私の形相に、奴等、一瞬ビビってたけど、そのうち、「んだとテメー。」とか、
ゲス野郎みたいなコトバを吐きながら、下っ端の、いかにもトロそうな女が、牛みたいに掴み掛かって来たわ。


早く帰りたい、ってのもあった。
あの日は再放送見た後、パー券とステッカー捌かなきゃいけなかったし。
でも、一番の理由はね‥。
ナメられたら終わり‥、ってトコかなぁ。


殴りかかられる瞬間さ。ちょうどそのバカ女、タバコふかしてたんだけど。その、火のついたタバコ奪って、ア然としてるタコども全員の前で、押し付けてやった。フフ。自分の腕にね。


熱かったし痛かったけど、効果はあった。奴等、あっけに取られて、私のこと、口開けて見てたわ。

その時にさ。
「腐ったミカンじゃねーコ ゙ル ァ!!!」
って、覚え立てのセリフを、ついでに言ってみたら、アイツら、完全にビビッちゃって。

「覚えてろ、ブス!」とか、低能丸出しな捨てゼリフ吐いて、クモの子みたいに散ってったわ。


次の日私は、そんなこともすっかり忘れて、いつも通り学校に行った。
昨日捌ききれなかったパー券のことで、頭がいっぱいだったの。


喋る友達なんて、もちろんいないから、誰に話し掛けることもなく、いつも通り席に着いたわ。
そこら辺までは、いつもと変わらない朝だった。でもひとつだけ、普段と違う所があったの。
教室中の皆が、クスクス、私を見ながら笑ってた。


そんなこと、いちいち気にするヤスダさん、て思ってもらっちゃ困るの。
よくわかんないけど勝手にしなさい、って、ずっと無視していたんだもの。

そのうち、クラスの中でも大人しくて羊みたいに目立たなかった子が、こっそり寄って来て、私に耳打ちしてくれた。


「ヤリマンとか尿道とか、わけわかんない噂が学校中に広まってます。」

って。その親切な、人の良さそうなメガネちゃんを、なんだかムシャクシャして、私は殴ってやったけどね。


噂の数々はやがて、先公たちの耳にも入って。私はこってり絞られた。
私がそうだって、アイツら、勝手に決めつけんのよ。


Part18へ