その時。
「ジョニーにハートブレイクッッ!!」
「ばかじゃないの!?オマエ~!?」
「おぉ‥!!お帰り~。」
けたたましい音を響かせ、帰って来たのは加護ちゃんです。この、居間まで続く2重の廊下を全力で駆け抜けてきたみたいで、加護ちゃんは前髪がパラリと上へめくれてしまっています。息を切らしながら加護ちゃんが叫んだ言葉の、その意味を私達はまだ理解していないかったけれど。一生懸命な顔色とか眉毛の上がり方などが微妙に可愛いらしくて、私もつい、くすくすとつられて笑ってしまったんです。加護ちゃんの言動にまっ先に、すごい勢いで反応を返した真希ちゃんは、それからひとりだけ、一番笑っていました。
私達4人はその後、トランプをして過ごしました(トランプケースはしばらくの間すっかり放り出されていたので、『どこだっけ?』と探すのにまたひと苦労しました)。七並べ、ババ抜き、そのあたりの気軽なゲームをずいぶんやったなかで、意外に、‥って言っていいのか、加護ちゃんが、素晴らしい強さを発揮していたんです。
彼女の勝つ確率がだいたい半分を越えた頃、
「タイム。」
って、一度中断して真希ちゃんは立ち上がり、そのまま柱の電話器へとおもむろに歩き出しました。ゲームに熱中してそれまでのはしゃいでいた姿と違って、すんなり受話器を掴んだ真希ちゃんの様子がことのほか冷静だったので、加護ちゃんは慣れているのかそうでもなかったけれどひとみちゃんと私はなんだか注目してしまった。
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