yちゃんから次の職場を紹介され、
学部長にご挨拶に行ったのが5月下旬頃。
学部長は「すぐにでも来てほしい」とおっしゃっていたが、何しろ自分含めて8割以上おばさん教員のこの世界。
転職の守秘義務は守られない事を知っていた(具体的には、電話をして事情聴取する。今の職場などは、学科長が廊下で人事情報を立ち話をしている)。
挨拶後もしばらく申請書類を出さずに、
気がついたら1ヶ月以上過ぎていた。
yちゃんを飛び越えて、
学部長から申請書類を出して欲しいとメールがきた。
すぐに提出しなかったのは、母や旧友が転職を繰り返すことに対して反対していた事が大きかった。
HP上では締め切り迄はひと月以上猶予があった事や、昔一緒に働いた教員から経営が芳しくないと情報も入っていた。
昨今、少子化であり、国公立やブランド大学を除けばどこも経営が厳しくなっているので仕方ないという気持ちもあり学部長からの催促後に慌てて郵送した。
それからひと月くらいは何も連絡がなかったが、携帯に知らない番号の着信が2度入っていた。
翌朝メールが入った。
不思議なのは、事務方や管理職からではなく、私が希望している領域の現任教員からで電話でお伝えしたいと書かれていた。
電話可能時間帯について返信した。
夕方電話が入り、大変丁寧な自己紹介をされた。
この教員は後任が決定せずに、定年を延長しているのだった。
面接の予定日について打診され返答した。
また翌日に電話がかかってきて日程を伝えられた。
言葉遣いは、びっくりするほど丁寧だが、行動が丁寧ではないと感じていた。
定年延長している教員は管理職でもないようだが、私の応募に対する人事委員長だそうだ。
面接を1週間前に控えたある日、
火星大学で仲良くしていた医療系M先生から何度も電話が入っていた。
M先生は元々お嬢様育ちで根はまっすぐな方だけれど高齢でもあり少々物忘れがある、感情の起伏が激しい時があり最近避けていた。
この時は、しつこく電話が入るので電話に出てしまった。
するとM先生は、
「ねえ!最近、次の職場の書類出した?」
「え‼」
「うん、異動が多いのと、退職月が3月じゃないこと聞かれたから良いコメントを出したよ。」
「え、先方から催促されて出したのに。」
私は衝撃を受けた。