今年は、フランス・シャンソン界の「3大巨匠」の1人、ジョルジュ・ブラッサンス(1921-81)の、「没後40周年/生誕100周年」という、「ダブル・アニヴァーサリー」となる「記念の年」に当たっていますが、特に、「生誕100周年」にスポットが当てられた報道が多数見られます。

 

こちらもそのひとつで、ブラッサンスの「生まれ故郷」である、南仏セートにスポットが当てられています。

 

 

やはり「フランス」には、その「文化の発展」に「貢献」した「偉人」を、「絶対に忘れない」という意識が感じられますね...。

 

 

これまでの記事

 

 

こちらは、1974年に撮影された映像ですが、後に、「商品化」もされています。

 

自作の他に、シャルル・トレネ(1913-2001)や、ミレイユ(1906-96)などを歌っていて、ブラッサンスの「ルーツ」のようなものが感じられますが、「音楽家」としての「即興性」も「見事」だと感じられる動画となっています。

 

 

 

いまだ紹介出来ていない曲を、いくつか拾ってみました。

 

 

1954年発表の作品、「la cane de Jeanne "ジャンヌおばさんのアヒル"」。

 

この「ジャンヌおばさん」とは、「不遇時代」のブラッサンスに手を差し延べた人物で、「chanson pour l'auvergnat "オーヴェルニュ人に捧げる歌"」(1954)の「モデル」でもあります(実際には、「オーヴェルニュ出身」ではないとのことですが...)。

 

その「ジャンヌおばさん」の飼っていた「アヒル」が、風邪をこじらせて、「死んでしまった」ことが歌われています(1957年6月11日放送)。

 

 

(関連記事)「オーヴェルニュ人に捧げる歌」の記事

 

 

「la mauvaise herbe "雑草育ち"」(1954)(*映像は、「1970年代」のものです)。

 

こちらも「名曲」です。

 

「戦争」で「死ななかった」ばかりに、「不名誉」を被った主人公が、「そうして生きることが、何の迷惑になるのか」と訴えかけています。

 

 

「Saturne "時の神 サトゥルヌス"」(1964)(*映像は、「1970年代」のものです)。

 

「土星」の「語源」ともなっている「サトゥルヌス」は、ローマ神話における「農耕の神」ですが、ギリシャ神話の「クロノス」と同様に、「時の神」とも呼ばれることがあります。

 

 

こちらも「神話」に関連する、「哲学的」な作品。

 

「le grand Pan "神々の時代"」(1964)(同年12月26日放送)。

 

ギリシャ神話の牧神「パーン」をテーマに、「神話の時代」と「現在」を「対比」させて歌われていますが、ブラッサンスの詞は、大詩人アポリネール(1880-1918)の影響も見られると言われ、「詩法」も、「最も格調高い」とされる、「アレクサンドラン」(一行の「音綴(おんてつ=「音節/シラブル」)」の数が「12」)の形式で書かれています。

 

 

 

続いて、ちょっと「ユーモラス」な作品を...(「詞」を載せるのは、ちょっと、「はばかられる」かなあ...)。

 

 

ともに、1969年のボビノ劇場公演からの模様ですが、いずれも、歌詞を書いた「本人」が「吹き出して」しまっています...。

 

 

「le bulletin de sante "健康診断証"」(1966)。

 

「misogynie a part "女嫌いじゃないけれど"」(1969)。

 

 

こちらは、ちょっと「問題作」かも、ですね...(現在、「歌詞」を載せると、本当に、「問題」になりそうです...)。

 

「フォークソングの時代」ならではの作品だと思います。

 

 

「le roi( des cons) "王様"」(1972)。

 

コーラスとして、ジョルジュ・ムスタキ(1934-2013)、マルセル・アモン(1929-)、フランソワ・カヴァナ(1923-2014)(「シャルリー・エブド」創刊者)、コリューシュ(1944-86)、マキシム・ル・フォレスティエ(1949-)、そして、フランソワ・ベランジェ(1937-2003)が参加しています。

 

 

この曲には、1973年10月28日に、イギリス・カーディフにて歌った録音も残っていますが(現在の「大全集」には収録されておらず、大変「貴重」です)、この曲を「リクエスト」して「アンコール」の声が上がり、「予定」にはなかったこの曲を、急きょ、「最後」に歌うことになったものです。

 

 

ブラッサンス自身も「戸惑っていた」様子でしたが、「英国女王陛下」のくだりを「抜いて」歌うという「配慮」は忘れませんでした。

 

 

(参考)「旧全集」(1991年発売)からの1枚です。

 

 

 

こちらは、「le gorille "ゴリラ"」(1952)と並んで、「ブラッサンスと言えばまずこの曲」という、「代表作」のひとつです。

 

