「オリジナル録音」(1982年3~4月録音/同年6月発売)による「公式のMV」です。

 

 

 

 

「メイン・ボーカリスト」であるジャン=ルイ・オーベール(1955-)が、2006年に行なったライヴからの映像です。

 

 

続いて、さまざまなシャンソンが登場する1997年公開の映画、「on connait la chanson "恋するシャンソン"」(フランス/イギリス/スイス, アラン・レネ監督)から、この曲の登場シーン。

 

ご覧のように、「セリフ」が突然、「レコードの歌」に変わるという、驚異の「"口パク" ミュージカル映画」(笑)です。

 

すでに「終盤」の場面ですが、カミーユ(アニエス・ジャウイ)が、日頃悩んでいた「症状」というのは、実は、周囲の人々もまた、「同様」に悩んでいたものでした。

 

「自分は"出来る人"だと思われたかった」と話すカミーユに、姉オディール(サビーヌ・アゼマ)の夫、クロード(ピエール・アルディティ)が諭します。

 

「今のきみがいいよ。それが、"本当のきみ"だ」

 

 

 

さて、続けていきましょう。

「夏のシャンソン/フレンチポップス特集」の「第9弾」、今回は...

 

 

こちらもやはり、1983年8月のNHK「テレビフランス語講座」、「夏のシャンソン特集」で知った曲です。

 

 

フレンチ・ロック界の「スーパー・アイドル・グループ」、Telephone(テレフォン)の、「代表曲」と言っても良いでしょう。

 

1982年6月に、アルバム、シングルともに発売されて「大ヒット」となった、「ca (c'est vraiment toi) "それが本当のきみ"」。

 

この曲について、少し書いてみたいと思います。

 

 

フランスにおける「ロック」は、1960年代前半には、「ye-ye(イエ・イエ)」と呼ばれるブームがあり、当初はやはり、「アメリカ」、「イギリス」の「コピー」という一面がありました。

 

その後、次第に、「フランス風」な、「メロディ志向」のアーティスト、楽曲が生まれることとなり、1960年代の「終わり頃」になると、「フレンチポップ」、または、「フレンチロック」といった「個性」が「確立」してくるようになって来ました(その「系統」も、「分化」したことにより、さまざまなジャンルの音楽が生まれました)。

 

前回紹介したフランソワーズ・アルディ(1944-)や、フランス・ギャル(1947-2018)などは、そうした時代を生き抜き、「実力派歌手」として、「長く」活躍したアーティストだと言えます。

 

 

1970年代中頃になると、アメリカ、イギリスを中心として、「パンク・ロック」が「誕生」し、「流行」を見せるようになります。

 

これと、時期を同じくして生まれたグループがTelephone(テレフォン)で、1976年11月12日に「結成」されました。

 

 

それまでに、いくつかのグループで活動してきた経験を持つジャン=ルイ・オーベール(1955-)と、リシャール・コリンカ(1953-)でしたが、「ライヴ」を開くに当たって、「新メンバー」を「募集」したところ、「参加希望」の声は、どこからも上がらなかったそうです。

 

しかし、「ギリギリ」になって、親友のルイ・ベルティニャック(1954-)と、その「女友だち」であるコリーヌ・マリエノー(1952-)が「参加」してくれることになりました。

 

2人は、別のバンドに参加していましたが、それを、ちょうど「脱退」したばかりだったということです。

 

 

こうして誕生したのが、「フレンチ・ロック」のバンド、Telephone(テレフォン)というわけです。

 

 

今回の曲、「ca (c'est vraiment toi) "それが本当のきみ"」は、1982年のアルバム、「dure limite "ハード・リミット"」からの1曲ですが、「2枚目のシングルカット」となった、こちらの曲もまた「大ヒット」しました。

 

ルイ・ベルティニャックが書き、彼自身が「リード・ボーカル」を務めた曲、「Cendrillon "シンデレラ"」です(1982年12月23日のテレビ放送より)。

 

 

