政府は、国民のためにあるのか、企業のためにあるのか?
正しい答えは、国民のためですよね。
とはいえ企業で働く人も国民ですし、多くの国民は労働者でもあるわけですから、上のような問いかけは意味がないようにも思えます。
しかし政府にとって、労働者個人にはほとんど利権が絡みませんが、企業活動には利権が絡むことが多くあります。
今回の国立競技場のとんでもない予算執行をみて、政府とは国民の味方のフリをしながら企業側から甘い汁を吸おうとするものであるという正体がバレたのではないでしょうか。
そして最近議論になるTPP交渉、特に農産物の分野では本来多くの消費者が恩恵を受けられる仕組みのはずなんですが、この観点からはあまり議論されてこなかったのが気になります。
決裂したTPP、次に大筋合意したら起きること
東洋経済オンライン 8月17日(月)
結局、内向きの議論で終わってしまうのか──。
大筋合意を目指して7月末に開催された、TPP(環太平洋経済連携協定)の閣僚会合は物別れに終わった。
関税の撤廃など自由貿易に関しては、150カ国超が加盟するWTO(世界貿易機関)が、グローバルなルール作りを目指してきたものの、まとまらず。
代わりに少数国間でFTA(自由貿易協定)を結ぶ傾向が強まっていた。
TPPは2006年に発効した、シンガポール、ニュージーランドなど、4カ国の「P4協定」が原型だ。2010年から米国、豪州などが加わり、TPPへと発展。
日本は2013年7月、最後発の12カ国目として、交渉に参加した。
いわばTPPとは、参加国のGDP(国内総生産)が世界の4割弱を占める、メガFTAである。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立、アジアで主導権を握ろうとする中国を牽制する意味でも、合意が期待されていた。
5年間を超える交渉の末、最後になるはずだった会合がなぜ、決裂したのか。
「某国はいろいろ過大な要求をしてくる」。
甘利明TPP担当相の批判の矛先はニュージーランド(NZ)に向かった。
同国のティム・グローサー貿易担当相との交渉で、「本当にまとめる気があるのか」と甘利氏が声を荒らげる場面もあったとされる。
■ 誤算だったNZの先鋭化
NZの狙いは何より、日本や米国への「乳製品」の輸出拡大だ。国内市場が小さいNZは、牛乳生産の95%を乳製品として世界に輸出。
酪農が国を支え、TPPで得られるメリットも乳製品輸出にほぼ限られることから、要求が先鋭化した。
日本もある程度の輸入枠を設定する方針だったが、NZの要求はそれを大きく上回るものだった。
対する日本は、酪農家を保護するために、乳製品、特にバターには、従価税換算で360%の高い関税をかけている。
輸入も国が制限し、最近ではバター不足が問題化するなど、改善すべき点は多い。
反面、「バターの輸入品価格は国産の3分の1。コメや肉と比べ品質による差別化も難しい」(本間正義・東京大学教授)と、NZの要求を丸のみするわけにいかない事情もあった。
米国やカナダもNZ案を拒否。
これがもう一つ難航していた、「新薬」のデータ保護期間をめぐる対立にも波及したのである。
製薬メーカーの強い米国が12年間を要求したのに対し、ジェネリック(後発医薬品)活用で医療費を安く抑えたいNZやマレーシアは5年間を主張。
日本は妥協点として8年間を提案し、一時は双方に歩み寄りの機運も生まれていた。
が、NZは「乳製品の要求が通らないなら新薬で譲歩しない」と強硬姿勢を崩さず、合意は絶望的となった。
会見で記者から交渉離脱の可能性を問われると、グローサー氏は「NZはTPP交渉を始めた最初の国の一つ。われわれは交渉から離脱しないし、追い出されもしない」と気色ばみ、TPPの前身であるP4協定からのメンバーであるプライドをのぞかせた。
今後は8月末から9月以降の会合開催が水面下で調整される。
実施されれば、これが最後の会合となろう。
2016年11月に大統領選挙を控える米国では年明け2月から予備選挙が始まり、超党派での協力が難しい。
米国内でTPPの承認手続きにかかる期間を考慮すると、今秋に大筋合意できなければ、米国で新政権が本格稼働する2年後まで、TPPは宙に浮くとみられる。
■ 保護政策なら衰退へ
ただ7月末の会合では、多くの分野で進展もあった。
甘利氏は、「もう一度会合が開かれればすべて決着する」と、願望も込めてコメントしている。
たとえば12カ国共通のルール作りでは、一定額以上の「政府の物品調達」や「公共工事」の国際入札を義務づけ、海外企業を公平に扱うこととした。
新興国のインフラ投資案件では、日本企業の受注する機会が増えることも期待されている。
