劇のことを、芝居と呼んだり、舞台と呼んだり、演劇と呼んだりしますよね。
3つの言葉の違いは何だろうかと、ずっと考えていたのですが、
最近やっと使い分けがわかってきたような気がします。
「芝居」とは、役者さんの演技を中心に考えた時の呼び方です。
例えば、脚本のないエチュードのようなものでも「芝居」と呼んで良いわけです。
「舞台」とは、場を中心に考えた時の呼び方です。
ストーリーや芝居のない、音楽やダンス、サーカスでもお客さんが集まって「場」ができれば、
「舞台」と呼ばれるわけです。
「演劇」とは、物語や脚本を中心に考えた時の呼び方です。
脚本のないエチュードを演劇と呼んではいけませんし、
シェイクスピア演劇は「シェイクスピア」あっての「演劇」なワケです。
演劇であっても「芝居に重きを置いた演劇」や「舞台に重きを置いた演劇」があるので、
言葉の使い方がだんだんごっちゃになって、
演劇なのに「芝居」と呼んだり「舞台」と呼んだりしてしまうことがあるのでしょう。
私も時々、演劇を作らないかと声を掛けられて、
好きなものですから門外漢なのに手を出してしまうことがあります。
それで役者さんに芝居を付けられず困惑したり、舞台を構成できずに苦労したり…
それでも懲りずに手を出すのは、演劇が好きだからでしょうね。
つまり、演劇(≒脚本)を書くのが好きって事です。
願わくば、いつも演劇らしい演劇を作っていたいものです。