1988年、スイス・モントルーでのライヴの映像ということです。

こちらは、1998年の映像です。「シンフォニック・ライヴ」ということで、何と、「和太鼓」も登場します。

こちらが「オリジナル録音」です。

レイモン・ルフェーヴル(1929-2008)による「オーケストラ版」(1970)は、もしかすると、誰もが1度は耳にしているのでは?

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12334755479.html(昨年の記事)

 

「12月5日」は、大歌手ジョニー・アリディ(1943-2017)の「命日」でした(「22時10分逝去」ということで、日本では、当初、「6日までに逝去」と伝えられていました)。

 

この日は、モーツァルト(1756-91)の命日としても知られていますが(来年こそは「モツ・レク」の記事を書きます!!)、昨年、何気なく、新聞の「国際面」に目を通したところ、その「訃報」に接し、驚いたものでした。

 

日本では、悲しきかな、ほとんどその名を知られてはいないのではないかとも思いますが(「シルヴィ・ヴァルタンの前夫」としてのみ、知られているのではないでしょうか...)、フランスでは「国民的大歌手」であり、高級紙「フィガロ」が、「トップニュース」で挙げていたことからも、その「存在の大きさ」がうかがえるというものです。現に、その「葬儀(市民葬)」の模様は中継され、マクロン大統領も「弔辞」を述べるなど、ほぼ「国葬」とも言えるほどの「大規模」なものでした。

 

昨年、ユトリロさんが、記事にも書かれています。

 

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12335388673.html(「葬儀」の様子の記事)

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12357554803.html(この曲「que je t'aime」の記事)

 

歌手のゆうき芽衣さんも、こちらの記事から、「5回」にわたって、ジョニー・アリディを特集していました。

https://ameblo.jp/france-mei/entry-12335751714.html

 

今回は、このジョニー・アリディの「最も有名な曲」とも言える、「que je t'aime "こんなにも君を愛している(とどかぬ愛)"」(1969)について、少しばかり書いてみたいと思います。

 

その前に、この「ジョニー・アリディ」という名前ですが、「日本風」に発音すると、普通は、

 

「ジョニー・アリディ」

 

という風に、「ニー」の音が伸ばされますから、ここに「アクセント」が来て、その「前後」は、少し「弱く」なるはずです。

 

しかしながら、本国フランスでの「実際の発音」を聴いてみると、

 

ジョニ・アリデ」

 

のように聴こえるはずです。「アリ(ハリ)ディ」という表記は、あくまでも、「英語読み」の影響によるものです。こういったことも、「知っておくと面白い」かと思います。

 

ジョニー・アリディは、実は、1978年6月に、当時、妻であったシルヴィ・ヴァルタン(1944-)とともに来日しています。

 

日本でも人気の高いシルヴィ・ヴァルタンは「来日公演」(5月25日~6月17日)、夫、ジョニー・アリディは、6月18日の「第7回東京音楽祭世界大会」(日本武道館)の「審査員」として招かれました。

 

その時の様子です(ジョニー・アリディは、6月15日が「誕生日」でした)。

 

この映像についても、先にユトリロさんが書かれています。

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12379127795.html

 

さて、今回の作品「que je t'aime "こんなにも君を愛している(とどかぬ愛)"」ですが、知っていらっしゃる方は、原題の「ク・ジュ・テーム」もなじみがあるかと思います。

 

1973年、アリディは、「日本語」で、この曲を録音しています(「日本発売」の「シングル」です)。

 

この「日本語版」は、今年亡くなった、西城秀樹(1955-2018)も採り上げました。同じ1973年の11月7日、東京郵便貯金会館(現「メルパルク東京」)で行なわれたライヴを収録した録音が、「レコード」にもなっています。

 

アリディの「オリジナル」は、1969年4月29日に録音され、6月23日に発売された「シングル」です。この後、11月に発売されたアルバムの「タイトル」にもなっていますが、こちらは「ライヴ録音」だということです。