TPP参加国のGDPの約8割を占める日米の間でも、難航していたいくつかの品目では、合意のメドが立っていた。
日本が攻める立場の「自動車部品」の関税2.5%では、即時撤廃を求める日本と、時間をかけたい米国とで隔たりはあったが、撤廃する方向では一致している。
片や日本が守る立場の農産品では対応が分かれた。
牛肉と豚肉では、早くから関税の引き下げ率などで、日米が大筋合意。
一方で、日本が“聖域”と位置づけているコメに関しては、様相が異なる。
「コメ」にかかる関税は現在、1キログラム当たり341円。
TPPでは現行の関税を維持するのが前提で、その代償として、日本は無関税で輸入する「TPP特別枠」の設定を受け入れる方針だ。
その量をめぐり、調整が続いている。
過去に日本は、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉における合意を受け、1995年から毎年一定量のコメを(2000年から77万トン)、ミニマム・アクセス(MA)米として、義務的に輸入してきた。
MA米の多くは国内農家に影響を及ぼさないよう、家畜の飼料や国際援助に回される。
その結果、売買差損や在庫の保管料で、累計2700億円の財政負担が発生。
今回の特別枠は、このMA米に加え、さらに輸入を増やすものだ。
さまざまな保護政策にもかかわらず、全農産物の産出額に占めるコメのシェアは20%程度と、低下が著しい。
特別枠の量がどの程度で決着するにせよ、競争力の衰退を止められず、さらなる財政負担の拡大を招く関税維持には、疑問が残る。
他方、米国産の「牛肉」は現行の38.5%の関税が、約15年間で9%に引き下げられる公算だ。
キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏は「国産牛肉は競争力があり、ダメージはない」と見る。
■ 競争力をつけた和牛
それを裏付けるのは、これまでの実績である。
輸入牛肉の関税は1991年時の70%から2000年にかけて、38.5%まで段階的に引き下げられた。
この間、高級な和牛の生産量は、実は増加した。
というのも畜産業者は、小売価格で輸入牛肉と約3倍の差がある、和牛生産に注力。
低価格の国産牛肉(乳牛種のオスなど)の生産は減ったが、高価格の和牛の生産は、1991年の14.3万トンから、2014年に16.1万トンまで伸びた。
関税の引き下げが競争力を高めた好例といえるだろう。
輸入牛肉の取扱量の多い国内の外食業界でも、TPP妥結を求める声が相次ぐ。
「TPPについて一つだけ言えるのは、悪いニュースではないということ」(日本マクドナルドHDのサラ・L・カサノバ社長)。
「食材コスト抑制につながることは歓迎したい」(吉野家HDの河村泰貴社長)。
輸入牛肉の場合、現地相場や為替も含めた複合要因で価格が決まる。
関税引き下げがメニュー価格引き下げに直結するわけではないものの、消費者が恩恵を受ける可能性は高まりそうだ。
また「豚肉」に関しては、現状、価格帯によってかけられる関税が異なるという、複雑な制度が採用されている。
1キログラム当たり524円を超える高い豚肉の関税は4.3%だが、安い豚肉には最大で482円の関税がかかる(価格によって関税額も変動)。
これは日本に安い豚肉が入ってこないための制度。
しかし今回のTPP交渉では、安い豚肉にかかる関税について、約10年間で482円から50円に引き下げる方向でほぼ合意した。
実現すれば、安い輸入豚肉の主要顧客であるハム・ソーセージメーカーは、原料価格を抑制できる。
コメなど一部例外を除き、TPPの交渉妥結で、日本の消費者が享受できる恩恵は大きい。
従来どおりの産業界保護で終わるのでなく、各国には“生みの苦しみ”を乗り越える努力が求められよう。
(「週刊東洋経済」2015年8月22日号<17日発売>「核心リポート01」を転載)
TPPについては、従来から国内産業保護の観点からのみ議論されていたように思います。
もちろん、生産者保護も大事ですが、一方で多くの日本の消費者へのメリットが語られなさ過ぎます。
安くて安全な食品が買えるのなら、消費者にとってはありがたいことです。
また、国内食料自給率(39%)の観点からも問題提起されていますが、世界的な異常気象が続く中、食糧購入先を日本のみでなく世界各地から確保するということも安定的な供給にとってはプラスの面もあるはずです。
さらに今までの日本の農業は選挙の大票田を武器に過保護的な扱いを享受し、自らの効率化やサービス向上をサボってきたフシがあります。
