出演者三人と個人的な面識があるので、なんだか変な気分になりました。
「おまえら、素でやってんだろ!」と言いたくなるような、変な間とか、変なセリフとかがあって、たぶんアドリブがかなり含まれていたのだと思います。
なのに、ストーリーが破綻しないんですね。
なんでだろ?(…もともとのストーリーが破綻気味だったからかな?)
ボールを投げる場面とか、本当に全員がアドリブで動いていたのだと思います。
一歩間違えば、脈絡のない場面になったはずです。
それがギリギリ成立したのは、全員が「ぎりぎりストライク」に投げたからなのではないでしょうか。
…いや、もしかすると、女子二人が、脚本演出のヘンリー西正に「ぎりぎりストライク」を投げ続けて、もてあそんだのかもしれません。
全体に流れるそこはかとないエロティックさは、そのせいなのでしょうか。
私は、今だかつて、こんなにエロティックな金曜ショー劇場を見たことがありませんでした。
ふつう、エロティックさは作品の中に閉じ込められた「作品の一部」としてしか表現できないものです。
それが当たり前です。作品って、そういうものです。
確信犯なのか、偶然の巡り合わせなのか、ヘンリーは幸運にも「作品の外へ漏れ出すエロティックさ」を描けてしまったんですね。これはスゴいことだと思います。
うーん…おそらく…偶然の巡り合わせでしょうね。
こんなに破綻したストーリーなのに、こんなに楽しめてしまうのは、舞台の神様が奇跡を起こしてくれたのだと思います。
特に、かくもとしほさんに奇跡が起こった瞬間を目撃できたのは、大変嬉しかったです。
最後に言っておくと、ヘンリー西正の作品としては、オチが雑でガッカリしました。
同じオチでも、いつものヘンリーならば、もっと丁寧に演出したはずだと思います。
(琴絵さんの顔芸がオチだなんて…)
それと、かくもとさんが本当に楽しんでいて、それも良かったです。
こんなに楽しそうな彼女の姿は、なかなか見れません。