「11月24日」は、偉大な女性歌手バルバラ(1930-97, 本名モニック・セール)の「命日」でした。それも、今年は、「没後20周年」の「記念の年」に当たります。ですので、11月中は、このバルバラの名作を、可能な限り紹介して来ました。

 

この「特集」も、ついに今回、「最終回」となります。

 

テーマが「バルバラ」となっている記事の一覧を貼っておきます(実際には、他のテーマでも紹介している曲が何曲かあります)。

https://ameblo.jp/daniel-b/themeentrylist-10097047678.html

 

今回ご紹介する曲は、まさに、「最終回」にふさわしい曲だとも言えるでしょう。

「dis, quand reviendras-tu? "いつ帰って来るの?"」(1962-63)をお送りします。

 

この曲は、タイトルの通り、出かけたまま戻らない恋人に、「いつ帰って来るの?」と問いかける歌ですが、季節が、いつしか「春」から「秋」に変わっている様子なども歌い込まれており、「悲しい」ながらも、とても「美しい」作品だと言えるものです。

 

この作品が作られた時期については、従来は諸説ありましたが、バルバラの「未完の自伝」には、次のように記されています。

 

「...飛行機の中で、短い旋律と4つのフレーズが浮かんだ...。

"いつ帰って来るの?"が生まれようとしていた。

ヴィルトーヴの家に戻り、すぐに学習ノートを開く。歌詞を書いては、引きちぎり、投げ捨てては、また書く。わたしがシャンソンを書くときはいつもこうだ。愛用の古いテープレコーダーの中で、"いつ帰って来るの?"が形をなしていく。そして曲に仕上がる...」(小沢君江訳)

 

この記述は、「1961年7月」に、コートジボワールの「旧首都」アビジャンに歌いに行った後の、「パリへの帰路から」ということになります。この後バルバラは、「レクリューズ」に復帰し、この作品を、あえて、「自作」と言わないまま、1年間歌い続けたと言います。これまで、「男性が作った愛の歌」しか歌って来なかったバルバラにとって、自分という「女性」が書いた愛の歌は、とても「新鮮」であったようです(「その表現にかなりの違いが出て来る...」と書いています)。

 

また、この曲に関しては、「1962年5月に、(ブレルの編曲者である、)フランソワ・ローベールに編曲を頼んで、録音した」とも書かれており、これは、従来からある、ディスコグラフィのデータとも一致します。上掲の、「3番目」の音源が、この「スタジオ録音」となります。

 

実は、バルバラは、この翌年の11月に、「Nantes "ナントに雨が降る"」の録音を行なった際(前々回の記事参照)、この曲も、「再録音」しています。ただ、こちらの録音は、「シンプル」な印象に過ぎず、結局、「没バージョン」となってしまいました。

 

今日まで残っている「公式録音」は、先に録音された、フランソワ・ローベール(1933-2003)編曲・指揮による「1962年盤」で、これを、1966年に「ステレオ化」したものです(「CBS」盤)。

 

この曲は、その、「実際の歌の内容」から転じて、「次回公演」を願う観客の、「惜別の歌」ともなりました。CDなどの録音では、1981年のパンタン公演、1987年のシャトレ劇場公演(CDのみ)のものでこれを聴くことが出来ますが、「ルフラン」の部分のみながら、その、「観客の大合唱」は、本当に、「熱がこもって」いて、とても「感動的」なものです(残念ながら、今回、「動画サイト」では、見つけることが叶いませんでした...)。

 

1981年パンタン公演では、「この部分だけ」を収めた、「シングルレコード」まで発売されました。そのタイトルは、「BARBARA ET SON PUBLIC(バルバラと、その観客たち)」となっています。そこで、観客の声援に「応える」ように歌われた、「バルバラ自身による歌」は、「フルコーラス」で収録されており(「旧全集」には「そのまま」収録)、「DVD」でももちろん「フルコーラス」でした。しかし、なぜか、「CD」では、いまだに「短縮版」での収録にしかなっておらず、これが、大変「残念」に思うところなのです。

 

「"定期的な"コンサートは、アーティストを"堕落"させるだけ」と、1990年の来日時にバルバラ自身が話していましたが、その言葉の通り、当時のバルバラは、次回のライヴまでに「数年」は間が空くことから、この曲の「大合唱」は、まさに、観客の、「悲痛な叫び」とも言えるものでした...。

 

それでは、以下に、歌詞も載せておくことにいたしましょう。

 