このままでは世界との競争に遅れをとるばかりか、国内の消費者にとっても否応なく高いものを買わされるという点からも両者にとって不幸なことです。
とはいえ、世界市場を一挙に開放してしまうのも乱暴ですので、10年くらいを目処に段階的な輸入枠の拡大を進めていき、この10年の間に国内の農業の改革を断固進めるという両面作戦が有効です。
こうした将来のビジョンを据えてTPP交渉をながめてみると、政府交渉は、国内産業への効率化への援助やプランをあまり語っていないように思います。
農家にとってみれば国内農家を保護するといいながら、現状のようになし崩し的に市場を開放するのでは二枚舌といわれても仕方がありません。
今すぐ「10年間で国内農業の効率化を国家プロジェクトで推進する」という大きな目標を掲げて、生産者と共に知恵を出すべきです。
10年というのは、10年一昔といわれるように長いようで意外に短いですよ。
そして、この記事からも食料自給率を上げるべきだという論調がなされていますが・・
日本は、実は莫大な量の水を輸入している
「バーチャルウォーター」を知っていますか
日本GE『GE Reports Japan』編集部
2015年08月01日
毎年8月1日は「水の日」。
これは1977年に閣議決定されましたが、昨年になって水循環基本法で法定化されました。
8月1日からの1週間を通じて、水資源の重要性について考える各種のイベントが国土交通省や各都道府県などの主催で行われます。
そこで、この機会に日本の「水資源」について考えましょう。
言うまでもなく、日本は四方を海に囲まれる島国です。
国土の大半を森林が占めており、数々の美しい河川が流れていています。
大きな湖もたくさんあります。
そんな日本は水を完全に自給自足していると考えがちです。
しかし、実は大量の水を輸入しています。
どういうことなのでしょうか。
それは日本の食料自給率が低いことが影響しています。
農林水産省によればカロリーベースでの日本の食料自給率はわずか39%。
つまり61%の食料を輸入に頼っています。
しかも、国内の農業就業人口がこの20年で約45%も減少しているだけでなく、農業就業者の平均年齢は66.2歳(2013年)と高齢化が進んでいます。
国としてさまざまな対策を講じてはいるものの、食料の多くを輸入に頼らざるを得ない状況は、これからも長く続くことが想像できます。
焼肉、ステーキ、とんかつ……皆さんの食卓に輸入された肉が並ぶことは、少なくないでしょう。
たとえばある日の夕食で、200グラムのビーフステーキを食べたことを思い出してみてください。
肉牛1頭が育つまでにどれだけの飼料を食べるのかを考えると、その飼料栽培に必要な灌漑用水のことが頭に浮かびます。
1食分、200グラムのビーフステーキを食すためには3200リットルもの灌漑用水が必要なのです。
こうしてみると、食料の輸入は「形を変えた水の輸入」とも考えることができます。
そして食料のみならずTシャツなどの衣料や工業製品でも同様に水の仮想貿易が行われています。
「バーチャルウォーター」と呼ばれるこの概念はロンドン大学の名誉教授、アンソニー・アラン氏が紹介したもので、各国の貿易を考えるうえで重要な視点を与えています。
降雨不足や干ばつ被害も深刻ではなく、島国ゆえに水紛争とも無縁で過ごしてきた日本。
しかし、安穏とはしていられません。
世界の総人口は新興国の経済発展とともに急激な増加を続けています。
現時点では約70億人とされる世界の総人口は、2050年には90億人を超えるという推計もあり、「水の奪い合い」が生じれば、見えない「水」ももっと高価なものになるでしょう。
水の持っている高い価値を考えると、食料自給率を高めるのはもちろんのこと、工業用水の再利用などによって水消費量を削減していく努力も必要です。
これらの問題を見据え、多くの企業が、水の再利用や効率利用を可能にする水処理ソリューションを提供しています。
海水を淡水に変えたり、石油精製や重工業で生じる工業排水を上水に変えるソリューションを通じて、世界の水消費を最小限に抑えることは重要です。
中には「水は21世紀の石油」と語る方も少なくありません。
日本に住む私たちも、こうした緊迫度をもって「水」について考え始めるべき時を迎えています。
この記事の問題提起は正しいのですが、結論は必ずしも1つではありません。
世界で水不足が起きているのは事実ですが、現在の日本で慢性的な水不足が起きているわけではありません。
記事の論旨は、日本の食料自給率を上げることで、海外からの輸入量を減らし世界で不足しているバーチャルウオーターの消費量を抑えることができる、ということですが、根本的な発想の転換をすべきなのではないでしょうか?
