ちょっと疲れちゃったんだ、今日は。
私達はそう言って、早めに和室に戻った。借りていた眼鏡と帽子とお金を返して。
「べつにいいよ~、お金なんて。」
と、苦笑する真希ちゃんに微笑みながら、
「りかっちは、いいよ?まだ話してても?」
と、私が言うと、梨華は真希ちゃんと私を見比べながら少し悩んだあげく、結局、私と一緒に和室へ降りた。
矢口さんから渡された、ジップロック式の小さなビニール袋の中には、白くて、正方形の形をした小さな紙片が、一枚入っていた。大きさ的には、一辺が約1cm弱、およそ、7mm程度だと思う。画用紙みたいな厚さの紙に、成分を染み込ませた薬。
なんていうんだっけ、コレ。見た事は‥、あるんだけど‥。
壁紙の部屋を出る際、『おやすみ』と言った私達に、手を振った真希ちゃんの笑顔を思い出しながら、手のひらの小さな紙片を私はしばらくながめていた。
梨華は洗面所に向かい、そのままお風呂にも入って来るみたい。
その隙をついて、飲む。
(私、1年くらい前なんて、バレーボール部のエースだったんだよなあ。生徒会にも‥立候補するとかしないとか‥。そんな感じの生徒だったんだっけ。)
そんな事を考えながら。
飲み方は、以前バーで見た事があるので、苦労はしなかった。小さな紙切れを4つにさらに細かく折って、そのまま口の中に放り込むんだ。
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