こちらは「オリジナル録音」です(1956年1月録音/5月発売 *wikiの記載では「3月発売」)。
こちらは、いわゆる「文庫版」の全集ですが、「オリジナル・ジャケット」を「再現」したスリーヴが大変「貴重」です。
上掲の録音の2ヶ月前、1955年11月11日に、「ラジオ放送」用に録音されたもので、「貴重」です。
こちらもまた「ラジオ放送用音源」として、「オリジナル」の「スタジオ録音」(上掲参照)と「ほぼ同じ頃」の1956年1月30日に録音されたものですが、「軽快」な感じで、「曲のイメージ」は、がらっと変わっています...(「Version 2」)。
ブラッサンスを見出し、そのデビューを「後押し」した「大恩人」とも言える女性歌手、パタシュウ(1918-2015, 本名「アンリエット・ラゴン」)も歌っています(1955年のオランピア劇場のステージでも歌っていますので、録音は、ブラッサンス自身より「早い」とも思われますが、詳しい録音日時までは分かりません...)。
パタシュウと言えば...。
この、「a Paris dans chaque faubourg "パリ祭"」の録音は「お薦め」です!!
(「7月14日」ですからね...)
(参考)この曲についての記事
ロック歌手ルノー(1952-)は、ブラッサンスの「没後15周年」に当たる1996年、「トリビュート・アルバム」を発表しました。彼は、幼い頃からブラッサンスに慣れ親しんでいたということで、このアルバムは、当時、大変「話題」となりました。
これまでの記事
今年は、フランス・シャンソン界の「3大巨匠」の1人、ジョルジュ・ブラッサンス(1921-81)の、「没後40周年/生誕100周年」という、「ダブル・アニヴァーサリー」となる「記念の年」に当たっています。
その「誕生日」が「10月22日」、「命日」は、そのちょうど「1週間後」という、「10月29日」で、「その頃」には、まさに「ブラッサンス・ウィーク」にもなるのですが、それまでに、「名曲」を順次、「紹介」していきたいと思っています。
今回紹介する曲も、いわゆる「初期」の頃に書かれた作品だと言えるのですが、そのメロディが「美しい」こともあって、以前より、「ぜひとも紹介したい」と思っていたものです。
しかしながら、現在、私の所有しているレコードの中には、この曲を収録している「日本盤」は残念ながらなく、先日のジャック・ブレル(1929-78)のように、安易に、「ネットで探して取り寄せる」ということもしたくはなかったので、何とか、「自力」で訳してみよう、ということにはなりましたが、「シンプルそうに見える歌詞」でありながら、意外と「手こずって」しまいました...。
「美しい曲」であることは、「ピアノ」で「カバー」された、このバージョンを聴いてみても「明らか」だというものでしょう...。
そこで、「国際的に有名」な翻訳サイト、「lyricstranslate.com」の「翻訳例」を頼ってみることにしましたが、英・スコットランド出身の「マルチリンガル」の方の「名訳」、「解説」(英語)があり、とても「参考」になりました。
ちなみに、すでに「自動翻訳」されているサイトもあわせて見つけましたが、こちらの翻訳は「メチャクチャ(???)」です。
(他のサイトでも、「自動翻訳」にかけると、概ね、このように翻訳されます)
「参考」までに...(笑)。
今回の曲のタイトル「les croquants」とは、辞書を引いてみますと、「(17世紀に)一揆を起こした農民」という語義で、「土百姓」とか、「粗野な人物」という説明があります(「カリカリという音」というのは、また「別」の語義となります...)。
かつての「日本盤」では、「田舎の成金ども」という邦題がついており、「参照」した上掲の「英訳」でも、「The Rich Bastards」というタイトルとなっていましたので、これに従いました(タイトルのみながら、「下司野郎」と表記しているサイトもありました)。
つまり、その「哀調」を帯びた「美しい曲」とは裏腹に、「美しくない光景」が歌われているとも言えますが、そのあたりは、曲の書かれた年代も考慮して、どうかご承知おきください。
また、歌われている「内容」からも、必ずしも「近・現代のこと」とは限らず、「中世」、もしくは、「もっと以前」が「舞台」だと言えるかも知れないのです。
(参考)「アナログ盤」(「30cmLP(フランス盤)」の一覧)
(日本では、1975年11月に、「No.3」のレコードが、「修道女の伝説(FDX-173)」のタイトルで発売されています。その際の「邦題」が、「田舎の成金ども」でした...)
