「ん~?」とか「お~い。」とか、さながらそのいでたちにぴったりとはまったメルヘンチックな口調でガランとした踊り場をまるで蝶でも追うようにふらふらと歩き回った加護亜依だったけれど、やがてしばらくするとふいに立ち止まって
「あれ~?」
と、舌足らずな声をだす。
スカートの中に手を入れ、ポケットでもついているのか、ちらちらと見え隠れするアンダーショーツの尻のあたりをそれから探る。
「あー。ありましたよぅー。こんなところにいぃ~。」
ややはにかむようにしてピンク色の小銭入れを取り出してみせた加護亜依に、2人の警察官は口をあんぐりと開けた。
それでもにこにこしながら
「よかったなあ。」
などとばからしい言葉を加護亜依にかけて、警官達2人はにこにこしながら去っていった。
それをへらへら笑いながら見送った加護亜依は残された私たちをチラリと一度だけ見てから
「5ひゃくおくせんまんおくえんになります。」
と、ひどくでたらめな事を言った。
加護亜依に連れられデパートを脱出した私たちはすぐに車に乗せられた。私と梨華と加護亜依を乗せたワンボックスカーは夕暮れの首都をぐるぐる走り、やがて新開発地区にそびえる真新しいマンションの前で停まった。
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