日本の技術力は既に海水を淡水に変えたり、汚水を飲み水に変えるというところまで技術革新が進んでいます。
こうした先進技術を発展途上国や多くの水を消費している国に対して政府経由で技術供与を行い、世界の慢性的な水不足を補うという、より積極的な関わりが必要なのではないでしょうか?
やみくもに国内自給率を上げればよしとする結論は、単なる自己(自国)満足に過ぎません。
こうした様々なロジックを使いながら、自給率確保⇒国内産業保護という便法に使われている気がするのは、私の思い過ごしでしょうか?
官僚が国内産業保護に強くこだわるのは、そこには規制を通じて予算の裁量や天下りという利権(うまみ)があるからで、決して多くの日本の消費者のためではないということです。
こうした視点をもてば、政府がなぜ消費者に一番メリットがあること(輸入規制緩和)をやってこなかったのかが、よ~くわかりますね。
国内産業保護も自給率確保もある程度は必要ですが、絶対的な正義としていつまでも念仏のように唱えられるのも困りものです。
要は、政策の受益者として企業側一辺倒ではなく、国民側(消費者)に軸足を移しながら、うまくバランスを取ることが求められているのではないでしょうか。
最後は、すばらしい日本の技術に関してです。
1日にレタス3万個製造、完全自動化の工場建設へ 京都
朝日新聞デジタル 8月17日(月)7
野菜工場事業を展開する「スプレッド」(本社・京都市下京区)が、栽培を完全自動化したレタス製造工場を、けいはんな学研都市内の京都府木津川市木津川台9丁目に建設することを決めた。
2017年夏ごろから出荷を開始し、生産規模は1日あたり3万個、年間売り上げは約10億円を見込む。
同社は同府亀岡市に世界最大級をうたうレタス製造工場があり、日産2万1千個。
新工場はこれを上回る規模となり、年間の生産量は1090万個におよぶ。
約1ヘクタールの敷地のうち約4400平方メートルに工場や研究開発・実験室を建設し、総投資額は約16億~20億円。
新工場では、レタスの栽培に専用のLED照明や独自の空調システムを採用する。
これによって、1個あたりのエネルギーコストを亀岡プラントに比べ30%削減。
育苗から収穫までの栽培工程を自動化することで、人件費も50%削減できるという。
また、工場内で栽培に使う水の98%をリサイクル可能にする。
来年春ごろに着工する予定で、雇用人数は検討中。
同社は現在、亀岡プラントで生産された4種類のレタスを「ベジタス」ブランドとして、首都圏や関西のスーパー約2千店に出荷している。(伊藤誠)
既に農業は、農家だけのものではなくなってきています。
従来の農家がすべきこと、異業種が参入すべきこと、という農産物の棲み分けにこそ日本の農業の未来があるような気がします。
では、8-18生まれの有名人です。
767年最澄(傳教大師)(僧,日本天台宗の開祖)、1864年伊藤左千夫(歌人,小説家『野菊の墓』)、1906年マルセル・カルネ (仏:映画監督『天井桟敷の人々』)、1927年城山三郎(小説家『総会屋錦城』『落日燃ゆ』)、1930年國弘正雄(通訳者,参議院議員)、1933年ロマン・ポランスキー (仏:映画監督『ローズマリーの赤ちゃん』)、1936年ロバート・レッドフォード (米:俳優)、1949年森安秀光(将棋棋士)、1952年パトリック・スウェイジ (米:俳優)、1965年堀江しのぶ(女優,タレント)、1972年中居正広(歌手,俳優(SMAP))。
おめでとう!
