前回に引き続き、ロック・オペラ「starmania」(1988年のリメイク版。1989年上演)を。
第3回目となる今回は、いよいよ前半も「ヤマ場」に差し掛かってきます。

前回は、人気番組「スターマニア」に出演するための「応募の手紙」を書いてきた、とマリー=ジャンヌに見せるジギィでしたが、そこにジョニーとサディアが現れて...。という場面(開始から42分ごろ)までを書いてきました。さて、次の場面は...?

あの日から3日後。「アンダーグラウンド・カフェ」で、「特ダネ」とも言える、「ブラックスター団」の独占インタビューが行われることとなりました。

「アクション!!」

クリスタルの掛け声でカメラが回ります。

ジョニー、あなたはいったい何者? どこから現われたの?
そのメイクに隠された「本当のあなた」ってどんな感じなの?
あなたの「哲学」って何? 「自然主義者」なの? 「未来派」なの?(クリスタル)

「政治」なんてどうでもいい!
新聞なんて読んじゃいねえ!(ジョニー)

ジョニーの答えにあきれるクリスタルでしたが、さらに質問をぶつけます。そして、その答えとなる歌が、「banlieue nord "北の郊外"」です(初演版では、先ほどジギィが歌っていた「un enfant de la pollution」を、ここでジョニーが歌っています)。

信仰も掟もなく、俺は生き、死にたいんだ
温かみも居場所もない、あんなところに戻って眠りたくはないんだ
出てくる前に、俺はすべてをぶっ壊してきた
俺には過去もないし、未来もない

この世界にもう未来はない
どうしたらいいんだ!!

俺には過去もないし、未来もない!!

「カット!!」

クリスタルが「カット」をかけます。
その後、2人だけの会話が始まります。

「上」から来ようと、「下」から来ようと
何か違いがあるとでも言うの?
あなたが思うよりずっと、私はあなたに似ていると思う...

俺はずっと、「天使」に出会うことを夢みてきた
俺は、「助けてくれ!」と叫びながら、この世に生まれてきたんだ...

私(俺)には「愛」が必要...。

テレビでは、続いて、次期大統領候補ゼロ・ジャンヴィエの政見放送が流れます。

新興勢力のテロリストたちを食い止めるため、過激派対策を推し進める。
仲良く暮らすことができないと言うのなら、強制的に秩序を守ってもらおう。
我々は、首都(モノポリス)に戒厳令を敷くであろう!!

ここまででも、かなり強硬な、「独裁者」的な考えの持ち主であることがわかります。その半面、

「原子力」による新しい世界を作ります。
そこでは、人間はもう自然の「奴隷」ではなくなるのです。
懐かしい過去にもさよならして(逆に「残す」の意味も。でも、ニュアンスでは「さよなら」でしょうね)、未来の冒険に生きようではありませんか。

政見放送の途中で、臨時ニュースをロジェ=ロジェが伝えます。それは、クリスタルが「ブラックスター団」に連れ去られたというものでした。しかも、カメラも一緒に。でも本当は...。

「連れ去られたんじゃない。むしろ、彼と逃げたのよ...」(マリー=ジャンヌ)

この世界にもう未来はない
すべてがうまくいかなくなっている
この太陽系では...
この宇宙に、俺たちの問いに答えてくれる人はいないのだろうか?
俺たちのこの祈りに...この祈りに...。

この曲「petite musique terrienne "地球人のささやかな音楽"」でも、「y'a plus d'avenir sur la terre」というフレーズが出てきます(「ライト・モチーフ」ですね)。
この後、ジョニーとクリスタルのデュエットがもう1曲続きます。冒頭で歌われた「モノポリス」を今度は2人で歌い、第1幕の終了となります。

ここまでで約56分(開始から)です。以下、次回に続きます。
(daniel-b=フランス専門)