1978年2月、オランピア劇場公演の「ライヴ録音」からです(「イチ押し」です!!)。
全体的に「レベルの高い」パフォーマンスですが、この「l'enfant laboureur "花を咲かせるために"」も、「ベスト」と言い得るでしょう。
伴奏は、ローラン・ロマネリ(1946-)が「1人オーケストラ」を務めています。
こちらは、1987年9月のシャトレ劇場公演からですが、この頃になると、「途中の歌詞(ルフラン)」は「省略」されるようになっています。
アルバム発表の「直後」とも言える、1974年2月のヴァリエテ劇場公演の「ライヴ録音」からです。
こちらが「オリジナル録音」です(1973年9~10月録音)。
新しい、「ロック世代」のアーティスト、フランソワ・ヴェルテメール(1947-)との「共作」のため、いきなり「この曲」から始まるアルバム「la louve "雌狼"」(「日本盤」のタイトルは「黒いデッサン」)は、「ロックのアルバム?」とも思ってしまいます。
バルバラとしても、やはり、「新しい世代の音楽」を、「意識」せざるを得なかったのでしょう。
そのことが、「1980年代以降のバルバラ」への、1つの「布石」ともなったと言えるのです。
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10097047678.html(これまでの記事)
「前回」は、あまりにも「ショック」なニュースが飛び込んで来ましたので、急きょ、予定を「変更」してお送りしましたが、「11月24日」は、偉大な女性歌手バルバラ(1930-97, 本名モニック・セール)の「命日」でもありました(こちらも、大変「急」な出来事でしたので、当時は、本当に「驚いた」のですが...)。
また来年は、「生誕90周年」(「6月9日」が誕生日)にもなります。
今回は、1973年の発表以来、1990年2月から4月のモガドール劇場公演、そして、同年秋の「最後の来日公演」まで歌われた、バルバラにとって大変「重要な1曲」と言って良い作品、「l'enfant laboureur "花を咲かせるために"」(原題は、「農民の子ども」といった意味です)について書いてみたいと思います。
1973年10月31日に発売されたアルバム、「la louve "雌狼"」(日本でのタイトルは「黒いデッサン」)は、新世代のアーティスト、フランソワ・ヴェルテメール(1947-)と組んだことで、当時としては、大変「革新的」な作品となりました。
収録された曲は、次の「全10曲」ですが、このうち「3曲」はすでに正式に紹介し、「5曲目(アナログ盤では、「A面最終曲」)」である「chanson pour une absente le 6 Novembre "居ない女(ひと)のために(11月6日)"」は、いくつかの記事にて触れてもいます。
1.l'enfant laboureur 花を咲かせるために
2.le Minotaure ミノトール(ミノタウロス)
3.la-bas 鏡の向こう側
4.les hautes mers みち潮
5.chanson pour une absente "le 6 Novembre" 居ない女(ひと)のために(11月6日)
6.Marienbad マリエンバード
7.la louve 雌狼
8.Mr.Capone ムッシュー・カポネ
9.ma maison 私の家
10.je t'aime ジュ・テーム(フランソワ・ヴェルテメールとのデュエット曲)
2.le Minotaure 「ミノトール(ミノタウロス)」についての記事
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12281858363.html(「記事その2」2017年)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12168927645.html(「記事その1」2016年)
6.Marienbad 「マリエンバード」についての記事
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12328036364.html?frm=theme
上掲の記事に載せることが出来なかった、「オランピア1978」の音源です。
9.ma maison 「私の家」についての記事
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12327174482.html?frm=theme
こちらもついに載せることが叶いました(「必聴」です!!)。
この曲、「chanson pour une absente le 6 Novembre "居ない女(ひと)のために(11月6日)"」は、映画、「バルバラ~セーヌの黒いバラ」(2017年/日本公開2018年)の「オープニング」でも使われていましたね。
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https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12450146772.html?frm=theme(参考:映画「バルバラ~セーヌの黒いバラ」についての記事)
映画「バルバラ~セーヌの黒いバラ」では、「まったく」と言っても良いほど、フランソワ・ヴェルテメールについて触れられていませんでしたが、「バルバラ」を語る上では、「重要な人物の1人」であったと私は思うのですが...。
とは言うものの、2人の出会いの「きっかけ」が、現在となっては「よく分からない」ことが多く、単なる「コラボ」としか書くことも出来ないのですが、このアルバムの翌年に発表された新曲、「l'homme en habit rouge "赤い服の男"」(1974)は、このフランソワ・ヴェルテメールについて書かれたものですから、当時は、「コラボ」以上に、「恋愛感情」があったと考えても「不思議」ではありません(現に、1976年に「再発売」された、アナログの「日本盤(FDX-222)」では、永田文夫先生がそのように書いています)。
「l'homme en habit rouge "赤い服の男"」。
1987年9月のシャトレ劇場公演では、「Marienbad "マリエンバード"」に引き続いて歌われています。
アルバムの終曲「je t'aime "ジュ・テーム"」は、フランソワ・ヴェルテメールとのデュエット曲です。
「不安」を誘うような曲に聴こえますが、詞は、狂おしいまでに「情熱的」です。
このアルバムでは、バルバラは「作曲」に専念し、詞は、「chanson pour une absente le 6 Novembre "居ない女(ひと)のために(11月6日)"」以外は、すべてフランソワ・ヴェルテメールが書いています。