彼女のPVはよくできた作品が多いのは、よいクリエーターに恵まれているからですね。
Katy Perry - Roar
正しい答えは、国民のためですよね。
とはいえ企業で働く人も国民ですし、多くの国民は労働者でもあるわけですから、上のような問いかけは意味がないようにも思えます。
しかし政府にとって、労働者個人にはほとんど利権が絡みませんが、企業活動には利権が絡むことが多くあります。
今回の国立競技場のとんでもない予算執行をみて、政府とは国民の味方のフリをしながら企業側から甘い汁を吸おうとするものであるという正体がバレたのではないでしょうか。
そして最近議論になるTPP交渉、特に農産物の分野では本来多くの消費者が恩恵を受けられる仕組みのはずなんですが、この観点からはあまり議論されてこなかったのが気になります。
決裂したTPP、次に大筋合意したら起きること
東洋経済オンライン 8月17日(月)
結局、内向きの議論で終わってしまうのか──。
大筋合意を目指して7月末に開催された、TPP(環太平洋経済連携協定)の閣僚会合は物別れに終わった。
関税の撤廃など自由貿易に関しては、150カ国超が加盟するWTO(世界貿易機関)が、グローバルなルール作りを目指してきたものの、まとまらず。
代わりに少数国間でFTA(自由貿易協定)を結ぶ傾向が強まっていた。
TPPは2006年に発効した、シンガポール、ニュージーランドなど、4カ国の「P4協定」が原型だ。2010年から米国、豪州などが加わり、TPPへと発展。
日本は2013年7月、最後発の12カ国目として、交渉に参加した。
いわばTPPとは、参加国のGDP(国内総生産)が世界の4割弱を占める、メガFTAである。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立、アジアで主導権を握ろうとする中国を牽制する意味でも、合意が期待されていた。
5年間を超える交渉の末、最後になるはずだった会合がなぜ、決裂したのか。
「某国はいろいろ過大な要求をしてくる」。
甘利明TPP担当相の批判の矛先はニュージーランド(NZ)に向かった。
同国のティム・グローサー貿易担当相との交渉で、「本当にまとめる気があるのか」と甘利氏が声を荒らげる場面もあったとされる。
■ 誤算だったNZの先鋭化
NZの狙いは何より、日本や米国への「乳製品」の輸出拡大だ。国内市場が小さいNZは、牛乳生産の95%を乳製品として世界に輸出。
酪農が国を支え、TPPで得られるメリットも乳製品輸出にほぼ限られることから、要求が先鋭化した。
日本もある程度の輸入枠を設定する方針だったが、NZの要求はそれを大きく上回るものだった。
対する日本は、酪農家を保護するために、乳製品、特にバターには、従価税換算で360%の高い関税をかけている。
輸入も国が制限し、最近ではバター不足が問題化するなど、改善すべき点は多い。
反面、「バターの輸入品価格は国産の3分の1。コメや肉と比べ品質による差別化も難しい」(本間正義・東京大学教授)と、NZの要求を丸のみするわけにいかない事情もあった。
米国やカナダもNZ案を拒否。
これがもう一つ難航していた、「新薬」のデータ保護期間をめぐる対立にも波及したのである。
製薬メーカーの強い米国が12年間を要求したのに対し、ジェネリック(後発医薬品)活用で医療費を安く抑えたいNZやマレーシアは5年間を主張。
日本は妥協点として8年間を提案し、一時は双方に歩み寄りの機運も生まれていた。
が、NZは「乳製品の要求が通らないなら新薬で譲歩しない」と強硬姿勢を崩さず、合意は絶望的となった。
会見で記者から交渉離脱の可能性を問われると、グローサー氏は「NZはTPP交渉を始めた最初の国の一つ。われわれは交渉から離脱しないし、追い出されもしない」と気色ばみ、TPPの前身であるP4協定からのメンバーであるプライドをのぞかせた。
今後は8月末から9月以降の会合開催が水面下で調整される。
実施されれば、これが最後の会合となろう。
2016年11月に大統領選挙を控える米国では年明け2月から予備選挙が始まり、超党派での協力が難しい。
米国内でTPPの承認手続きにかかる期間を考慮すると、今秋に大筋合意できなければ、米国で新政権が本格稼働する2年後まで、TPPは宙に浮くとみられる。
■ 保護政策なら衰退へ
ただ7月末の会合では、多くの分野で進展もあった。
甘利氏は、「もう一度会合が開かれればすべて決着する」と、願望も込めてコメントしている。
たとえば12カ国共通のルール作りでは、一定額以上の「政府の物品調達」や「公共工事」の国際入札を義務づけ、海外企業を公平に扱うこととした。
