1月7日、「がん」により亡くなった、フランスの歌手、フランス・ギャル(1947-2018, 本名イザベル・ギャル)を追悼する、「緊急特集」をお送りしています。

https://ameblo.jp/daniel-b/themeentrylist-10097776129.html(これまでの記事)

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12309459572.html(ミュージカル「RESISTE」最初の記事)

http://resistelacomediemusicale.fr/(ミュージカル「RESISTE」公式サイト)

https://www.youtube.com/channel/UCORxPxv1VGQf3exA7ApozjA(同「YouTube」公式チャンネル)

 

さて、ミュージカル「RESISTE」(2015年11月、「パレ・デ・スポール」にて初演)の「ストーリー本編」について書いていますが、今回は、その「3回目」となります(本編の長さは「2時間15分」、それに続くアンコール部分が「約7分」です)。

 

前回は、久々に「ローラのクラブ」に姿を現した、銀行家の令嬢アンジェリナが、一同に近況を報告するとともに、「親の支配」にも屈しない、その「強い心」を見せるところまでを書きました。

ここまでが「第1幕」で、「開始から約35分」です。

 

今回は、「第2幕」冒頭の「ショート・フィルム」、「ムーンとローラ」(その2)からスタートです。

ローラ(クロエ・ルフェーブル。劇中の、「マギーの母」と同名)は、「私は蝶よ、蝶よ、蝶よ...」と、何やら楽しそうではありますが...。

 

「わたしも、"ナイトクラブ"に行けたらいいなあ...。何だか、"イケてる"感じ...」

 

写真を見ながら、ローラは、「マギーとマンドリーヌのママはどこにいるの?」と、ムーン(フランス・ギャル。「ご本人」)に尋ねます。

 

「天国よ。あなたと同じくらいの歳に、ママは亡くなったの」

 

「ママのいない人生なんて、悲しいんじゃない?」

 

しかし、彼女たちには、「楽しいパパ」がいました。

2人の「娘」がいながら、「女の子の服」さえ分からずに、「男の子」の恰好をさせていたのですが、それが、唯一、彼の知っているやり方なのでした...。

 

「彼は、"ママパパ"だったのよ」(ムーン)

 

「マパ?」(ローラ)

 

「パマ!」(ムーン)

 

「なぜ、この写真のクラブはガランとしているの?」

 

「まだ"準備中"の時間だからよ」

 

「学校の日は、私は、この時間にはもう寝ているわ」

 

「じゃあ、どうして今起きているの?」

 

「話の結末を聴かないことには寝られないもん!!」

 

「そうなの? まったく、困ったお嬢さんね...」

 

ローラの笑い声の中、「第2幕」本編がスタートします...。

 

マギーは、「開店の準備」に精を出します。

 

あるすがすがしい朝

私が眠りにつくころ

一生私を愛してくれる人に

出合えたかもしれない

マギーと呼んでください

マギーと呼んでください

夜は私の時間です

 

でも私のすれ違う人たちは

疲れ切った、傷だらけの心を持ち

自分たちの人生を

暗闇の中で忘れようとする

マギーと呼んでください

マギーと呼んでください

夜は私の時間です...(「la chanson de Maggie "マギーの歌"」)

 

そこへ、突然、マティスが現われ、マギーを驚かせます。

 

「何してるの。まだ開店前よ」

 

「分かってるよ。ちょっと練習しておこうと思ってさ...。

手伝おうか?」

 

「いえ、大丈夫よ。いつものことだから...」

 

「君が昨日歌っているのを聴いて、とても素晴らしいと思ったんだ」

 

「大したことじゃないわ。私は、話せるようになる前に歌っていたの。

私はほとんど、この場所で生まれたようなものなのよ...」

 

「へえ...」

 

「お母さんは、最初の陣痛の時、このカウンターにいたの。

危うく、お客さんの前で出産するところだったのよ...」

 

「君のお母さんはどこに? 姿を見たことがないけど...」

 

「お母さんは、私が8歳の時に亡くなったの...」

 

「ああ...ごめん...。

じゃ、君は、ずっとここで生きて来たのか」

 

「私はここで、歩くことを覚えたわ。

このバーカウンターで、読むことも、数を数えることも覚えた。

宿題だってやった。

そちらの方では、誕生日を毎年祝ったわ。

パーティもやった。

この階段で、(口もとに)この傷あとを作っちゃった...」

 

「面白いね。それ、俺にもあるんだよ」

 

「ウソ!!」

 

「ほら、ここに...」

 

マティスは、マギーに唇を寄せます。

 

「何も見えないわよ」

 

「ほら、見て...」

 

「でも、傷あとなんてないわよ」

 

マギーは、「誘惑」に乗りません。

 

