僕を映画入門に導いた「太陽がいっぱい」(Plein soleil)を観てから60年以上過ぎた。以来沢山の映画(DVD含め)を観てきたが、特にアラン・ドロン出演の映画・DVD版は好んで観た。今回は彼とシモーヌ・シニョレが主演した「帰らざる夜明け」を紹介したい。

 

アラン・ドロンは1935年生まれだから、撮影当時は35~36歳の男盛り。彼についての説明は不要であろう。

シモーヌ・シニョレは既に亡くなっているが、最初に観た映画(TV)は「悪魔のような女」で、その演技に魅了された。以来観た作品は「影の軍隊」「パリは燃えているか」「嘆きのテレーズ」などしか思い出さないが、大女優であることは間違いない。イヴ・モンタンと結婚して死ぬまで添い遂げた。

 

 

監督:ピエール・グラニエ=ドフェール

出演:アラン・ドロン  シモーヌ・シニョレ  オッタビア・ピッコロ

製作年:1971年 (フランス・89分)

 

あらすじ

 

物語は運河と跳ね橋があるフランスの田舎町が舞台である。

通りすがりの男ジャン(アラン・ドロン)は、バスの荷台から孵卵器を降ろしているクーデルク(シモーヌ・シニョレ)の手助けをしたことで、彼女の家で働くことになる。

彼女は亡夫の父親アンリと住んでいて、身の上話を聞かされる。「親子に犯された」と驚くような告白。

跳ね橋を挟んで仲の悪い亡夫の妹夫婦が住んでいて、父親アンリを丸め込みクーデルクの農地を自分たちのものにしようと企んでいた。クーデルクと妹との喧嘩に駆けつけるジャン。

若いジャンに嫉妬してクーデルクを責めるアンリ老人。

妹夫婦にはフェリシーという16歳の少し知的障害のある娘がいて、父親不明の赤ん坊まである彼女はジャンに興味を持ち始めた。

ジャンは自分が殺人犯で脱獄して追われていることを告白したが、クーデルクとの間には、男と女の微妙な気持ちが流れ始めていた。妹夫婦との諍いも気になり・・・。

ジャンに興味を抱くフェリシーを追い払うクーデルク。

だが、ジャンは若さに惹かれ、抑えきれずフェリシーを抱く。

その夜、クーデルクは新しいネグリジェを着て待っていたのだが・・・ 、翌朝クーデルクはジャンに出ていくように言う。しかし彼は孵卵器を動くようにして去ろうと考えた。

「フェリシーのどこが良いの」と問われ「若さ」と答えるジャン。そのあとこの言葉が・・・。

この画像ではシニョレの名演技を表せていないが、映像では中年女の寂しさ哀しさが出ていたので、敢えて貼り付けた。

以降(2)へ。