ここにいる間ほぼ毎朝私達はこうして食事を告げられたが、当番制でもあるのだろうか、呼びに来る女性は毎回違った。
彼女たちは皆一様に親切で、落ち着き払っていて、言葉少なだった。
例えばトイレがどこにあるとか、豪華な風呂や洗面所は、備品も含めて自由に使って良いとか、必要なことは懇切丁寧に教えてくれたけれども、何か特別な基準でもあるのか、意外と些細な質問がそれとなく受け流されたりした。
新都心の凡庸な高級マンションと見えるこの建物は、本部ではないがやはり教団の所有で、主には教祖の居住区と、その他に信仰者用の集会スペースがあるという。
ここにいる人々は皆出家信者で、側仕えというわけで随分高位の者たち。加護亜依は正確には信者ではなく、主にその集客性を、要するに次期資金源として素質を買われた一人らしい。
従って教団内部での地位は低いが、どう取り入ったのか(とはあくまでもその女性の言葉)真希ちゃん本人が大変加護を気に入っているため、特別近くに接する事を周囲から許されている。
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