「真希~、‥。ヘイ、真希~‥。んーなんか違う。じゃあ、いっその事『ごとう』でどう? ‥おい、ごとう!! ‥ごとうこら!!」
いろいろ考えては口に出して、私は模索した。真希ちゃんはその姿をずっと見守っていてくれたけれど、私は決定打を、いつまでたっても出せずにいる。


「うーん‥。でも、」
梨華も首を捻る。
「なかなか難しいよね。今まで『真希ちゃん』で、長い間慣れてたんだモン。」
でも、もともと梨華は、私に任せるつもりだった感じ。自分の案はあまり出さずに、私の事を笑って見てる。


「真希‥、ごとう‥。いや、真希‥。はたまた、ごとう‥。」
そう繰り返して呟いていた時だ。加護亜依が口を挟んで来たのは。
「じゃあ、もう、中間をとって『ごっちん』でいいですよ。はっきりいって聞いてらんないです。ボケりゃいいと思ってクソが。」
加護亜依の言葉が珍しく難解ではなかった。ダイレクトなぶん余計に説得力をもって届き、罵倒されたことすら忘れた。


とりあえず
「ごっちん‥。」
そう呟いてみる。すると真希ちゃんは笑った。
「うんうん。そのほうがちょっとしたトモダチって感じ。雰囲気出てる。イイ、イイ。」
胸のすく広い部屋の、パノラマの中央で真希ちゃんはその日『ごっちん』になり、加護亜依もその後『あいぼん』になった。
梨華は、そして人知れず呟く。
「でも。いったい何と何の中間だっていうのかしら‥。 ウフッ。」
そんなおハナシ。



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