また、このアルバムの「編曲」は、ウィリアム・シェラー(1946-)が手がけていますが、彼と言ったら、やっぱりこの曲でしょう。
「un homme heureux "幸せな男"」(1991)。
私自身、とても「大好き」な曲ですので、いつか「記事」を書いてみたいと思っています。
それでは以下に、「l'enfant l'aboureur "花を咲かせるために"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
この曲の歌詞は、歌われた年代によっても大きく異なっていますので、ここでは、私が「第一」に挙げている、1978年2月の、オランピア劇場公演で歌われたバージョンを掲載しています。
詞はヴェルテメールが書いていますが、バルバラらしい「激情」に満ちていて、「バルバラ以上にバルバラ」であると思います。
「重要なレパートリー」となったことも、充分にうなずけます...。
「アルバムタイトル曲」でもある「la louve "雌狼"」は、「真冬」に「ピッタリ」の曲ですので、もう少し季節が進んだ頃に、記事を書いてみたいと思っています。
この曲ですね。
それではまた...。
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l'enfant laboureur 花を咲かせるために
qu'on ne touche jamais
aux folies, aux orages
qui chez moi naissent et meurent
entre passion et rage
et que mes grands delires
me fassent toujours escorte
la raison est venue
j'ai demande qu'elle sorte
決して触らないで
狂気と嵐が
私の中で生まれては消える
情熱と怒りの間で
その上大いなる妄想が
いつも私についてまわる
理性もやって来たけど
お引き取りを願ったわ
qu'on ne decide pas
de mes joies, de mes larmes
a chacun son soleil
et a chacun ses drames
et si le noir pour moi
est couleur de lumiere
la raison que m'importe
et qu'elle aille aux enfers
勝手に決めないで
私の喜びや涙(悲しみ)を
人それぞれに太陽があり
人それぞれにドラマがある
もし「黒」が、私にとって
「光の色」だとしたら
「理性」なんてどうでもいい
地獄へ行ってしまえばいい
mais comment voulez-vous
qu'un enfant laboureur
si on lui prend sa terre
fasse pousser ses fleurs, ses fleurs
でも、あなた方は何をお望み?
農民の子どもに
彼から土地を取り上げておいて
花を咲かせろ、咲かせろとは...
que jamais on n'ecoute
derriere mes volets
pour voler(froler) mon piano
pour voler mes secrets
mes secrets sont pour vous
mon piano vous les porte
mais quand la rumeur passe
je referme ma porte
決して聴かないで
扉の向こうから
私のピアノを盗むため(ピアノに触れるため)
私の秘密を盗むため
私の秘密はあなた方のもの
私のピアノがそれをあなた方に伝える
でも、あれこれとうるさいのなら
私はまた扉を閉ざすわ
qu'on ne m'ordonne pas
je suis reine en mon ile
je suis femme en mon lit
je suis folle en vos villes
et j'ai choisi mes hommes
j'ai bati mes empires
au diable la raison
et vivent mes delires
私に命令しないで
私の島では、私が女王
私のベッドでは、私は女
あなた方の街では、私は狂った女
私の男たちは、私が選び
私は王国を築き上げた
理性なんてどこかへ消えて
妄想バンザイだわ
mais comment voulez-vous
qu'un grand Pierrot de lune
vous fasse des chansons
si on lui prend sa plume, sa plume
でも、あなた方は何をお望み?
偉大な「月のピエロ」に
「歌を作れ」とは
彼からペンを、ペンを取り上げておいて...
qu'on ne touche jamais
que jamais on n'ecoute
qu'on ne decide pas
qu'on ne m'ordonne pas
決して触らないで
決して聴かないで
勝手に決めないで
私に命令しないで
et je serai pour vous
un enfant laboureur
qui fait vivre sa terre
pour vous offrir ses fleurs, ses fleurs
et vous pourrez venir
vous reposer tranquille
comme on donne une fleur
je vous donne mon ile
c'est comme ca que je suis
votre enfant laboureur
je fais vivre ma terre
pour vous offrir mes fleurs, mes fleurs
ti li la...
pour vous offrir mes fleurs, mes fleurs...
私はあなた方のために
農民の子どもになるわ
土地をよみがえらせ
あなた方に花を、花を贈るために
そしてあなた方はここへ
静かに休みに来ることが出来るわ
人が花を贈るように
私も、あなた方に私の島をあげるわ
そう、こんな風に
私は、あなた方の農民の子ども
私は、私の土地をよみがえらせる
あなた方に私の花を、花を贈るために
ティ、リ、ラ...
あなた方に私の花を、花を贈るために...
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(daniel-b=フランス専門)