ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)を特集して書いています。

今回は、意外と知られていない「隠れた名作」にスポットを当てたいと思います。

前回の「la vie ne m'apprend rien」は、彼を代表する名作で、「最高傑作」に位置付けられても「当然」の作品と言えますが、それと同じアルバム(「un autre monde」1980年発売)の中に、当時あまり「陽の目」を見なかった作品もあるのです。このアルバムから世に出た数々の大ヒット曲の陰に隠れてしまった感があるものの、翌1981年のオランピア劇場公演では、本割りの「ラスト」に選ぶなど、ダニエル本人も思い入れの深かった作品に違いない、と思われるのですが...(「再評価」の声がないわけではないのですが)。

その曲が、この「mort d'un robot "あるロボットの死"」です(詞は、才人パトリック・デュルフィが書いています)。
このアルバムで、彼はいろいろな「役」を演じていますが(ロックオペラ「starmania」の直後ですしね)、ここでは「ロボット」です。

人間のためにもう2000年以上も働いたその精巧なロボット(現在なら「ヒューマノイド」などと言った方が的確かもしれません)も、さすがにもう回路にガタがきていました。彼は今までただひたすら人間につくし、決して裏切ることはありませんでした。
「最終核戦争」に際して、あまりの悲しさに涙を流した彼は、人間たちを脱出させて、ただ1人地球に残ります。

「(...)私はよく働いた...よく働いた」

そのまま機能が停止して、彼は「終わり」を迎えたのでしょうか。日本のSFアニメをも思わせる内容に、私はすごく共感できたのですが...。

オランピアでのパフォーマンスは、「ラスト」にふさわしい堂々としたものでしたが(この日一番かも)、当時の観客の反応は「冷めた」ものでした。ダイジェスト盤では「カット」の憂き目にも遭いました。動画サイトにも見当たりません。みなさんは、この曲を聴いてどう思われますか?
(daniel-b=フランス専門)