高齢者世帯の平均的な支出額は約21万円
老後とは、いわずもがなですが「老いた後」と書きます。成年・中年期を20歳から60歳としたとすると40年。その後の人生を老後と考えると、80歳まで生きたとして20年、90歳まで生きたら30年。こう考えていくと、一生涯のうち老後と呼ばれるステージはかなり長い年月になります。
2013年の総務省統計局による調査によると、世帯主が60歳以上で無職の高齢者世帯の消費支出の統計は、約21万円でした。
それに対して、高齢者無職世帯の実収入は、約18万円。無職とありますから、収入の大半は公的年金などの社会保障給付金ということになるのですが、結論から言えば、ほとんどの世帯で毎月が赤字状態です。
もちろん平均値なので、収支が黒字でおさまっている世帯もあるとは思いますが、その逆で、もっと赤字になっている世帯もあるということになります。
単身の高齢者世帯では約14万円の支出に
2013年の総務省統計局による調査によると、60歳以上の単身無職世帯、つまり、一人暮らしの高齢者の方々の消費支出の統計は約14万4000円でした。
それに対して、高齢者単身無職世帯の実収入は約12万3000円。こちらも高齢者無職世帯同様、収入の大半は公的年金などの社会保障給付金という事になるのですが、平均値で見てみるとやはり、毎月赤字状態です
老後難民にならない資産運用
年金生活に入る直前のライフスタイルを改めて考えよう
老後の生活では多くの方が無職となります。自然と収入は公的年金給付頼みの生活となるもの。このような中で、身体も若い頃のようにはうまく動かなくなり、次第に自力での生活は難しくなっていくでしょう。
「老後の生活は、現役で働いていたころの半分の生活費となる」と考えている方や、「老後は子育ても終了しているわけだし、生活費自体が減る」と思われている方が大半という調査結果も出ているほどです。
しかし現実は、「収入が減る=生活費を半分に」とできるわけではなさそう。子育てが終わっても、今度は自分たちの介護費用や医療費が上乗せされていくのが現状のようです。
<夫の年齢階級別・世帯支出の平均額(夫婦世帯)>
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全体の平均(万円) |
うち、世帯として厚生・共生年金を得ている世帯(万円) |
60歳以上65歳未満 |
29.9 |
29.9 |
65歳以上70歳未満 |
29.5 |
29.6 |
70歳以上75歳未満 |
28.3 |
28.3 |
75歳以上80歳未満 |
26.6 |
27.1 |
80歳以上85歳未満 |
27.5 |
28.0 |
85歳以上90歳未満 |
28.8 |
29.1 |
90歳以上 |
25.8 |
26.6 |
平均 |
28.3 |
28.5 |
出典:厚生労働省「老齢年金受給者実態調査」(2011年)
この支出額をご覧になって、現役で働いていたときと支出に大差ないというご家庭も多いのではないでしょうか? 老後のイメージと現実のギャップが、金銭的に苦しい老後を送ることに繋がっていきます。
少々刺激的なフレーズですが、昨今ではそういった老後に経済的な問題を抱える人たちは「老後難民」と呼んでいます。老後なんてまだまだ先!働いたお金は使わなきゃ入ってこない!なんて豪快すぎる使い方をしていると、老後難民まっしぐらかもしれません。
老後難民にならないためのポイントは「若い頃から贅沢をしない」
これは基本中の基本ですが、若い頃から車やレジャーなどで贅沢をしないこと。たまの息抜きは必要ですが、贅沢が日常になってしまうといざ老後が近づいてきてもその癖が抜けず、金銭的な悩みへと直結することに。人間は一度上げた生活レベルを下げるのは想像以上のストレスを感じるそうです。
その解決策として、こちらも言うまでもなく基本ですが、老後のために毎月コツコツと貯金をしていきましょう。老後なんてまだまだ先…と考えず貯金をしていくと、経済観念もしっかりしてくるので、無駄な浪費も避けられそうですね。お金を増やそうとして、資産運用なんて大げさなものをする必要はありません。毎月老後のためにコツコツと貯蓄することを心がけましょう。
これは、要介護者にではなく介護している世代それよりもっと若い世代の方に言えることです。
みなさん!必ず高齢者といわれる年齢がきます。「老後難民」と言われないように預貯金をしておきましょう。
介護専門カウンセリング 岩間 こずえ
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