新興国のインフラ投資案件では、日本企業の受注する機会が増えることも期待されている。
TPP参加国のGDPの約8割を占める日米の間でも、難航していたいくつかの品目では、合意のメドが立っていた。
日本が攻める立場の「自動車部品」の関税2.5%では、即時撤廃を求める日本と、時間をかけたい米国とで隔たりはあったが、撤廃する方向では一致している。
片や日本が守る立場の農産品では対応が分かれた。
牛肉と豚肉では、早くから関税の引き下げ率などで、日米が大筋合意。
一方で、日本が“聖域”と位置づけているコメに関しては、様相が異なる。
「コメ」にかかる関税は現在、1キログラム当たり341円。
TPPでは現行の関税を維持するのが前提で、その代償として、日本は無関税で輸入する「TPP特別枠」の設定を受け入れる方針だ。
その量をめぐり、調整が続いている。
過去に日本は、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉における合意を受け、1995年から毎年一定量のコメを(2000年から77万トン)、ミニマム・アクセス(MA)米として、義務的に輸入してきた。
MA米の多くは国内農家に影響を及ぼさないよう、家畜の飼料や国際援助に回される。
その結果、売買差損や在庫の保管料で、累計2700億円の財政負担が発生。
今回の特別枠は、このMA米に加え、さらに輸入を増やすものだ。
さまざまな保護政策にもかかわらず、全農産物の産出額に占めるコメのシェアは20%程度と、低下が著しい。
特別枠の量がどの程度で決着するにせよ、競争力の衰退を止められず、さらなる財政負担の拡大を招く関税維持には、疑問が残る。
他方、米国産の「牛肉」は現行の38.5%の関税が、約15年間で9%に引き下げられる公算だ。
キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏は「国産牛肉は競争力があり、ダメージはない」と見る。
■ 競争力をつけた和牛
それを裏付けるのは、これまでの実績である。
輸入牛肉の関税は1991年時の70%から2000年にかけて、38.5%まで段階的に引き下げられた。
この間、高級な和牛の生産量は、実は増加した。
というのも畜産業者は、小売価格で輸入牛肉と約3倍の差がある、和牛生産に注力。
低価格の国産牛肉(乳牛種のオスなど)の生産は減ったが、高価格の和牛の生産は、1991年の14.3万トンから、2014年に16.1万トンまで伸びた。
関税の引き下げが競争力を高めた好例といえるだろう。
輸入牛肉の取扱量の多い国内の外食業界でも、TPP妥結を求める声が相次ぐ。
「TPPについて一つだけ言えるのは、悪いニュースではないということ」(日本マクドナルドHDのサラ・L・カサノバ社長)。
「食材コスト抑制につながることは歓迎したい」(吉野家HDの河村泰貴社長)。
輸入牛肉の場合、現地相場や為替も含めた複合要因で価格が決まる。
関税引き下げがメニュー価格引き下げに直結するわけではないものの、消費者が恩恵を受ける可能性は高まりそうだ。
また「豚肉」に関しては、現状、価格帯によってかけられる関税が異なるという、複雑な制度が採用されている。
1キログラム当たり524円を超える高い豚肉の関税は4.3%だが、安い豚肉には最大で482円の関税がかかる(価格によって関税額も変動)。
これは日本に安い豚肉が入ってこないための制度。
しかし今回のTPP交渉では、安い豚肉にかかる関税について、約10年間で482円から50円に引き下げる方向でほぼ合意した。
実現すれば、安い輸入豚肉の主要顧客であるハム・ソーセージメーカーは、原料価格を抑制できる。
コメなど一部例外を除き、TPPの交渉妥結で、日本の消費者が享受できる恩恵は大きい。
従来どおりの産業界保護で終わるのでなく、各国には“生みの苦しみ”を乗り越える努力が求められよう。
(「週刊東洋経済」2015年8月22日号<17日発売>「核心リポート01」を転載)
TPPについては、従来から国内産業保護の観点からのみ議論されていたように思います。
もちろん、生産者保護も大事ですが、一方で多くの日本の消費者へのメリットが語られなさ過ぎます。
安くて安全な食品が買えるのなら、消費者にとってはありがたいことです。
また、国内食料自給率(39%)の観点からも問題提起されていますが、世界的な異常気象が続く中、食糧購入先を日本のみでなく世界各地から確保するということも安定的な供給にとってはプラスの面もあるはずです。
さらに今までの日本の農業は選挙の大票田を武器に過保護的な扱いを享受し、自らの効率化やサービス向上をサボってきたフシがあります。