しかし、この「大成功」は、彼らにとっては、「大きなプレッシャー」ともなったようです。

 

当然、「次回作」への「期待」も高まり、加えて、「絶え間のない」ライヴツアー...。

 

グループ内の雰囲気も、次第にぎくしゃくとしたものとなり、結局、その次のアルバム、「un autre monde "もう1つの世界"」(1984年5月発売)が、「ラスト・アルバム」ということになってしまいました(その後、この年の「ライヴ・アルバム」も発売となりました)。

 

 

こちらが、そのアルバム・タイトル曲、「un autre monde "もう1つの世界"」です。

やはり、「寂しさ」も感じられますね。

 

 

 

この年、彼らはこのアルバムを持って、「日本」へもやって来ました。

 

ベルギー、オランダ、イギリス、デンマーク、そして、「ゼニット・パリ」でも公演を行ないましたが、それが「最後」となりました。

 

 

翌年、このアルバムは、「第1回」の「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック」(1985年11月23日開催)において、「最優秀ロック・アルバム賞」に輝きます。

 

この時の「プレゼンター」は、何と、このたった「2ヶ月後」に、「ヘリコプター事故」によって、「突然」にこの世を去ってしまうことになるダニエル・バラボワーヌ(1952.2.5-1986.1.14)でしたが、ダニエルは、ちょうど「5年前」に、「同じタイトル」の曲とアルバムを「発表」していました。

 

 

こちらが、ダニエルの「un autre monde "もう1つの世界"(インストゥルメンタル曲)」(1980年11月発売)。

 

翌年3月のオランピア劇場公演では、「歌詞」を新たに付けて、オープニング曲、「promenade "プロムナード"」として「披露」されました。

 

 

 

 

 

(参考)ダニエル・バラボワーヌがテーマの記事一覧

 

 

1986年4月21日、グループTelephone(テレフォン)は、正式に「解散」を「発表」しました...。

 

しかし、「ソロ」では、それぞれが、その後も「活動」を続けています。

 

 

今年、「生誕90周年」を迎えた、偉大な女性歌手バルバラ(1930-97)の、「遺作」となったアルバム(1996)の1曲、「vivant poeme "生きている詩"」。

 

この詞は、ジャン=ルイ・オーベールが書いています。

 

そのジャン=ルイ・オーベールとの「デュエット・バージョン」もありますが、「大全集」のみの収録です。

 

 

 

 

(参考)バルバラがテーマの記事一覧

 

 

今回の作品では、詞・曲ともに、ジャン=ルイ・オーベールが書いていますが、その「着想」は、ザ・ローリング・ストーンズの「(I Can't Get No)Satisfaction "サティスファクション"」(1965)から得たということです。

 

この曲ですね。

 

 

「ca (c'est vraiment toi) "それが本当のきみ"」を初めて聴いた当時(1983年8月)、

 

「なんて"イカれた"曲だ!!」

 

と、「まったく」好きにはなれなかったのですが、現在では、ひとつは「慣れた」こと。そしてもうひとつは、上掲の映画、「on connait la chanson "恋するシャンソン"」(1997)で、とても「効果的」に使われていたこと。それらが「きっかけ」となって、「好きな曲」と言えるようになりました。

 

2015年から2017年まで、このグループは、実は「再結成」もされたのですが、「ベーシスト」である、コリーヌ・マリエノーが参加していなかったため、「les Insus」という、「別名義」で活動していたということです。

 

 

先ごろ、ジャン=ルイ・オーベールも、「新型コロナウイルス」に感染していたことを「公表」しましたが、幸い、「回復」されたようです。

 

また、近々、「公演」の予定もあったようですが、「人が集まり過ぎる」として、「中止(延期?)とする」という発表もあったようです。

 

 

以下に、「ca (c'est vraiment toi) "それが本当のきみ"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

それではまた...。

 

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ca (c'est vraiment toi)  それが本当のきみ

