危険なのは知っていた。矢口さんと外で会うこと。物品の受け取り場所。もしくはそこまでの道のり。
今、外に出て、あの開襟シャツの男が追って来ないとなぜ言える?
ここは安全。あの男の手はおそらく届かない。なにもかもは真希ちゃんのおかげ。真希ちゃんの懐にいれば、全ては安らかに。
「はい。なんとか大丈夫だと思います。明日、会いましょうよ、外で。」
なのに私は承諾した。


1.矢口さんならきっと、本人が直接来なくても誰か人を通して、車とお金をここまで運べる。
2.でも直接会いたい。矢口さんの顔を見て話したい。
3. ココまで来てもらうのは、忙しいのに悪い。それにG教にいるって、矢口さんにはまだ言っていない。だいたい言って良いものなのかも、よくわかってない。


そういう心理が強くはたらいたのだった。一度息をしないと、私は、ダメになってしまう。


「出来ればなるべく、人目の欺ける場所がいいです‥。お願いします。」
また我が儘。私がその時出した声は、やっぱり情けなかっただろうか。
「あー、それは勿論。」
いかにも聡明そうな相づちを、矢口さんはうってくれた。
「じゃあ、明日。ヤグチの学校が終わってから。あ、でも。ちょっと用事があるかも知れないんだ。だから‥、7時‥頃かな、カンペキなのは。じゃあ7時に『きぼうヶ丘』で。そ。駅に着いたら一度連絡ちょうだい。くれぐれも気をつけろよ。わかんないけど。」



Part59へ