「表現」ではまず、「la main dessus, la main dessous」で引っかかりましたが、現時点では、これに似た表現、「bras dessus, bras dessous」(「腕を上に下に」=「手と手を組んで」)から類推するにとどめました。
「la chair」も、普通に訳すと「肉」のことですが、「肌」という意味もあって、ちょっと「ホッ」としました...(「肉」だと、「取りよう」によっては、何とも「恐ろしい意味」に...「食〇族」かっ...!!)。
その下に、()に入れて書かれている詞は、この詞を「歌っている者」の「心の叫び」です。
「que les culs cousus d'or」の「cousus d'or」は、「大変裕福な」を意味する「比喩的表現」で、「les culs」には、「クズども」というニュアンスがあります(元の意味は「尻」)。
「se faire une raison」は「仕方ないとあきらめる」ということで、「que」で始まる「感嘆文」(「接続法」による)になっていることから、「嘆き」を表しています。
「s'abandonne」は、「投げやりになる」のと、次行の始めの「au premier~」に結びついて、「~に身を任せる」の「両方の意味」になると考えました。
その「ostrogoth(東ゴート人)」とは、もっと「低俗」で、「タチの悪い」人間たち(「無作法な人間」)の意味だとされていますが、この話を聞くと、どことなく、シューマン(1810-56)の「詩人の恋」(1840)の中の1曲、「若者はおとめを愛し」(第11曲)を思い出してしまいますね...。
この曲ですね。
恋愛の「皮肉さ」を歌ったものです...。
(参考)シューマン「詩人の恋」の記事(一部、「歌詞対訳」を載せています)。
「ca tombe des nues」の「nues」は、「雲(nuage)」を表しています(「裸(nu)」の方ではありません...笑)。
「雲から落ちる」で、「たいそう驚く」という意味となります...。
また、「第2節」、「第3節」に現れる、
「les filles de bonne vie」
は、若干ニュアンスが「違う」ようで、「第2節」では、直前の「bonnes moeurs」と対になって、「気立ての良い娘」という感じになるようですが、「第3節」では、その言葉通りに、「良い(豊かな)暮らし」を送る娘という表現になるようです...。
このように、「文学的表現」で書かれた「シャンソン」は、時として、その「読解」に「苦しむ」こともありますが、「理解」が叶った時の「爽快感」は、また「格別のもの」があるとも思います。
今回の曲は、「オリジナル」(25cmLP)では、「je me suis fait tout petit "絶対従順主義"」(別名「Georges Brassens et sa guitare(ブラッサンスとそのギター)」)というアルバムに収録されています。
こちらがその「代表曲」ですね、「je me suis fait tout petit "絶対従順主義"」.。
(この映像は、「初発売時(「25cmLP」)」の「オリジナルジャケット」のものとなります)
1972年のボビノ劇場公演でも歌われている名曲、「aupres de mon arbre "僕の木のそばで"」。
「le testament "遺言"」も、同じ年、1956年に発表された作品です。
(参考)この曲についても書いています...。
さて...
フランスの「革命記念日」でもある「7月14日」は、同じく「3大巨匠」、レオ・フェレ(1916-93)の「命日」でもありますね。
また、今年は、「生誕105周年」の「記念の年」でもあります...。
「ユトリロさん」は、「お誕生日」ですね。おめでとうございます!!
というわけで、「次回」は、レオ・フェレの曲について書いてみたいと思っていますが...。
ちなみにこちらは、「1969年1月6日」と、「年明け早々」に行われた、「歴史的」な、「3大巨匠」への「共同インタビュー」の模様...(「音声」のみ)。
「3大巨匠へのインタビュー」というよりは、「3大巨頭の合同記者会見」(「首脳会談」)といった感じ...(笑)。
「芸術家」というより、「政治家(大統領/国家元首)」の面々!?