 

quelque chose en toi

ne tourne pas rond

un je ne sais quoi

qui me laisse con

quelque chose en toi

ne tourne pas rond

mais autour de moi

tout tourne si rond

 

きみの中の「何か」が

うまく行っていないんだね

何か分からないけど

それがぼくをダメにしている

きみの中の「何か」が

うまく行っていないんだね

ぼくのまわりじゃ

すべてがうまく行っているっていうのに

 

des balles doum, doum aux roues des bagnoles

au rythme tchouc tchouc du train des Batignolles

au murmure de la ville, au matin des nuits folles

 

「ダムダム弾」*からクルマの車輪

バティニョルを走る列車のシュッシュッというリズム

街のささやき バカ騒ぎの夜の後の朝に

 

rien ne t'affoles

et j'aime encore mieux ca

oh je prefere ca

oui, j'aime encore mieux ca

car c'est vraiment toi

et rien d'autre que toi

non rien d'autre que toi

que toi

non rien d'autre que...

 

何もきみをあわてさせるものはない

ぼくはこの方がいいんだ

ああ これがいいんだ

そう この方がいいんだ

それが「本当のきみ」なんだから

きみ以外の何者でもない

まったくきみそのもの

きみでしかない

他の誰でもない...

 

come on baby

 

カモン ベイビー

 

quelque chose en toi

ne tourne pas rond

mais dans tes pattes en rond

moi je fais ron-ron

quelque chose en toi

ne tourne pas rond

mais autour de moi

toi tu fais un rond

 

きみの中の「何か」が

うまく行っていないんだね
きみの足の中で

ぼくはのどを鳴らす

きみの中の「何か」が

うまく行っていないんだね

でもぼくのまわりでなら

きみは円を描く

 

et les balles doum, doum aux roues des bagnoles

et la vie des saints et leurs aureoles

et le murmure de la ville et de ses machines molles

 

「ダムダム弾」*からクルマの車輪
聖人たちの暮らしとその後光

街のささやき そしてその柔らかい機械

 

rien ne t'affoles

et j'aime encore mieux ca

ouh je prefere ca

oui j'aime encore mieux ca

j'aime encore mieux ca

(j'adore ca)

 

何もきみをあわてさせるものはない

ぼくはこの方がいいんだ

ああ これがいいんだ

そう この方がいいんだ

この方がいいんだ

(大好きさ)

 

car ca!

c'est vraiment toi

oui, oui ca!

c'est vraiment toi

ca!, ca!

c'est vraiment toi

non, non, non, ca! ca!

c'est vraiment toi

ca se sent, ca! ca!

c'est vraiment toi

ca! ca!

ca se sent, ca se sent, ca se sent que c'est toi

ca se sent

ca se sent que c'est toi

ca se sent (et personne d'autres)

ca se sent que c'est toi

ca se sent

ca se sent que c'est toi (ca se sent)

ca se sent, ca se sent, ca se sent

mais rien d'autre que toi

non rien d'autre que toi

que toi

non rien d'autre que toi

que toi

non rien d'autre que toi

 

だってそう!

それが「本当のきみ」

そう そう!

それが「本当のきみ」

そう そう!

それが「本当のきみ」

いや いや いや

それが「本当のきみ」

分かるよ

それが「本当のきみ」

そう そう!

分かる 分かる 分かるよ それが「きみ」だって

分かる

分かるよ それが「きみ」だって

分かるよ (他の誰でもない)

分かるよ それが「きみ」だって

分かる

分かるよ それが「きみ」だって (分かる)

分かる 分かる 分かるよ

だって きみ以外の何者でもない

まったくきみそのもの

きみでしかない

まったくきみそのもの

きみでしかない

まったく「きみ」でしかないんだ

 

*(訳注) ダムダム弾...「被弾」した者に対して、「不要な苦痛」を与える「非人道的兵器」として、国際的に「使用禁止」とされている弾丸。ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)の「同年」の歌、「viens danser "踊りにおいで"」(1982)にも「登場」しました。

 

(daniel-b=フランス専門)