T先生が居なくなった後も、

私はアパートに住み続けている。

彼女の事だから、とっとと転居して、

次の職場を見つけて働いているだろう。


粘着気質な私のほうは未練があって、

頭の中では、事あるごとに、

彼女が思い出される。

職場では困らされる事ばかりだったけれどプライベートでは助けられていたからだ。


昨日、ふっと気がついた。

小6の時の親友のこと。

彼女と一緒に居ると、傷ついた心が癒やされた。ともに家族の悩みを抱えていて共鳴したのだと思う。

2人で居ると元気になり変な勇気が出て、やんちゃもたくさんした。


ある時、些細なきっかけで喧嘩をした。

心の中で、

「Iちゃんなんて学校に来なければいい」と思った。

すると翌日から、Iちゃんは、

本当に学校に来なくなった。

翌日も、その翌日も、翌々日も。


彼女の家族は、夜逃げしたのだ。

私は彼女が居なくなり淋しくて仕方なかったが、今の今まで、会えて居ない。

思い出せばあの後から、はっきりと鬱の症状を自覚した様にも思う。