「11月24日」は、偉大な女性歌手バルバラ(1930-97, 本名モニック・セール)の「命日」となります。それも、今年は、「没後20周年」の「記念の年」に当たります。ですので、今月は、可能な限り、このバルバラの名作を紹介していきたいと思っています。

 

テーマが「バルバラ」となっている記事の一覧を貼っておきます(実際には、他のテーマでも紹介している曲が何曲かあります)。

https://ameblo.jp/daniel-b/themeentrylist-10097047678.html

 

今回ご紹介する曲は、1965年に発表された、フィリップス移籍後「2枚目」となるアルバムからの作品で、「une petite cantate "小さなカンタータ"」という名曲です。

 

このアルバムのタイトルは、単に「BARBARA No.2」という表記でしかありませんが、「トップナンバー」で、彼女を「代表」する傑作の1つ、「le mal de vivre "孤独のスケッチ"」(原題は、「生きる苦しみ」という意味です)が、事実上、「通り名」となっています。1日付けで紹介した「le soleil noir "黒い太陽"」(1968)同様、「重い」曲ではありますが、「バルバラ」を語る上では、どうしても「外せない」曲でもありますので、このシリーズの「後半」において、「必ず」紹介したいと思っています。

 

「une petite cantate "小さなカンタータ"」は、その名の通り、「2分前後」という、「愛らしい小曲」で、当時、大いにヒットした作品ですが、その「人気」は、年を経ても少しも変わることがなく、1980年代以降においても、観客が「大合唱」をするほどの「愛されぶり」となっています。

 

しかし、この曲は、ただ「愛らしい」だけではなく、曲を聴いていただければ分かる通り、「やるせない哀しみ」が感じられます。

 

そう、この曲は、実は、「亡くなった親友を悼む歌」なのです...。

 

バルバラは、1958年から64年まで、「レクリューズ座」(パリ)の「看板スター」を務めていました。この、「レクリューズ座」の「専属ピアニスト」の1人だったのが、「天使のような顔」をした(未完の「自伝」より)、「リリアンヌ・べネリ」という、女性ピアニストでした。

 

彼女は、バルバラとともに作品を作りました。「ce matin-la "今朝"」(1963)と、「ni belle ni bonne "私は美しくもなく、優しくもないけれど"」(1963-64)は、彼女の作曲です。

 

その、「1964年」の2月11日、この劇場でデビューしたのが、その日「誕生日」でもあった、あのセルジュ・ラマ(1943-)です。彼は、このステージで「大成功」を収め、「レコード・デビュー」も果たし、その後、「ボビノ座」での、ブラッサンス公演の「前座」にまで進出しました(この時の「2番手スター」が、バルバラです)。

 

1965年8月12日、南仏エクス・アン・プロヴァンス近郊で、彼の乗っていた車が、「重大」な交通事故に遭ってしまいます。彼は「奇跡的」に一命を取りとめましたが、運転手(歌手、エンリコ・マシアスの「兄弟」です)と、ラマの「婚約者」でもあった女性は亡くなってしまいました。

 

そう...その、「婚約者」こそが、リリアンヌ・べネリ(1935-65)「その人」だったのです...。

 

(このことについては、以下の記事にも書いています)

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12180563083.html(セルジュ・ラマ「7月15日5時」)

 

それでは、以下に歌詞を載せておきたいと思いますが、一方で、本日「11月6日」は、バルバラにとって、もう1つの「大切な日」でもあります。

 

1967年の「11月6日」。この日に、彼女の「母」が亡くなったのです。62歳でした。

(当時の日本では、「資料」がほとんどなかったために、「誤った情報」が、かなり「長く」、流されていました)

 

次の曲、「chanson pour une absente(le 6 novembre) "居ない女(ひと)のために(11月6日)"」(1973)は、「母」に捧げられた曲の1つですが、「モノローグ」「ハミング」「コーラス」のみで、「下書き」に近い曲です。日本発売時の解説には、「作曲の"秘密"を教えてくれる曲」(永田文夫先生)とありました。

 

また、バルバラは、「最後」となった、1996年のアルバムの「発売日」も、「11月6日」にしています。

 

