祖母の容体が悪くなり救急車で運ばれ入院へ。心臓の動きが悪く、肺に水が溜まり呼吸が出来ない状態に。そして入院して、一カ月後くらいに医者から「余命一週間なので覚悟して下さい。」と言われた。

 

 祖母は三味線や日本舞踊を御稽古事で習い、温泉旅行に頻繁に友人と行くくらい活発的だったが、近年はそういった活動は止めて、ひっそりと暮らしていた。

 要介護1だが、食事をした事をすぐに忘れるくらいで、他の事はまだまだ平気な状態だった。

 

 でも常時、薬を30種類くらい飲んでいた。心臓の薬やら色々と。

 

 最近は具合が悪くなると、俺が車で病院に送り迎えする事も増えていた。そんな中で突然の余命宣告が来た。

 

 面会に何度も行っている。その時の祖母の口癖は「長生きはするもんじゃない。みんなに迷惑をかけてばかり。ごめんね。」だった。「いいや、迷惑なんてかけてないよ。」と否定をした。

 俺も出来の良い孫ではなかったから、細やかな孝行というか恩返しをしているつもりだった。

 

 余命宣告後の面会の時に、涙を浮かべる祖母と握手をした。想いを込めて握手をした。お互いの想いは伝わった。

 

 俺の心の中は泣いていた。そして「ありがとう」と言った。心を込めて。

 

 それから数日後に医者から電話があり「状態が少し良くなってきたから余命一週間状態は脱した。」と連絡があった。

 

 奇跡が起こったのだろうか?あの握手で何かほんの少しでも運命が変わったのだろうか?

 

 やはり何事も最後まで諦めない事は大切だ。そして生きているうちに後悔が無いように想いは伝えるべきだと思う。

 

 俺は嬉しかった。そして「ダンディーン」を高らかに歌うのであった。究極のダンディズムへの道には、まだまだ多くの悲しみや苦しみを乗り越えなければならない。この道は遠く果てしないゴールが見えない道である。でも歩いていく。ダンディーに。