「ああそうだ。勘違いしてた。それは"ひざ"だった...!!」

(客席から笑い)

 

離れて、向こうへ行くマギーに、「ここから離れるつもりはないの?」と、マティスは訊きます。

 

「考えたことないわ」

 

「俺には"夢"がある。ニューヨークへ行くことさ」

 

「ニューヨーク?」

 

「そう、俺の兄弟が言ってた。"世界"が見渡せるって...」

 

「向こうに住んでるの?」

 

「いや...。"奴が今いるところ"からは、そこへ行くことは出来ないだろう...。

でも俺は、いつか行ってやる...」

 

ピアノに向かうマティスに、マギーは付け加えます。

 

「私は、ここを出るつもりはないわ...」

 

「なぜ...?」

 

「ここには、やらなくてはいけないことがあまりにも多いし、

考えなくてはいけないこともたくさん...。

お父さんに何もしてあげられなくなってしまうから...。

お父さんには私が必要なのよ...」

 

「君は、"すべて"を考え、"みんなのこと"を考える...。

でも、"君"は?

"君のこと"を考える者は...?」

 

 

数多くよみがえってくる、いくつもの夢 約束 幻影...

いくつもの面影 くちびる

表情 感じやすい心

そして、終わることのない、これらの手紙

これらの映画に、これらの本

それ以上のことは話さない、これらの詩

これらの眼 視線

一度だけではなく交わすその微笑み

過ぎていくこの時 口には出て来ない、そのすべての言葉...

 

何の役に立つの

私たちの中にあるこの愛は

誰にあげるものなの

私たちを揺り動かすこのすべての夢は

それが、人のためだとしても

誰に言えばいいの

何の役に立つの...

(至るところで演奏されるこの音楽は

誰のために鳴り響くの

戦う私たちの体 沸き立つこの体は

誰にあげるものなの

誰に言えばいいの)...(「a quoi il sert "何の役に立つの"」)

 

注: ()内の歌詞は、劇中では歌われていません。

 

「テネシー!!」

 

オーナーがテネシーを探しています。

 

「はーい、ボス!! ただいま!!」

 

「急げよ!!」

 

「はいはい、ちょっとお待ちを。

エアコンが壊れてて、フィルターを取り替えなきゃいけなかったんで...。

1人で修理してて、まずは...」

 

「着替えて。開店するから急いで」

 

「OK..」

 

次いで、ピアノに突っ伏して寝ているマティスにも声を掛けます。

 

「酒びんのケースを運ぶのを手伝ってくれないか?」

 

「ああはい、もちろん...」

 

「ありがとう。

君は、本当によくやっているな」

 

「ありがとうございます」

 

「君は、どこであのような演奏を習ったんだ?」

 

「ああ、いい先生に恵まれまして...」

 

「多くのミュージシャンが、その先生に習いに行くべきだな」

 

「ありがとうございます」

 

「オフィスへ行こう」

 

オフィスに足を踏み入れたマティスは、飾られている、その写真の多さに驚きます。

 

「うわっ。あなたが、みんなこれを撮ったんですか!?」

 

「その通り!!」

 

これらは、このクラブであった、「よきひととき」を収めたものだと、オーナーは言います。

「単に楽しみたいだけ」のために彼らが来るものだと思われていますが、それは、「話をし、それを聞いてもらうため」ということでもありました。このクラブは、ちょっとした、「夜の共同セラピー」なのです。

 

「あなたがセラピスト?」

 

「ああ...。そうかもな..」

 

オーナーは、テネシーに開店を命じた後、話を続けます。

 

「俺は、ここで結ばれたり、別れたりしたカップルを見た。

突然恋に落ちたり、破れたり...。時には同じ人たちだったり、同じ夜だったりもした...」

 

マギーが「開店」を告げ、2人は、カウンターへ下りて来ます。

 

「彼らの顔を見てごらん。みんな違っているだろう。

でも、みんな、同じものを探し求めているんだ。

夜の一瞬に、人は、何でもないことを忘れるんだ...」

 

 

コニャックとウィスキーを飲みながら

「この世には心配することは何もない」

と心得た財政家は言う

彼は温かい懐で、心を膨らませてせている

毎晩のように

夜を過ごすところを探しながら

「私にもチャンスが回って来た」

ときれいな女の子は言う

 

パリの夜

みんなよく騒いで笑う

今流行の曲に乗って

パリの夜

みんな、飲んで忘れる

今日の出来事を...(「une nuit a Paris "パリの一夜"」)

 

こうして、今日も、「クラブの一夜」が始まります。

 

ここまでで、「開始から約47分」です。

 

以下、次回に続きます。

 

それではまた...。

 

 

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(daniel-b=フランス専門)