「une petite cantate "小さなカンタータ"」に話を戻しますと、今回採り上げた映像では、最後のものが「スタジオ録音」で、それ以外は「ライヴ録音」ですが(4番目のものが、1987年の「シャトレ劇場」公演からです)、「残念」だったのが、私の一番の「お気に入り」である、1978年の「オランピア劇場」公演の録音が見つからなかったことです。その録音は、私が、「最初」に聴いたものでもあるのですが、「歌」もさることながら(「ベスト・パフォーマンス」です)、歌い終わった後の「後奏」が非常に「印象的」で、本当なら、「第一選択」のはずでした。本当に、「残念」です...。

 

以下の訳詞は、その、「1978年オランピア劇場ライヴ」の日本盤(アナログ)に添付されていた、鳥取絹子さんのものをもとにしていますが、一部「修正」を加えさせていただきました。

 

ところで、現在、私の先輩ブロガー「ユトリロ」さんの方でも、「バルバラ特集」を展開中です。こちらでは、さまざまなアーティストによる「バルバラ」が楽しめます。まずは、こちらの記事からどうぞ...。

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12321763865.html(「続・バルバラへのオマージュ」その1)

 

それではまた、「次回」に...。

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une petite cantate  小さなカンタータ

 

une petite cantate

du bout des doigts

obsedante et maladroite

monte vers toi

une petite cantate

que nous jouions autrefois

seule je la joue maladroite

si mi la re sol do fa

 

小さなカンタータが

指先から

憑かれたように、下手くそに

あなたの方へと流れていく

昔、私たちがよく弾いた

小さなカンタータ

(いま、)私は1人で下手に弾いている

「シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ」

 

cette petite cantate

fa sol do fa

n'etait pas si maladroite

quand c'etait toi

les notes couraient faciles

heureuses au bout de tes doigt

moi j'etais la malhabile

si mi la re sol do fa

 

この小さなカンタータ

ファ・ソ・ド・ファ

あなたが弾いたときは

こんなに下手じゃなかったわ

あなたの指先からは

幸せに、簡単に音が流れていた

私は不器用に

「シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ」

 

mais tu es partie fragile

vers l'au-dela

et je reste malhabile

fa sol de fa

je te revois souriante

assise a ce piano-la

disant "bon je joue, toi chante,

chante, chante-la pour moi"

 

でもあなたは天国へ

行ってしまったわ

私は不器用なまま

ファ・ソ・ド・ファ

あなたがそのピアノの前に座り

笑っていたのを思い出す...

「さあ、私が弾くわ。あなたは歌って

歌って、歌って、私のために...」

 

si mi la re

si mi la re

si sol do fa

si mi la re

si mi la re

si sol do fa

 

シ・ミ・ラ・レ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ソ・ド・ファ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ソ・ド・ファ

 

oh mon amie, oh ma douce

oh ma si petite a moi

mon Dieu qu'elle est difficile

cette cantate sans toi

 

ああ、私の友だち、愛しい人

大切な人...

ああ、あなたがいないと

このカンタータはなんて難しいの!!

 

une petite priere

la la la la

avec mon coeur pour la faire

et mes dix doigts

une petite priere

mais sans un signe de croix

qu'elle offense Dieu le Pere

il me le pardonnera

 

これは小さな祈り

ララララ...

心をこめて

10本の指を動かすわ

十字を切らない

小さな祈り

父なる神も

私を許してくれるはず

 

si mi la re

si mi la re

si sol do fa

si mi la re

si mi la re

si sol do fa

 

シ・ミ・ラ・レ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ソ・ド・ファ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ソ・ド・ファ

 

les anges avec leur(s) trompette(s)

la joueront, joueront pour toi

cette petite cantate

que nous jouions autrefois

les anges avec leur(s) trompette(s)

la joueront, joueront pour toi

cette petite cantate

qui monte vers toi

cette petite cantate

qui monte vers toi

 

天使たちがそのトランペットで

あなたのために演奏してくれるでしょう

昔、私たちがよく弾いた

この小さなカンタータを

天使たちがそのトランペットで

あなたのために演奏してくれるでしょう

この小さなカンタータ

あなたの方へと流れていく

この小さなカンタータ

あなたの方へと流れていく

 

si mi la re

si mi la re

si sol do fa...

 

シ・ミ・ラ・レ

シ・ミ・ラ・レ

シ・ソ・ド・ファ...

 

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(daniel-b=フランス専門)