サンライト カーニバル、Kukuna、のマオリの段の一曲目「 Tahi Nei Taru Kino 」 です。この名前は歌の第一行目から取られています。この歌はアクション ソング あるいはマオリ語で「 waiata-ā-ringa 」と呼ばれるものの一つです。
まず、「 waiata-ā-ringa 」について説明します。これはポリネシアの言葉で手 ( ringa )の歌( waiata )と言う意味で、それで、英語では「アクション ソング」 と呼ばれます。文字通り、歌の内容に合わせて手を動かしながら歌うスタイルです。 そんなことを言うとフラも同じだろうと言うことになるのですが、踊りではなく あくまでハンドモーション付きの歌という位置づけです。 さて、アウテアロア(ニュージーランド)にヨーロッパ人が入植し始めてから、 詠唱が主であったマオリの歌にメロディーが入って来ていました。「 waiata-ā-ringa の父 Sir Apirana Ngata 」がそれを徹底的に推し進めてマオリの言葉を正し、 教育の効果を上げるためにアクション ソングを普及させました。現在では 「 Health and Physical Education 」という政府部門が教育の中で推進しています。 「 waiata-ā-ringa 」でネット検索をすると学校のクラスで歌っている様子が出て くるのはそのような事情です。ただし、ニュージーランドとして全国的に行っている かは分かりません。 Sir Apirana Ngata は 1874 に生まれました、その名「 Ngata 」が示すように、 マオリです。彼はマオリでは初めてニュージーランド大学を卒業して政治・法律関係 へ進み 1931 年にはマオリ担当大臣となっています。そのためもあるのか、ニュージー ランドでは政府が積極的にマオリ文化の保全とマオリの教育に取り組んでいるようです。 以下がアクション ソングに関する簡単な歴史です。 Pre- 1769 : 歌は詠唱であった 1769-1814 : 船乗りたちの歌が影響する 1814-1870 : 宣教師が聖歌を導入し、西洋楽器の教育を行う 1870-1930 : 音楽集会とアクション ソングがマリオに勧められ、1991年に はマオリの劇団がヨーロッパ公演 を行う。WW1 がマオリの別れの歌に大きく影響した。 1930-1965 : WW2 が戦争と戦死者を歌う新ジャンルをマオリの歌にもたらす 1965-2005 : アオテアロア マオリ伝統芸術フェスティバルが立ち上げられ、 1972年から公演が始まる(YouTube でよく見る大会のようなもの がこれです。)
さて、タヒ ネイ タル キノです。これはアクション ソングでも初期のもので東海岸
から広がった、恋の喜びと不安を表現した歌です。作詞・作曲はParaire Tomoana
です。彼は興味深い人物ですが、詳細は下記を参照下さい。
(https://www.folksong.org.nz/tahi_nei_taru_kino/) まずは全歌詞を上げます。
ハワイアンズでは1番 - コーラス - 1番 - コーラスと歌われています。そこだけ
適当訳を付けました。
Tahi Nei Taru Kino
1. Tahi nei taru kino Like a pesky weed 厄介な雑草のように Mahi whai-ā-ipo you play at love あなたは恋を弄ぶ Kei te wehenga and when parted そして別れてしまったら Aroha kau ana love is no more 恋はもうなんでも無い Chorus Haere mai rā Come then だからいらしゃい Ki ahau nei rā to me わたしの元へ Te aroha tino nui for great is love それは大きい、私の愛 Haere mai Come (to me ) 私の元へいらっしゃい 2. He aha kei taku uma What is this within my chest Pākikini nei ? that pinches so? He aroha rānei ? Is it love? He aha rānei ? Or what is it? 3. Titiro atu au When I look (at you) Tahuri kē koe you turn away Kei roto i a koe (but) within you Pïrangi mai ana there is much longing 4. Kore ua e noho I will not sit still Hoatu taku ringa I give (you) my hand Kei huri kē koe in case you turn away Whakakaitoa i muri to jest later.