このままでは世界との競争に遅れをとるばかりか、国内の消費者にとっても否応なく高いものを買わされるという点からも両者にとって不幸なことです。
とはいえ、世界市場を一挙に開放してしまうのも乱暴ですので、10年くらいを目処に段階的な輸入枠の拡大を進めていき、この10年の間に国内の農業の改革を断固進めるという両面作戦が有効です。
こうした将来のビジョンを据えてTPP交渉をながめてみると、政府交渉は、国内産業への効率化への援助やプランをあまり語っていないように思います。
農家にとってみれば国内農家を保護するといいながら、現状のようになし崩し的に市場を開放するのでは二枚舌といわれても仕方がありません。
今すぐ「10年間で国内農業の効率化を国家プロジェクトで推進する」という大きな目標を掲げて、生産者と共に知恵を出すべきです。
10年というのは、10年一昔といわれるように長いようで意外に短いですよ。
そして、この記事からも食料自給率を上げるべきだという論調がなされていますが・・
日本は、実は莫大な量の水を輸入している
「バーチャルウォーター」を知っていますか
日本GE『GE Reports Japan』編集部
2015年08月01日
毎年8月1日は「水の日」。
これは1977年に閣議決定されましたが、昨年になって水循環基本法で法定化されました。
8月1日からの1週間を通じて、水資源の重要性について考える各種のイベントが国土交通省や各都道府県などの主催で行われます。
そこで、この機会に日本の「水資源」について考えましょう。
言うまでもなく、日本は四方を海に囲まれる島国です。
国土の大半を森林が占めており、数々の美しい河川が流れていています。
大きな湖もたくさんあります。
そんな日本は水を完全に自給自足していると考えがちです。
しかし、実は大量の水を輸入しています。
どういうことなのでしょうか。
それは日本の食料自給率が低いことが影響しています。
農林水産省によればカロリーベースでの日本の食料自給率はわずか39%。
つまり61%の食料を輸入に頼っています。
しかも、国内の農業就業人口がこの20年で約45%も減少しているだけでなく、農業就業者の平均年齢は66.2歳(2013年)と高齢化が進んでいます。
国としてさまざまな対策を講じてはいるものの、食料の多くを輸入に頼らざるを得ない状況は、これからも長く続くことが想像できます。
焼肉、ステーキ、とんかつ……皆さんの食卓に輸入された肉が並ぶことは、少なくないでしょう。
たとえばある日の夕食で、200グラムのビーフステーキを食べたことを思い出してみてください。
肉牛1頭が育つまでにどれだけの飼料を食べるのかを考えると、その飼料栽培に必要な灌漑用水のことが頭に浮かびます。
1食分、200グラムのビーフステーキを食すためには3200リットルもの灌漑用水が必要なのです。
こうしてみると、食料の輸入は「形を変えた水の輸入」とも考えることができます。
そして食料のみならずTシャツなどの衣料や工業製品でも同様に水の仮想貿易が行われています。
「バーチャルウォーター」と呼ばれるこの概念はロンドン大学の名誉教授、アンソニー・アラン氏が紹介したもので、各国の貿易を考えるうえで重要な視点を与えています。
降雨不足や干ばつ被害も深刻ではなく、島国ゆえに水紛争とも無縁で過ごしてきた日本。
しかし、安穏とはしていられません。
世界の総人口は新興国の経済発展とともに急激な増加を続けています。
現時点では約70億人とされる世界の総人口は、2050年には90億人を超えるという推計もあり、「水の奪い合い」が生じれば、見えない「水」ももっと高価なものになるでしょう。
水の持っている高い価値を考えると、食料自給率を高めるのはもちろんのこと、工業用水の再利用などによって水消費量を削減していく努力も必要です。
これらの問題を見据え、多くの企業が、水の再利用や効率利用を可能にする水処理ソリューションを提供しています。
海水を淡水に変えたり、石油精製や重工業で生じる工業排水を上水に変えるソリューションを通じて、世界の水消費を最小限に抑えることは重要です。
中には「水は21世紀の石油」と語る方も少なくありません。
日本に住む私たちも、こうした緊迫度をもって「水」について考え始めるべき時を迎えています。
この記事の問題提起は正しいのですが、結論は必ずしも1つではありません。
世界で水不足が起きているのは事実ですが、現在の日本で慢性的な水不足が起きているわけではありません。
記事の論旨は、日本の食料自給率を上げることで、海外からの輸入量を減らし世界で不足しているバーチャルウオーターの消費量を抑えることができる、ということですが、根本的な発想の転換をすべきなのではないでしょうか?