それではまた...(笑)。
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les croquants 田舎の成金ども
les croquants vont en ville, a cheval sur leurs sous,
acheter des pucell' aux saintes bonnes gens,
les croquants leur mett'nt a prix d'argent
la main dessus, la main dessous...
mais la chair de Lisa, la chair fraich' de Lison
(que les culs cousus d'or se fass'nt une raison!)
c'est pour la bouch' du premier venu
qui a les yeux tendre' et les mains nues...
田舎の成金どもは街へ行く その「小金(こがね)」にまたがって
善良な街の人々から、「生娘」を買うために
成金どもは値踏みをする
手を上に、下にしながら...(「揉み手」?)
けれど、リザの肌は、リゾンのみずみずしい肌は
(こんな、成金の「クズ」どもにはあきらめてもらいたいものだ!!)
「最初に来た者」の口びるのものだ
優しい瞳、そして、(優しい)素手を持つ者の...
les croquants, ca les attriste, ca
les etonne, les etonne,
qu'une fille, une fill' bell' comm' ca
s'abandonne, s'abandonne
au premier ostrogoth venu:
les croquants, ca tombe des nues
成金どもは、彼女たちを悲しませる
驚かせる 驚かせる
ある娘は...こんなに美しい娘が
すっかり投げやりになって すっかり投げやりになって
最初に来た「東ゴート人」(「もっとろくでなし」という意味)に身を任せてしまったのだ
田舎の成金どもは、たいそう、「驚いた」のだった
les fill's de bonnes moeurs, les fill's de bonne vie,
qui ont vendu leur fleurette a la foire a l'encan,
vont s'vautrer dans la couch' des croquants,
quand les croquants en ont envie...
mais la chair de Lisa, la chair fraich' de Lison
que les culs cousus d'or se fass'nt une raison!
n'a jamais accorde ses faveurs
a contre-sous, a contrecoeur...
品行の良い娘 気立ての良い娘
お祭りのオークションで、小さな花(甘い言葉)を売っていた娘たち
彼女たちは、奴らの寝床へと入るのだろう
奴らが、それを望んだとき...
けれど、リザの肌は、リゾンのみずみずしい肌は
こんな、成金の「クズ」どもにはあきらめてもらいたいものだ!!
決して、愛の証を与えることはなかった
わずかな金のために いやいやながらも...
les croquants, ca les attriste, ca
les etonne, les etonne,
qu'une fille, une fill' bell' comm' ca
s'abandonne, s'abandonne
au premier ostrogoth venu:
les croquants, ca tombe des nues
成金どもは、彼女たちを悲しませる
驚かせる 驚かせる
ある娘は...こんなに美しい娘が
すっかり投げやりになって すっかり投げやりになって
最初に来た「東ゴート人」(「もっとろくでなし」という意味)に身を任せてしまったのだ
田舎の成金どもは、たいそう、「驚いた」のだった
les fill's de bonne vie ont le coeur consistant
et la fleur qu'on y trouve est garanti' longtemps,
comm' les fleurs en papier des chapeaux,
les fleurs en pierre des tombeaux...
mais le coeur de Lisa, le grand coeur de Lison
aime faire peau neuve avec chaque saison:
jamais deux fois la meme couleur,
jamais deux fois la meme fleur...
良い(豊かな)暮らしを送る娘たちの心は安定している
そして、そこに見出すことの出来る花は、長く保証されてもいる
帽子につける紙の花のように
墓石に添えられる石の花のように
けれど、リザの心は、リゾンの大いなる心は
季節ごとに、「変わる」ことを好んでいる
二度と同じ色にはならないし
二度と同じ花にはならない...
les croquants, ca les attriste, ca
les etonne, les etonne,
qu'une fille, une fill' bell' comm' ca
s'abandonne, s'abandonne
au premier ostrogoth venu:
les croquants, ca tombe des nues
成金どもは、彼女たちを悲しませる
驚かせる 驚かせる
ある娘は...こんなに美しい娘が
すっかり投げやりになって すっかり投げやりになって
最初に来た「東ゴート人」(「もっとろくでなし」という意味)に身を任せてしまったのだ
田舎の成金どもは、たいそう、「驚いた」のだった
(daniel-b=フランス専門)