 

「les copains d'abord "仲間を先に(パリジャン気質)"」(1964)。

 

翌1965年公開の映画、「仲間たち」(イヴ・ロべール監督)の「主題歌」ともなりました。

 

 

上掲の映像は、1972年1月19日、テレビでも放送された、ボビノ座でのライヴからのものです。

 

「ラスト曲」だけあって、「オーケストラ」も加わる「豪華さ」です(後の「Brassens en jazz」をも思わせますね...)。

 

 

 

こちらは、いわゆる「文庫版」の全集ですが、「オリジナル・ジャケット」を「再現」したスリーヴが大変「貴重」です。

 

 

 

「ブラッサンス生誕100周年」ということで、地元セートを中心に、「記念イベント」も行なわれました。

 

 

こちらは、「記念コンサート」。

「静止画に音声のみ」ではありますが、なかなか「素敵」だと思います。

 

 

曲目

 

les amoureux des bancs publics  ベンチの恋人たち(1953-54)

chanson pour l'auvergnat  オーヴェルニュ人に捧げる歌(1954)

maman, papa  ママン・パパ(1943-52)

sans vergogne(les quatre bacheliers)  四人の娘(1966)  

la non-demande en mariage  独身主義者のバラード(1966)

oncle Archibald  アルシバル叔父貴(1957)

les neiges d'antan(la ballade des dames du temps jadis)  そのかみの貴婦人を歌える(1954)

Penelope  ペネロープ(1960)

les passantes  通行人(1972)

supplique pour etre enterre sur la plage de Sete  セートの浜辺に埋葬のための嘆願歌(1966)

le gorille  ゴリラ(1952-53)

Saturne  時の神 サトゥルヌス(1964)

le grand chene  柏の大木(1966)

hecatombe  大虐殺(1952-53)

l'orage  嵐(1960)

la marche nuptiale  結婚行進曲(1957)

je vous salut Marie(la priere)  祈り(1954)

la complainte des filles de joie  娼婦の哀歌(嘆き歌)(1961)

j'ai rendez-vous avec vous  あなたとランデヴー(1954)

les copains d'abord  仲間を先に(パリジャン気質)(1964)

 

 

 

続いて、「ブラッサンスとの1日」の「シリーズ動画」より。

 

 

二コラ・サルコジ元大統領(1955-)の夫人でもある、カーラ・ブルーニ(1967-)が歌う曲は「Fernande "フェルナンド"」(1972)。

 

前にも書きましたが、この曲は「戯れ歌」として「流行」したもので、本当は、「女性」が歌うような曲ではないのですが...(「アブナイ」...笑)。

 

 

こちらは「珍しい動画」のひとつ。

 

「Santa Lucia "サンタ・ルチア"」(イタリア・ナポリ民謡)を、ティノ・ロッシ(1907-83)とのデュエットで歌った、1977年12月24日の映像ということです。

 

意外と知られていないようですが、ブラッサンスは、母親が「イタリア」の出身です。

 

ただ、「イタリア語」で歌った映像(音源)は極めて珍しく、おそらく、この1曲だけではないかと思われます(「スペイン語」で歌った録音は、何曲か残されています)。

 

 

こちらは、1979年発表の新曲、「elegie a un rat de cave "穴倉ねずみのエレジー"」です。

 

当時、「大物ジャズメン」がパリに集結していたことから「実現」した、アルバム「Brassens en jazz "ジャズ・ブラッサンス"」(1979)。

 

このアルバムで、唯一発表された「新曲」が、この曲でした。

 

 

 

 

このアルバムについての記事

 

 

 

最後は、やはり「この曲」で行きましょう...。

 

「le vieux Leon "アコーディオン弾きレオン"」(1958)

 

 

この曲の記事(「歌詞対訳」も載せています)

 

 

今年は、もう少し、ブラッサンスの曲について書いてみたいと思っています。

 

 

ところで、1970年代のブラッサンスには「カラー」の映像も多く残っていますが、上掲の「le vieux Leon "アコーディオン弾きレオン"」の動画など、少し、福山雅治さん(1969-)にも「似ている」とは思いませんか?

 

 

福山さんに「口ひげ」をつけると...。

 

 

どうだ...? (昨年の映像)

 

こちらにも「出演」されていました...(2014年9月13日公開作品)。

 

 

私は、かなり「前」から、「似ている」のではないかと思ってはいましたが...。

 

 

ちなみに、当時のブラッサンスと、現在の福山さんとでは、年齢は、そう変わらなくなって来ています...。

 

 

それではまた...。

 

 

(daniel-b=フランス専門)