはないんだ
出てくる前に

俺はすべてをぶっ壊してきた
俺には過去もないし

未来もない

 

pas de passe (pas d'avenir)

pas de passe (pas d'avenir)

pas de passe (pas d'avenir)

pas de passe (pas d'avenir)...

 

俺に過去はない(未来も)

過去はない(未来も)

過去はない(未来も)

過去はない(未来も)...

 

(daniel-b=フランス専門)