日本の技術力は既に海水を淡水に変えたり、汚水を飲み水に変えるというところまで技術革新が進んでいます。
こうした先進技術を発展途上国や多くの水を消費している国に対して政府経由で技術供与を行い、世界の慢性的な水不足を補うという、より積極的な関わりが必要なのではないでしょうか?
やみくもに国内自給率を上げればよしとする結論は、単なる自己(自国)満足に過ぎません。
こうした様々なロジックを使いながら、自給率確保⇒国内産業保護という便法に使われている気がするのは、私の思い過ごしでしょうか?
官僚が国内産業保護に強くこだわるのは、そこには規制を通じて予算の裁量や天下りという利権(うまみ)があるからで、決して多くの日本の消費者のためではないということです。
こうした視点をもてば、政府がなぜ消費者に一番メリットがあること(輸入規制緩和)をやってこなかったのかが、よ~くわかりますね。
国内産業保護も自給率確保もある程度は必要ですが、絶対的な正義としていつまでも念仏のように唱えられるのも困りものです。
要は、政策の受益者として企業側一辺倒ではなく、国民側(消費者)に軸足を移しながら、うまくバランスを取ることが求められているのではないでしょうか。
最後は、すばらしい日本の技術に関してです。
1日にレタス3万個製造、完全自動化の工場建設へ 京都
朝日新聞デジタル 8月17日(月)7
野菜工場事業を展開する「スプレッド」(本社・京都市下京区)が、栽培を完全自動化したレタス製造工場を、けいはんな学研都市内の京都府木津川市木津川台9丁目に建設することを決めた。
2017年夏ごろから出荷を開始し、生産規模は1日あたり3万個、年間売り上げは約10億円を見込む。
同社は同府亀岡市に世界最大級をうたうレタス製造工場があり、日産2万1千個。
新工場はこれを上回る規模となり、年間の生産量は1090万個におよぶ。
約1ヘクタールの敷地のうち約4400平方メートルに工場や研究開発・実験室を建設し、総投資額は約16億~20億円。
新工場では、レタスの栽培に専用のLED照明や独自の空調システムを採用する。
これによって、1個あたりのエネルギーコストを亀岡プラントに比べ30%削減。
育苗から収穫までの栽培工程を自動化することで、人件費も50%削減できるという。
また、工場内で栽培に使う水の98%をリサイクル可能にする。
来年春ごろに着工する予定で、雇用人数は検討中。
同社は現在、亀岡プラントで生産された4種類のレタスを「ベジタス」ブランドとして、首都圏や関西のスーパー約2千店に出荷している。(伊藤誠)
既に農業は、農家だけのものではなくなってきています。
従来の農家がすべきこと、異業種が参入すべきこと、という農産物の棲み分けにこそ日本の農業の未来があるような気がします。
では、8-18生まれの有名人です。
767年最澄(傳教大師)(僧,日本天台宗の開祖)、1864年伊藤左千夫(歌人,小説家『野菊の墓』)、1906年マルセル・カルネ (仏:映画監督『天井桟敷の人々』)、1927年城山三郎(小説家『総会屋錦城』『落日燃ゆ』)、1930年國弘正雄(通訳者,参議院議員)、1933年ロマン・ポランスキー (仏:映画監督『ローズマリーの赤ちゃん』)、1936年ロバート・レッドフォード (米:俳優)、1949年森安秀光(将棋棋士)、1952年パトリック・スウェイジ (米:俳優)、1965年堀江しのぶ(女優,タレント)、1972年中居正広(歌手,俳優(SMAP))。
おめでとう!

彼女のPVはよくできた作品が多いのは、よいクリエーターに恵まれているからですね。
Katy Perry - Roar

