・昔の女性は毎日洗髪など出来なかったが長く美しい髪を保っていた。
・犬猫などは毎日洗髪などしなくとも禿げたりしない
これらは全くの誤解です。
誤解どころか、今ではこんなことを育毛業者までもが言っていますから、それは無責任の極
み、不誠実の極みでしかありません。
『枕草子』や『源氏物語』などを読まれた方であればご存知かと思いますが、昔の女性はろくに
洗髪できない状況下で髪を伸ばさざるを得なかったので、多くの女性が若くして薄毛や禿げに悩
まされていました。
紫式部なども、二十代にして髪の悩みを抱えていたのは有名な話です。 昔の書物に創作の部分も
含まれているのは確かですが、だからといって若い女性が「抜毛」の悩みなど創作するはずがあ
りません。
昔の女性が普通に抜毛・薄毛に悩んでいたからこそ、当たり前にそういった記述が出てきている
のです。
それを、絵巻物だけを見て「昔の女性は・・・」と思い込むのはあまりにも乱暴です。
また動物に関してですが、そもそも犬猫には汗腺というものが肉球部分以外にはありません。
「汗」をかかないのです。そのため皮膚の汚れ方が人間とはまったく違いますし、同一面積
あたりの体毛の量なども全然違いますので、比較自体が 意味を持ちません。
こういう説明をしても納得されない方もいるかと思います。
納得されない方々の言い分は、
「そんなことを言っても、私は実際にその方法で髪が生えきましたよ」
とおっしゃるでしょう。
おっしゃるとおり、そういった方法で髪が生えてきた方もいてもおかしくありません。
しかし、その原因は三日に一度の洗髪のせいではありません。育毛剤のおかげでもありません。
不潔にしていて、頭皮に悪い状態であっても髪が生えた理由は、単に市販のシャンプーを使わな
くなったせいです。
猛毒である成分が含まれている市販のシャンプーを使わないというだけで、三日に一度の洗髪と
いう悪条件下でも、中には髪が生える人が出るくらいに頭皮は楽になった、という事です。
しかし、正しい洗髪剤を選ぶだけで、さらに髪は増えます。しかも毎日清潔に気持ちよく 生活も
出来て、周りの女性たちに嫌われる事だってありません。
シャンプーの成分の大半は、「水」と「油」です。
本来は交じり合わないはずのこの二つを混ぜ合わせるために、シャンプーには必ず「界面活性
剤」というものが配合されています。
最近は「界面活性剤」という言葉も随分と知られるようになりましたが、大半の場合は無条件に
悪者にされています。これは、一部のメーカーさんが自社製品のための販売戦略として、意図的
にそういったイメージを広めている気がします。ウソはついていないけれど事実をすべては伝え
ていない、消費者が自社に有利な誤解をするようある特定の角度からのみ事実を語る、そんなメ
ーカーも存在しています。(やや歯切れの悪い表現ですが、諸般の事情により明言できない部分
がある事を察して下さい)
さて、「界面活性剤」と一口に言っても、「合成」のものと、「天然」のものとが存在していま
す。
「天然界面活性剤」というのはその名の通り、自然界に初めからそのままの状態で存在してい
るもので、なおかつ界面活性剤の働きをもつものです。
これに対して、人が日常的に使用する、非常に身近な製品の多くに配合されているものであり
ながら、「合成界面活性剤」に関しては驚くほど正しい情報が伝わっていません。その複雑さが
原因の一つなのかもしれません。
まず、界面活性剤と一口に言っても、それを表す名称は以下に示す通り膨大です。
・天然界面活性剤
・天然系界面活性剤
・植物系界面活性剤
・植物由来界面活性剤
・動物系界面活性剤
・動物由来界面活性剤
・合成界面活性剤
・半合成界面活性剤
・アニオン界面活性剤
・カチオン界面活性剤
・両性界面活性剤
・ノニオン界面活性剤
・陰イオン系界面活性剤
・陽イオン系界面活性剤
・非イオン系界面活性剤
・両性イオン系界面活性剤
・エステル型界面活性剤
・エーテル型界面活性剤
・エステル・エーテル型界面活性剤
・殺菌性天然界面活性剤
・脂肪酸系天然界面活性剤
・アミノ酸系天然界面活性剤
・乳化剤
・分散剤
・洗浄基剤
もちろん上に示したのは一部です。同義のものもありますし、業者間で出来上がった造語もあり
ます。
さて、天然の界面活性剤(「天然系」ではなくあくまで「天然」です)と言えばよく知られた
「レシチン」「サポニン」「ガゼイン」などがあります。
それに対して、「合成界面活性剤」とは一体どういったものなのでしょう?
説明の前に、まずこれだけはご理解下さい。
『合成界面活性剤にも安全なものは充分存在している』
と言うことです。
念のためもう一度繰り返しておきます。
『合成界面活性剤の、すべてが危険なわけではありません』
「合成」という言葉の定義は辞書でも引いていただければお分かりの通り、「複数のものをあ
わせて一つのものにする」ということです。
例えば、アミノ酸系界面活性剤と呼ばれるものの中に「ヤシ脂肪酸アルギニン」というものが
存在しています。これは、天然のヤシから取られた『ヤシ油脂肪酸』とアミノ酸のなかの塩基性
アミノ酸と呼ばれる『アルギニン』を中和して出来るものです。
「化学合成」ばかりが「合成」ではありません。「中和」もまた合成です。
しかし、この成分を配合している商品を、
「当社の製品には合成界面活性剤を配合しております!」
と売っているところを私は知りません。
理由は簡単です。「合成界面活性剤」という言葉ばかりが独り歩きしてしまい、「合成=
悪!」という図式がしっかりと出来上がってしまっているからです。
これは、他社との差別化を図るために「うちの製品には体に悪いものは使っていない」という
意味で、石油系も植物系も、化学合成系も中和系も一括りにして、一方的に「合成界面活性剤」
を悪者にし続けた業界の責任もあるかと思っています。
ではまた次回
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