この部屋はここちいい‥。人の気配がしない‥。
目を瞑っていると、頭上の方角から梨華の声が聞こえた。
「ひとみちゃん。」
「んー?」
「矢口さんに-----、電話、しようよ。」
まだ梨華も寝そべっている。おそらく仰向け。
「うん-----。」
かすかに鼻にかかった、声の調子でわかる。
「お昼だねー、ちょうど。そう思っていたトコ!」
私は意気込んで立ち上がって、よろめきながら梨華に近付いた。
学校は、お昼休みだ。
でるかなー。
さあ。
最近ぜんぜん連絡とれなかったもんね。
私はそう囁きながら、ポケットから携帯をとりだした。
瞬間!
ブルルっと携帯が振動し、着信音が流れ出した。
「誰!?」
「矢口さん‥ッ!!」
計ったようなタイミングに、私は驚いて息を呑んだ。梨華と見つめ合いながら電話を耳にあてる。
「もしもし‥?」
-----げんきー?やぐちだけど。
矢口さんの声の向こうには、がやがやした喧噪が聞こえた。懐かしい、この感じ。
学校。
「や、矢口さんは元気なんですか‥?」
-----まあ、元気だよ。
矢口さんは明るく答えた。
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