8月26日 金曜ショー劇場『ずっとソバに』 | おだんご日和

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Dango茶屋・いちのせの徒然記

クガさんの脚本はキャラクターに説得力があります。
登場人物たちは、変な理屈をしゃべって、変な行動を起こすのですが、「こいつらは、こういう奴らなんだろうなぁ」と妙に納得させられてしまいます。
人間の生きる姿が描けているからなのでしょう。



クガさんの本領は、役者や演出家ではなく、脚本家にあると思います。



…と、偉そうに書いていますが、実は舞台を見ていません。
直前まで自分が演出した作品がかかっていたので、楽屋で道具の整理をしていたのです。
(ゲネプロを見る機会はあったのですが…ゲネに遅刻した役者さんがいたので、結局舞台の全貌を見ることはできませんでした)



それでも、楽屋でセリフと、お客さんの反応を聞いているだけで、良い作品なのは伝わってきました。



この作品のゲネプロを見て、初めて「ゆうたん」を面白いと思いました。
これまで、あまり注目していなかった役者さんだったので、こんなにやれるのかと、びっくりしました。



他の役者さんも適材適所で、特に、こんなに輝いている後藤峰彦さんを、ここ最近見ていなかったような気がします。後藤さん自身の演技はいつもどおりだったので、やはり「使い方」が良かったのだろうと思います。



様々なアクシデントに見舞われた作品だったのですが(演出家が入院するとか、役者がゲネプロに遅刻するとか…)それなのに、これだけの成功を納められたのは、金曜ショー劇場の(それともクガさんの?役者たちの?)地力によるものなのでしょう。
「演劇は事件だ」という、使い古された言葉の重みを感じました。



この日の公演が成功したからといって、同じ脚本、同じ役者を集めて、この舞台を再現しようとしても、きっと上手く行かないだろうと思います。
この成功は、やはり事件であり、そこに居合わせた事を幸せに思います。