 

詞は、後にフランク・シナトラ(1915-98)が歌って「世界的ヒット」となった、「My Way」(1969)の「オリジナル」、「comme d'habitude "いつものように"」(1967)の詞も書いている、ジル・ティボー(1927-2000)です。曲は、ジャン・ルナール(1933-)が書いていますが、このコンビによる作品を、アリディは、他にも何曲か歌っています。

 

さて、以下に、この「que je t'aime "こんなにも君を愛している(とどかぬ愛)"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

このタイトルは、「ジュ・テーム」の上に、「ク」が付いています。この「que」は、いわゆる「文頭」の「疑問代名詞」でも、「文中」の「関係代名詞」でもありません。英語の「what」と同じで、これだけで「感嘆文」になるのです。ですから、「こんなにも君を愛している」となるのです。アリディの力強いボーカルは、まさに「絶唱」と言って良く、聴いている方も「力」が入りますね。とても「熱い」歌です。

 

ちなみに、「que」を「comme」に変えても意味は同じで、これは、バルバラ(1930-97)の作品によく見られる表現です(「amours incestueuses」や、「je t'aime」など)。

 

昨年のジョニー・アリディの死の直前、11月17日には、「トリビュート・アルバム」が発売されました。こちらも、先に、ユトリロさんが「特集」で紹介されていましたが、そのアルバムで、この「que je t'aime」を歌ったのが、アメル・ベント(1985-)という女性歌手です。

 

とても「素敵な歌(声)」ですので、こちらにも載せておきましょう。

 

ユトリロさんの記事はこちらです。

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12357554803.html(再掲)

 

それではまた...。

 

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que je t'aime  こんなにも君を愛している(とどかぬ愛)

 

quand tes cheveux s'etalent

comme un soleil d'ete

et que ton oreiller

ressemble aux champs de ble

quand l'ombre et la lumiere

dessinent sur ton corps

des montagnes, des forets

et des iles aux tresors

 

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime!

 

君の髪が

真夏の太陽のように広がるとき

そして、君の枕が

麦畑のように見えるとき

影と光が

君の身体に描くとき

山や、森や

そして、宝の島を

 

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している!

 

quand ta bouche se fait douce

quand ton corps se fait dur

quand le ciel dans tes yeux

d'un seul coup n'est plus pur

quand tes mains voudraient bien

quand tes doigts n'osent pas

quand ta pudeur dit non

d'une toute petite voix

 

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime!

 

君の唇が柔らかく(甘く)なるとき

君の身体が硬くなるとき

君の瞳の中の空が

突然に曇るとき

君の手が望むとき

指がそれをためらうとき

君のはじらう心が「ノン」と言う

とても小さな声で

 

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している!

 

quand tu ne te sens plus chatte

et que tu deviens chienne

et qu'a l'appel du loup

tu brises enfin tes chaines

quand ton premier soupir

se finit dans un cri

quand c'est moi qui dis non

quand c'est toi qui dis oui

 

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime!

 

君がもう猫ではなく

犬になるとき

狼の呼ぶ声に

ついにその鎖を引きちぎるとき

君の初めてのため息が

叫びの中に終わるとき

「ノン」と言うのが俺で

「ウイ」と言うのが君のとき

 

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している!

 

quand mon corps sur ton corps

lourd comme un cheval mort

ne sait pas, ne sait plus

s'il existe encore

quand on a fait l'amour

comme d'autres font la guerre

quand c'est moi le soldat

qui meurt et qui la perd

 

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime

que je t'aime, que je t'aime, que je t'aime!

 

君の上に俺がいて

死んだ馬のように重くなるとき

それがまだいるのかどうかは

分からない、もう分からない

他の者たちが戦っているように

愛し合っていたとき

俺が兵士で

戦いに負け、死にゆくとき

 

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している

こんなにも、こんなにも、こんなにも君を愛している!

 

 

(daniel-b=フランス専門)