おかげさまで、この「特集」も、無事、「書き切る」ことが出来ました。「応援」、本当にありがとうございました。本当は、「11月中」に終了する予定ではありましたが、ちょっと「延びて」しまいました...。

 

12月からは、「冬の名曲特集」として、「シャンソン」はもちろんのこと、また、「他のジャンル」についても書いていきたいと思っています。「バルバラ」についても、あと「3曲」だけ、ここで採り上げる予定をしています。その時は、またよろしくお願いいたします。

 

それではまた...。

 

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voila combien de jours, voila combien de nuits

voila combien de temps que tu es reparti

tu m'as dit cette fois c'est le dernier voyage,

pour nos coeurs dechires c'est le dernier naufrage

au printemps tu verras, je serai de retour,

le printemps c'est joli pour se parler d'amour

nous irons voir ensemble les jardins refleuris

et deambulerons dans les rues de Paris

 

もう、何日になるでしょう どれだけの夜になるでしょう

どれだけの時が過ぎたのでしょう あなたがまた出かけてから

あなたは私に言ったわ 今度こそ「最後の旅」だって

引き裂かれた私たちの心には、「最後の難破」だって

春にはきっと、僕は帰って来る

春は、愛を語り合うにはとてもいい季節だ

2人で一緒に、花咲く庭園を見に行こう

そしてパリの街角を一緒に歩こう、と...

 

dis, quand reviendras-tu

dis, au moins le sais-tu

que tout le temps qui passe

ne se rattrape guere

que tout le temps perdu

ne se rattrape plus

 

ねえ、いつ帰って来るの

ねえ、分かっているでしょう

過ぎていく時間は

取り戻せないってことぐらい

失った時間は

もう戻っては来ないのよ

 

le printemps s'est enfui depuis longtemps deja

craquent les feuilles mortes, brulent les feux de bois

a voir Paris si beau dans cette fin d'automne

soudain je m'alanguis, je reve, je frissonne

je tangue, je chavire, et comme la rengaine

je vais, je viens, je vire, je tourne et je me traine

ton image me hante, je te parle tout bas

et j'ai le mal d'amour et j'ai le mal de toi

 

「春」は逃げ去ってしまった もうかなり以前に

「枯葉」が音を立て、たき木が燃えている

パリを見るには、この「秋の終わり」が良いでしょう

私は待ちこがれ、夢を見て、震えているの

私は揺れて、転覆して、それから「決まり歌」のように

私は行ったり来たり、向きを変えたり、這いつくばったり

あなたの面影がつきまとい、私は、小声で話しかける

私は恋に苦しみ、あなたに苦しんでいるの

 

dis, quand reviendras-tu

dis, au moins le sais-tu

que tout le temps qui passe

ne se rattrape guere

que tout lemps perdu

ne se rattrape plus

 

ねえ、いつ帰って来るの

ねえ、分かっているでしょう

過ぎていく時間は

取り戻せないってことぐらい

失った時間は

もう戻っては来ないのよ

 

j'ai beau t'aimer encore, j'ai beau t'aimer toujours

j'ai beau n'aimer que toi, j'ai beau t'aimer d'amour

si tu ne comprends pas qu'il te faut revenir

je ferai de nous deux mes plus beaux souvenirs

je reprendrai ma route, le monde m'emerveille

j'irai me rechauffer a un autre soleil

je ne suis pas de celles qui meurent de chagrin

je n'ai pas la vertu des femmes de marin

 

あなたをまだ愛していようと、いつでも愛していようと無駄なこと

あなたしか愛してなくても、愛し過ぎていようと、それも無駄

あなたが、「戻らなくてはいけない」と分からないのなら

私たち2人のことは、「最も美しい思い出」ということにしてしまうわ

私は再び自分の道を行くわ その「素晴らしい世界」へ

「別の太陽」で、体を温めに行くことにするわ

私は、悲しみのために死んだりするような女じゃない

「船乗りの女たち」のような貞節は、持ち合わせてはいないのよ

 

dis, mais, quand reviendras-tu

dis, au moins le sais-tu

que tout le temps qui passe

ne se rattrape guere

que tout lemps perdu

ne se rattrape plus...

 

ねえ、いつ帰って来るの

ねえ、分かっているでしょう

過ぎていく時間は

取り戻せないってことぐらい

失った時間は

もう戻っては来ないのよ...

 

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(daniel-b=フランス専門)