上映後のアンケートで一番多かったのが「ここで終るの?」「続きが見たい」という意見でした。
私もそう思います。
書いている途中にも、演出中にも続きを書きたい誘惑に駆られました。
しかし、続きを書くとするとアクションシーンを描かざるを得ません。
短い練習期間では不可能だと判断しました。
それに私には、どうしても二人の計画が成功するような気がしなかったんです。
たった二人で立ち向かって世界が変わるほど甘い話は書きたくなかった。
(協力者がいれば可能かもしれないけれど、そうなると2時間くらいの大作になってしまうのではないだろうか?)
あのエンディングの後、二人は死んでしまい、塔は崩壊するというのが私の今のところの結論です。
それは描きたくないけれど、結論から逃げるのも嫌なので、
せめてオープニングの朗読とエンディングにモーツァルトの「レクイエム」を流しました。
二人と塔に花を手向けたワケですね。
しかし、結果的には「結論」から逃げた中途半端なエンディングだったかも知れません。
アンケートは、この中途半端さがお客様に伝わった結果なのでしょうね。
「塔に住む人」は、いつかアニメーションにしたいと思っています。
その時には、今回できなかったアクションシーンをたくさん入れて、
裏テーマに関しても、もっと掘り下げるべきだと思っています。
